日本学生支援機構(JASSO)より、「2020(令和2)年度外国人留学生在籍状況調査結果」が公表されました。 そこから読み解く、コロナ禍での外国人留学生数の推移についてお伝えします。
2021・04・19
コロナ禍での外国人留学生数の推移とは? 採用するなら「海外大学の外国人学生」がチャンス【2020年度留学生調査】
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日本学生支援機構(JASSO)より、「2020(令和2)年度外国人留学生在籍状況調査結果」が公表されました。

 

1.コロナ禍での外国人留学生数の推移

外国人留学生数の推移は以下の通り。新型コロナウイルスの影響を受けて激減するかと思いきや、それほど大きな下げ幅とはなりませんでした。

外国人留学生数の推移

日本学生支援機構「2020(令和2)年度外国人留学生在籍状況調査結果」より

 

ただ、このデータは2020年5月時点の調査結果。多くの留学生はコロナ前に来日していたため、新型コロナウイルスの影響を本格的に受けたのは調査があった5月以降。つまり2021年度の調査で留学生数は激減すると推測されます。

実際に、日本に留学している中国人大学生・大学院生に向けた日本語学習の予備校を運営する知日株式会社の代表・セツイケンさんは次のように語ります。

「当予備校の2021年4月入学者は、前年比で約30%減りました。学部生と大学院生の双方を 合わせた数字ですが、特に減り幅が大きいのは大学院生です。大学院を断念する人が出てきています」
「コロナ禍の状況を比べると、日本よりも中国の方が落ち着いている」とセツさん。

「日本の先行きが見えない中、日本に留学する理由が見いだせなくなっています。親の反対もありますし、何より授業がオンライン主体となったことで、留学体験の価値も弱まってしまった。大学院進学を諦めて、就職する人が目立ちます」

また、セツさんは大学院生の中身についても指摘。

「これは私の肌感ですが、今の中国人留学生の大学院生のほとんどはスーパーグローバル大学の枠です。英語ができれば日本に留学ができるので、日本語ができない学生も多くいます。つまり留学生全体の人数が減り、さらに日本語ができる留学生も減るということ。この先、日本語ができる中国人留学生の大学院卒者は激減すると思われます」

先述の通り、新型コロナウイルスの影響で留学生が本格的に減るのは2021年度調査から。実際に例年6月と10月の2回行われる留学希望者向けのテストの受験者数は、2019年が合計5万8000人だったのに対し、2020年は2万4000人と約半分に(6月のテストは実施なし)。2021年の入学者数が減るのは明確です。

日本留学試験受験者数の推移

独立行政法人日本学生支援機構「日本留学試験受験者数の推移」より

このような状況を鑑みると、これから2年後に卒業を迎える(2023年卒の)大学院生、同じく4年後に卒業を迎える(2025年卒の)学部生を対象にした採用市場においては、留学生の数が圧倒的に減ると予想されます。

 

2.中国国内では就職競争の激化が社会問題に

一方で中国国内に目を向けると、大学生の数が過剰に。日本の2020年の大卒者が約57万人なのに対し、中国は1000万人にものぼります。人口の差は10倍程度ですが、大学生数は約20倍もの差があるのです。

「中国では大学生の数が多すぎて、就職競争の激化が社会問題になっています。これまでは欧米に留学した学生はそのまま現地で就職することが多かったのですが、国交の問題や中国の経済が発達したことによる母国への自信から、卒業後に帰国する人も増加。競争はさらに激化しています」

「中国人が日本に留学する動機は大きく二つある」とセツさん。一つはアニメをはじめとした日本文化への憧れ。もう一つが就職を見越した動機です。

「大学を卒業するだけでは、中国 国内の競争には勝てません。そのため、日本に留学することで箔を付け、あわよくばそのまま日本で就職することを視野に入れている人は多くいます。欧米に比べて現地就職もしやすいですし、日本語の問題も留学を視野に入れてから勉強する人が大半であるため、英語と比べて語学力に差がつきにくいのも利点だと感じているようです」

 

3.外国人留学生採用から、海外大学の外国人学生採用へ

こうした中国の状況は、裏を返せば優秀な中国人学生を採用したい日本企業にとってチャンスといえます。

日本企業で働きたい中国人学生は、留学生だけではありません。中国の現地大学に通いながら、日本での就職を希望している学生も多くいます。

これは中国以外のアジア各国も同様です。特にASIAtoJAPANが提携し、「Study Go Work JAPAN 日本語授業」を展開しているアジア各国のトップ大学には、「日本で働きたい、日本語ができる理系人材」が多くいます。

今はコロナ禍で来日が難しい場合もありますが、実際に海外在住の外国人学生を採用し、リモートで仕事を始める日本企業も出てきています。

今後数年、日本への留学生数が激減し、外国人留学生の採用激化は明白です。コロナ禍で社会環境は大きく変わりましたが、グローバル化やIT人材不足の流れは止まりません。今のうちに海外現地大学の外国人学生の採用に、目を向けてみてはいかがでしょうか。

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