株式会社テイエルブイ

株式会社テイエルブイ

会社情報
  • 所在地: 兵庫県加古川市
  • 社員数: 500 人(2019 年 3 月現在)
  • 事業内容 : 計測・制御機器の製造・販売並びにコンサルティング、蒸気・動力システム、配管の設計及び施工 ほか

  • 取締役副社長の藤原綾子氏、ジェネラルマネージャーCESセンターの見田哲也氏にお話をうかがった。

     

    ―外国人材の採用に取り組み始めたのはいつ頃ですか。

    藤原:海外展開に伴い、1980年代から外国人材の採用自体は行っていました。当社のユニークな点として、子会社の海外販社に日本人は駐在していません。現在拠点は世界に14ありますが、基本的に各責任者はローカルの出身者であり、年齢もバックグラウンドもさまざまです。現地で採用したら、日本への出張機会を多くもち、当社の企業理念、ビジョン、そして戦略をより深く理解してもらうとともに、日本の文化にふれられる機会をつくっています。

    見田:そこから「日本で働くエンジニア」を増やすための外国人材の採用を開始したのが、1995年頃です。その時期から製品の技術知識を理解するだけでなく、蒸気を使用している現場を診断する必要が出てきました。そして、2005年から「蒸気システム最適化プログラム」を日本でリリースした後、順次海外へ展開するにあたって、ますます海外メンバーとのコミュニケーションが重要になってきました。海外メンバーとのコミュニケーションをとる際に各国の文化を知ったうえで現地とやりとりができるメンバーが日本にいるのといないのとでは、コミュニケーションの質が全く異なります。

    現在は従業員約500人中、日本で働いている外国人社員は11名です。販社がある国の人を中心に、人材エージェントなどを使って毎年若干名を採用しています。

     

    ―日本人と外国人材の採用には、どのような違いがありますか。

    見田:外国人材だから特別重視していることはありませんが、人柄や能力を判断するのは難しいと感じます。日本人のレジュメであればある程度フォーマットのようなものがありますが、外国人材の場合はそれがありません。大学のランクは調べればわかりますけれど、良い人材が良い大学にいるわけでもありません。また、当社が実施する適性検査(SPI)の結果も、日本人と外国人材で傾向が異なります。あわせて実施しているメカニカルテストでは高得点だった人のSPIの基礎力があまり高く出ないこともめずらしくないですし、大学の世界ランキングからイメージする点数とはずいぶん違う結果が出ることもあります。

    そして面接の第一印象で外国人材を判断することも非常に難しいと感じます。日本人とローカルの人が感じる「良い雰囲気」は違うので、最近はローカルのメンバーにもテレビ会議で面接に参加してもらうなど、同じ国の出身者からの意見も聞くようにしています。

    藤原:英語が話せる方であれば日本人と同じような面接を英語で行いますし、外国人材ということをあまり意識はしません。ただ、モチベーションがロケーション(日本で働きたい)にあって、オキュペーション(業務)ではないという場合は、やはり慎重になります。仲間として長く一緒に働ける人を厳選して選びたいので、仮に日本というロケーションを重視しているのだとしても、その中でも当社を選んだ理由を説明できる方でないと心配にはなります。少数精鋭の会社だからこそ、「既存社員が育成の時間を割いてでも採用したい人材なのか」ということは意識しますね。

     

    ―日本語力はどの程度重視しますか。

    見田:部門によりますが、私の部門のCESセンター(Consulting-Engineering-Service)では不問です。部署自体のコミュニケーションも基本的には英語です。今いるCESセンターの外国人社員のほとんどは日本語が話せない状態で入社しています。

    藤原:とはいえ日本語ができないと日常生活に支障を来してしまうので、入社後は週2回の日本語レッスンを会社でサポートしています。日本語の教師に会社へ来ていただいて、対面で1対1ないしは1対2の少人数で実施しています。期間は特に決めていないので、本人が希望する期間受けることができます。

     

    ―社内には英語が話せない人もいると思いますが、外国人社員が日本語を話せないことでトラブルになってしまったことはありますか。
    藤原:英語が話せる人が少ない部門と外国人社員の間での業務上のコミュニケーションはほぼ発生しないので、トラブルというものはないですね。とはいえ文化が違いますから、生活態度やビジネスマナーの面で日本人社員が違和感をもつことはあると思います。

    見田:外国人社員は単純に日本の慣習を知らないだけなのです。あくまで私の感覚ですけれど、やはり日本で働こうという意思のある人たちなので、注意すればきちんと理解して、正そうとしてくれます。他の社員からみたときに印象が悪くなってしまっては本人が苦労しますから、気づいたタイミングでそのつど声をかけるように意識しています。おそらく「ポケットに手を入れてはいけない」ということがこれまでに最も多く指摘していることですね(笑)。

     

    ―受け入れにあたってはどのような対応をしていますか。

    藤原:ビザ関連の手続は社内で行っています。当社は海外出張が多いですし、月に1度はビザが必要なゲストが日本のオフィスに来るので対応には慣れています。住宅に関しては、最初はこちらで手配し、その後の家探しは本人に任せています。ただ、鉄道沿線の物件に引っ越した外国人社員から「電車の騒音が激しくて寝られない」という不満を聞いたことがあります。日本人の感覚だと、沿線の物件なのであれば電車の通過を待ち、うるさくないかを確認するのが当然だと思いますけれど、そのような当たり前のことがわからない場合もあります。家探し自体を初めて行う人もいますし、敷金や礼金の説明はもちろん、徒歩圏内にスーパーマーケットがあるかどうかといった生活条件面などのアドバイスができるような対応の仕方を検討する余地はあると思っています。

    ―長期的に外国人材が日本で働いていくうえで、課題に感じていることはありますか。

    藤原:システム面で気にしているのは、評価のあり方や、日本での永住を考えた場合の不便さです。外国人社員は日本でずっと働き続けることも将来的に母国に戻ることもできますが、後者の場合、日本と母国の給与水準の差が大きいときに、「現地の販社が日本と同じ水準の給与を出せるのか」という問題が生じます。以前は発展途上国から来た外国人材を雇う場合は、帰国後を視野に入れて基本給を抑え、「帰国補助」といった手当をつけるような設計をしていたのですが、それが通用するのは2~3年の短期滞在の場合なのです。5年、10年と長く働くほどトータルの金額が本人の給与水準になりますし、どこで働いたとしても給与水準が変わらないことがグローバル人材のステータスですから、本人も母国に戻ったとしても当然同じ給与水準だと考えるわけです。

    ただ、いくつかの販社はこれから成長していこうとしている段階ですから、やはり課題にはなります。採用する人にプレッシャーをかけたり、給与を低く設定したりといった話ではなく、本人が母国に戻ったときに同じ水準の給与を賄えるだけのパフォーマンスを会社として上げていくという緊張感をもつ必要がある。「現地の市場を伸ばしていく」というモチベーションをもたなければいけません。

     

    ―外国人材がいることで、会社に生じた変化について教えてください。

    見田:研究開発課のメンバーが海外とコミュニケーションをとる際のサポートを外国人社員に依頼したり、これまでに外国人材と接する機会が少なかった部門の社員の抵抗感が減ったりと、社内のグローバリズムにプラスになっているように感じます。また、ちょっとした会話をしているときに発想の違いに気づき、それが新しいアイデアや仕事のやり方につながることもあります。

    藤原:日本で働いているCESセンターの外国人メンバーは、お客さまにベストソリューションを提供する各国のチームを束ね、技術レベルを引き上げ、サービスの質を向上させる責務を担っています。「日本人の考え方はこうだけれど、シンガポールだったらこの考え方が一般的」といったことを、忖度なくフラットに日本のメンバーに共有してくれる人が多いですから、日本にいる社員の海外への理解や文化の違いに対する許容量といったものを引き上げることにもつながると思っています。

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