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【セミナーレポート】どこよりも早い、2022年のインド工科大学面接会(IITプレースメント)のトレンドとは

どこよりも早い、インド工科大学面接会のトレンドとは

目次

ASIAtoJAPANは7月7日、Webセミナー「どこよりも早い、2022年のインド工科大学面接会(IITプレースメント)のトレンドとは」を開催しました。

セミナーではインド工科大学(以下、IIT)3校よりプレースメント担当者を招きトークセッションを行いました。本記事では、その一部をご紹介します。


トークテーマ:

  • IITプレースメントとは
  • どこよりも早い2022年のIITプレースメントを考える
  • ASIAtoJAPANのIITプレースメントソリューションについて

登壇者:

IIT マドラス校 Santosh 様
IIT カラグプル校 Rushali 様
IIT インドール校 Urvashi 様
株式会社ASIA to JAPAN 代表取締役社長 三瓶 雅人

モデレーター:

株式会社ASIA to JAPAN 河合 麻結
株式会社ASIA to JAPAN Grace Bernadas
株式会社ASIA to JAPAN Ruchira Atre

 

【1】インド工科大学(IIT)とは

インド工科大学の入学試験。世界で一番難関と言われる

今回取り上げるインド工科大学(IIT)とは、インド国内でも難関とされる理系の大学群です。

IITへ入学するためには、JEEと呼ばれるインド国内の共通テストを受ける必要があります。
JEEはMainとAdvanceの2段階あり、最終的にIITへ合格するのは上位の約1.6万人です。インドの18歳人口は約2,500万人、JEE Mainを受けるのが約100万人ということを考えると相当な倍率であることが分かります。
このような背景からIITの入学は「世界で一番難しいテスト」と言われています。IIT卒業生はGAFAMをはじめ世界各国で活躍しており、世界中にネットワークをもっています。

 

三瓶:IITへ入学する1.6万人という数字は東京大学、京都大学、大阪大学、九州大学、名古屋大学の合格者数と同等と考えると分かりやすいかと思います。
IITの中でも圧倒的な人気はコンピューターサイエンスの学部です。IITのコンピューターサイエンスに進むと非常に年収が高いということが理由です。しかしながら、IITのコンピューターサイエンス以外の学生はITができないかというとそうではなく、IT関連の技術は就職に非常に有利に働くことから、どの学部の学生もだいたいはITの勉強をしています。

 

【2】IITの学生の就活面接会「プレースメント」とは

IITの学生を採用したい企業は、プレースメントと呼ばれる学生との面接会に参加する必要があります。IITでは学生を学業に専念させるため就職活動の期間やルールを「プレースメント」という仕組みで厳密に管理しているためです。

 

三瓶:プレースメントは毎年、土日などに関わらず現地自国12月1日の深夜0時からスタートします。企業は必ずプレースメントに申し込みIITの学生を面接します。12月1日前にはイレギュラーなやり方を除いては、面接を行うことはできません。もし仮にIITの学生に事前にアプローチしたことが分かると、以降のプレースメントには参加できないという措置が取られます。
プレースメント期間中に、企業は6時間程度の「スロット」1回が割り振られます。企業はその中で必ず面接を終了しなくてはいけません。2次面接、3次面接と面接を重ねる場合でも、必ず6時間の中でオファーを出す、というのがルールです。さらに学生側もその6時間のスロットが終わった段階で、オファーをもらった場合それを受けるか受けないか、複数オファーをもらった場合はどの企業のオファーを受けるかの判断を迫られます。そしてオファーを断った場合は、その学生はそれ以降のプレースメントに参加できないということになっています。
そのため基本的には「オファー=内定」という流れができています。逆に学生は1度参加しオファーをもらうと翌日以降のプレースメントには参加できないので、自然と優秀な学生は早い日程でいなくなってしまいます。

 

IITのプレースメントに参加するメリット

 

インド工科大学の学生を採用するメリットとは

 

IITは世界第2位の人口を誇るインド国内から集まった優秀さとモチベーションの高さを兼ね備えた人材の宝庫です。IITプレースメントは、優秀な学生を採用するチャンスであることに加え、採用の効率性という意味でも大きなメリットがあります。

 

三瓶:プレースメントには16,000人という大きな母集団が一気に応募してくるため、採用の効率が非常によいです。さらに面接から内定まで1日で完了、承諾率が高い点もメリットです。
内定から入社までの辞退も非常に少なく、3月ごろアメリカの大学の奨学金試験に合格した場合に辞退となるケースがありますが、そうしたケースはさほど多くはなく、例年の辞退率は5~10%程度と、日本の学生と比べても内定辞退は少ないと言えます。

 

 

【3】インド理系大学最高峰IITの学生にとって日本で働くことはどう捉えられているのか?

Webセミナー後半ではIITマドラス校、インドール校、カラグプル校3校のプレースメント担当者とトークセッションを行いました。以下では、トークテーマ「インド人学生は日本で働くことに対しどのように考えているのか」について一部を抜粋します。

 

Grace(ASIAtoJAPAN):それぞれのIITでは、どれほどの学生が日本で働きたいと思っているのか、また他の国と比較して日本で働くことはどのように考えられているでしょうか?

 

Urvashi 氏(IIT インドール校):IITインドールの学生にとってはCost to Company(会社がいくら自分にお金をかけるか)だけではなく、その国の通貨も重要なポイントです。現在、日本円はインドルピーより高いためその点は魅力的に映ります。

 

Santosh 氏(IIT マドラス校):IITマドラスでは一般的に、日本はテクノロジーのリーダーであるとみられているため魅力的に感じられています。ただ、日本語ができない中で日本コミュニティで生活すること、日本とインドでは物価の差が大きいので物価について難しさを感じる場合もあります。
IITマドラスではASIA to JAPANの「日本語研修プログラム」を通して日本語の授業が開催されています。約100人くらい参加していますが、それ以外にも日本に興味のある学生はもっといると把握しています。

 

Rushali氏(IIT カラグプル校 ):IITマドラス、インドールと同じポイントに加えて、カラグプル校では日本で働く卒業生たちからのその経験が共有されています。また日本の研究やテクノロジーは学生にとって興味の対象になっています。

 

IITでは日本の就職活動とは大きく異なる「プレースメント」という仕組みが採用されています。プレースメントでは、学生に提示するCost to Companyの金額が大きなウェイトを占めており、日本企業の提示金額中央値は残念ながら欧米に劣る状況です。

一方でIITの理系学生にとって、日本企業の技術力は魅力の一つです。ノウハウや過去の経験に基づいた戦略を立ててプレースメントに臨むことで、インドから優秀な理系人材の採用を成功させることが可能です。

 

【4】2022年のIITプレースメント参加の注意点

 

IITプレースメント2022年、TOP3校予測(マドラス、デリー、ボンベイ)予測。

 

IITのプレースメントに参加する際、参加日は大学側が過去の採用実績や給与をベースに設定するため企業側が選ぶことはできません。基本的には人気企業、つまり年収が高い企業順に早い日程が設定されます。

 

三瓶:日本では初任給はなかなか上がりませんが、インドは日本の高度経済成長期と同じくらい毎年年収が上がっています。そのため同じ年収提示をしても、去年より見劣りしてしまいます。さらに、現在インドルピーに対し日本円が非常に弱い状況です。たとえば今年(2022年7月5日)日本円400万円は232万ルピーですが、1年前は268万ルピーでしたので、15%下がっていることになります。そのため提示金額を下げたわけでなくてもインド人学生からすると、金額が下がった印象を受けるという状況です。
2022年の予測としましては、トップ3校(マドラス、デリー、ボンベイ)からの採用は特に厳しくなると考えています。上位校の早期日程(DAY2以内)の参加はCTC(Cost to company)800万円以上が必要になってくると予想しています。
おそらくDAY3、DAY4での面接参加となりますので、コンピューターサイエンスの学生はほぼDAY2までで決まっていなくなっているほどの厳しさと把握しています。

 

このような背景から2022年のIITプレースメントに参加し、採用を成功させるためには

  • 大学選び
  • 自社が面接参加できる日程を予測して面接する学生を選ぶ
  • Cost to Company(会社がいくら自分にお金をかけるか)の見せ方改善

などを戦略的に行う必要があります。

 

ASIAtoJAPANのプレースメント支援実績(2021年)

 

インド工科大学プレースメント参加校

 

弊社ASIAtoJAPANは2021年、23のプレースメント参加を支援しました。早期プレースメントへの積極的な参加、複数校のプレースメント参加などにより、日本企業の提示するCTCでもIITの学生を採用することが可能です。

弊社ASIA to JAPANは初期費用無料でIITプレースメント参加をサポートしています。これまで参加した企業様はすべて内定承諾を得て、採用に成功しています。

ぜひお気軽にご相談ください。

 


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