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コロナ禍で北米・イギリスのトップ大学の日本人留学生を採用する2つのポイント

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日本人留学生の就活状況最新レポート

2021年9月〜10月にわたり、ASIAtoJAPANはアメリカ、カナダ、イギリスの約50大学を実際に訪れ、日本人留学生向けの就職支援サービス『Fast Offer』の説明会をオンキャンパスで行いました。
ASIAtoJAPAN代表・三瓶雅人と『Fast Offer』を共に運営するアブロード代表・大崎隆志氏が、現地の様子をご紹介します。
前半の「日本人留学生の就活への危機感と現状」に続き、後半では、日本人留学生の採用を考える日本企業へのアドバイスをお届けします。

>>前半「北米、イギリスのトップ大学を訪れてわかった、日本人留学生の就活への危機感と現状」はこちら

※本記事は11月12日12時より開催したウェビナー『日本人留学生の「就活状況」最新レポート~北米・イギリス TOP 50校の直接訪問から帰国しました!~』の内容を基に作成しています。


日本人留学生の採用をする上で、知っておきたい4つのこと

前半でお伝えした日本人留学生の現状を踏まえ、日本企業の皆様にお伝えしたことをまとめました。

1.物価水準の違いを具体的な数値を使って 2.時差の認識 3.海大生専門の採用活動 4.日本語を話せる外国籍の学生も多い。多い大学だと1/4近く 5.職種ごとの仕事内容(マーケティング、海外営業、環境) 6.グローバル感、英語を使う仕事の明確化

1.給与水準の違い

三瓶:まずは物価水準について。欧米と比べると、1.5〜2倍近く差があります。現地の水準で日本の初任給を見てしまうと、「生活ができるのか?」と日本人留学生はギャップを感じやすいかなと思います。
これはかなり極端な例ですが、私が今回話を聞いたハーバード大学経済学部の学生は、日本のマッキンゼーとアメリカのヘッジファンドの双方から、それぞれ月給100万円を超えるインターンのオファーを得ていました。彼はヘッジファンドでインターン予定で、90%はそのまま入社となり、就職した場合の年収は1800万円スタートだそうです。

 

大崎:私が住んでいるシリコンバレーは、世界で一番給与水準が高い地域です。理系学生は新卒で10万ドル以上をもらっていたりもしますね。
ただ、学生にとってお金が全てではありません。もちろん給料が高いに越したことはないですが、それ以外の何で惹きつけるのかを考えることが重要です。
留学生であればグローバルセンスを生かせる仕事内容や環境を求める人が多いので、そういうアピールも有効だと思います。特に最近はいろいろなタイプの学生がいて、社会への還元を意識する学生も増えています。

 

三瓶:私は「お金と仕事のどちらを重視するか」という質問を各大学でしましたが、だいたいお金が4、仕事が6という割合でした。大崎さんの感覚はどうですか?

 

大崎:お金が3、仕事が7ですかね。仕事内容が一番で、その次にロケーション。出張なり駐在なり、グローバルで働きたいという希望が強く、そのあとにお金がくるような感覚です。

2.海外大学生向けの選考フローの整備

三瓶:日本の学生と日本人留学生の選考を一緒にしてしまうと、どうしても通過する学生はいつもの枠にはまった学生になりがちです。
可能であれば、海外大学生専用の選考フローや、専用の担当者や面接官を置けるといいですよね。

 

大崎:以前は海外大学生専用の採用担当者を設けるケースもありましたが、コロナ禍で選考がオンライン化したことで、国内採用と一緒に海外採用を行う企業が一気に増えました。それをコロナ前に戻すという考え方でいいんじゃないかなと思います。

 

三瓶:先輩から情報収集ができる日本の大学生と、一人ぼっちで就活をしている日本人留学生が一緒にグループワークなんかをやるのは、なかなかしんどいですよね。

 

大崎:日本人留学生は大学でディベートやディスカッションをたくさんやっていますけど、日本の就活のグループディスカッションには違うポイントがあります。大学と同じようにやってしまうと、目立ちすぎて落ちてしまう。そのさじ加減は難しいですね。

3.「総合職」への戸惑い

三瓶:日本人留学生に総合職への理解を促すのも、難しいポイントです。

 

大崎:総合職は海外の企業ではありえない職種です。欧米の企業には具体的なポジションがあり、そのポジションを埋めるための採用をするのが基本。仕事内容やポジションは明確なのが当たり前です。
そのため、学生は総合職が何をやる職種なのか、イメージがなかなか持てません。よくわからない中で志望度を上げなければならない難しさがあります。

 

三瓶:海外の大学に入り、英語を使って勉強や生活をしているので、当然日本人留学生はグローバル志向が強いです。グローバル感覚や語学力を生かした仕事であることを明確化すると、優秀な日本人留学生との接点を持ちやすいと思います。

 

大崎:「総合職」だけではなく、「こういうことをやります」という補足情報が充実しているとありがたいですよね。例えば日本人留学生に響きそうなポジションに就いている総合職の社員を紹介できれば、具体的なキャリアパスがイメージできます。

 

三瓶:特に環境や国際関係、マーケティングを専攻している文系学生の場合、その分野の仕事を希望する人が多いです。それに対してどういうキャリアパスがあって、最初の仕事はどういう風に決まるのか、補足があるとより丁寧ですね。

4. インターンシップの受け入れ

三瓶:今回ものすごく質問が多かったのが、インターンシップに関するものです。特に1〜2年生は「インターンをしなければ就職ができない」くらいの緊張感を抱いていました。

 

大崎:欧米はインターンシップの比重が高く、採用直結型のインターンシップも非常に多いです。日本でもインターンシップが採用に占める意味が強まっているので、焦りがあるのでしょうね。

 

三瓶:学生が求めているのは、ある程度の日数があるインターンシップ。夏に帰国する学生も多いので、そのタイミングでオフラインのインターンシップへの参加を希望している人もいました。

 

大崎:最低でも1週間、理想は4週間〜12週間ですね。ひと夏を費やすような長期インターンシップも人気で、むしろ日本の1DAYインターンは異質に写ります。大学によっては1ヵ月以上のインターンが単位の一部にカウントされることもあるので、そういう事情を汲んでいただけるといいと思います。

 

三瓶:特にベンチャー企業が優秀な日本人留学生を採用したいのであれば、1〜2年生のうちからインターンシップを受け入れ、自社の理解を進めてもらうことが重要です。

 

大崎:1〜2年生は内定を取るためのインターンシップとは思っていないので、採用力に自信がない企業や知名度が低い企業にとって、インターンシップはチャンスが大きいですよね。長期インターンの時期を複数用意するなど、フレキシブルに対応できると良い学生に出会いやすいと思います。

日本企業が優秀な日本人留学生を採用する2つのポイント

三瓶:今後、日本企業が日本人留学生の採用を行う際に、見直していただけると良いであろう点について、二つポイントをお伝えします。

1.採用スケジュールの後ろ倒し、1月に再度選考会 2.人事の方で事前面談、優秀だけど志向が固まっていない学生は不採用とせずにアドバイスし、もっと考えてきてから応募してねと再応募を促す

三瓶:一つ目は、採用スケジュールの後ろ倒しです。これまではボストンキャリアフォーラムが11月に開催されていたので、日本人留学生の採用時期も11月がピークでした。
ところが、今も同じように11月で応募を締め切ってしまうと、学生の準備が追いつきません。学生は何をやりたいのかもわからないまま、とりあえず応募せざるを得なくなってしまいがちです。
12月〜1月にかけて大学の試験時期を迎える学生も多いので、例えば1月に再度選考会を行っていただけると、日本人留学生との接点は持ちやすいと思います。

 

大崎:これまでは秋に一度の就職活動で終了でしたが、今後は年明けや春にも就活の山ができるように感じています。オンライン選考が中心になったことで長期化・分散化は進みそうですね。

 

三瓶:二つ目は、準備不足の学生に対して、準備後の再応募を促すこと。前半でお伝えした通り、日本人留学生は多忙で、就活に関する情報も不足しています。優秀であっても、自己分析や企業研究などの準備が足りず、落ちてしまうケースが頻発しています。
そのような現状に対し、「ここをもう少し考えてみて」と、選考を一旦保留にできるとチャンスは広まります。人事担当者が事前面談として、ポテンシャルがありそうな学生にアドバイスをし、その後改めて面接をしていただけると理想的です。

 

大崎:選考時期が遅れることを不安に思う人事担当者の方もいらっしゃると思いますが、内定が出た会社に即決める学生は少数です。自分の希望により近い企業の内定が取れるまで就活を継続する学生がほとんどですから、そこはあまり心配しなくても大丈夫だと思います。

 

三瓶:最後に、日本人留学生の就活スケジュールと、想定される意思決定のタイミングについて 秋と春の期末考査期間と合わせて大学ごとに調べてみました。アメリカは12月中旬に、イギリスは12月中旬と1月にテストがあります。

アメリカとイギリスの大学の期末考査期間。秋学期12月~2月上旬、春学期4月~6月上旬。全体的に、12月中旬、4月下旬~5月下旬は期末考査真っ只中。1~2月はイギリスのみ。

大崎:早い学生だと、約2週間前から試験モードになり、図書館にこもって勉強をする状況になります。試験期間はもちろんのこと、その手前の勉強期間を避けて選考スケジュールを組むことが重要です。

 

三瓶:そういう意味だと、12月中旬のテスト以降からコンタクトを取り始め、1月中旬に応募を一旦締め切り、1月末以降に選考を開始、4月中旬までに内定を出すのが、アメリカとイギリスの大学の試験期間を回避するスケジュールになりますね。

 

大崎:今年は現地にとどまる人が多そうですが、例年であれば年末年始に一時帰国するケースもあるので、その場合は対面で話をすることも可能です。
大学ごとに試験期間は異なるので、12月〜1月にかけて応募窓口をオープンにし続けられると理想的ですね。選考スロットを複数用意し、月ごとに分けて実施できるとチャンスはより広がると思います。

(END)

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