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【参加企業すべて内定IIT面接会 】IIT(インド工科大学)プレースメントの仕組みとポイントとは?
IIT学生採用のメリットを紹介

目次

IITプレースメント2021開催報告インド最高峰の大学、インド工科大学(Indian Institutes of Technology/以下、IIT)の学生は、世界中の企業から引く手数多です。
特にコンピュータサイエンスの分野で人気のIITですが、同大学の学生を採用するには、大学が主催する面接会「プレースメント」への参加が不可欠。

 

ASIAtoJAPANではIITのプレースメントに参加する日本企業を支援しており、2021年はおよそ80名の内定をサポートしました。

 

同年12月23日に行ったウェビナーでは、プレースメントの基本とポイント、2021年の振り返りと2022年の傾向予測と対策を解説。
本記事ではプレースメントの基本とポイントについて、オンラインセミナーの一部をご紹介します。
>>[後半の記事はこちら]IIT(インド工科大学)プレースメント2021年振り返りと2022年傾向予測

※本記事は12月23日に開催したウェビナー『IITプレースメント(インド工科大学面接会)2021報告~今年の特徴と来年の対策』の内容を基に作成しています。


世界最難関といわれるIIT入試試験の仕組み

インドの18歳の人口は約2500万人いて、そのうちの約100万人が世界最難関といわれるIITの入学試験を受けます。最終的な合格者は約1.6万人。世界でも類を見ない狭き門です。

一方で日本の大学受験者数は約43万人。東京大学、京都大学、大阪大学、名古屋大学、九州大学の合格者総数が約1.5万人ですので、そのくらいの規模感をイメージいただければと思います。

 

世界で最難関と言われる、IIT入学試験

試験結果はランキングで発表され、成績上位者から順番に入学したい学部とキャンパスを選ぶことができる仕組みです。人気の学部はコンピューターサイエンスで、ITの知見を学ぶことで卒業後に高い年収を得られることが人気の大きな要因となっています。

そのため別の学部に進学した学生の中には、大学の勉強よりもITの勉強を優先する人も非常に多いです。コンピュータサイエンス以外の学部生であっても、プログラミングテストで優秀な結果を出す学生は珍しくありません。

 

インド工科大学採用ガイド

 

IITの学生を採用するメリット

IIT学生を採用するには「プレースメント」に参加する必要があり、そのメリットは大きく次の3つが挙げられます。

(1) ある程度の母集団から選抜し、効率良く採用ができる

(2) 面接〜内定までが1日で完結。内定承諾率が非常に高い

(3) 日本の学生に比べ、内定〜入社までの内定辞退率が低い

詳細については後述しますが、日本の中規模のベンチャー企業であっても、プレースメントに参加すれば100名程度の応募が見込めます。これだけの母集団が形成できるので、効率は相当良いです。

入社後に関しても、IIT学生は非常に活躍してくれます。
日本国内だけでは、理系の新卒採用、エンジニア採用でなかなか優秀な母集団形成がしづらい環境のなか、海外の学生に目を向ける企業は年々増加していますが、このIITプレースメントにおいても同様に、多数の企業が毎年プレースメントに参加しており、IIT学生の採用を新たに始める企業も年々増加しています。

 

一方で、「長続きせず辞めてしまう」という声も少なからずありますが、ヒアリングをすると以下の理由が多いです。

(1) 仕事が簡単すぎる

(2) 収入の上がり幅が狭い

日本の場合、定年までの長いスパンでのキャリア設計が前提になっていますが、IITの学生はもっと短期で考えています。スピード感を持ってキャリアアップしたいIIT学生の気持ちと日本企業のキャリア設計が合わず、転職するケースが目立ちます。

また、年収が年間10万円程度しか上がらないことに対しても不満が生じやすいです。なぜならIITのアルムナイネットワーク(卒業生のネットワーク)でのやりとりが活発に行われているから。お互いの給与についてもオープンに話がされているため、卒業生同士で比較がしやすく、自身の年収への疑問を抱きやすくなってしまうのです。

他に、日本語のコミュニケーションが上手くいかずに退職に至るケースもあります。こちらに関しては、入社前の内定期間中に日本語研修を行うことである程度カバーが可能です。仕事に馴染みやすくなる効果も期待できます。

IITの面接会「プレースメント」の仕組み

IIT学生を採用するには、大学主催の面接会「プレースメント」に参加する必要があります。インド人にとって就活は非常に重要なこと。就活に熱心になるあまり勉強が疎かになってしまうことを防ぐために、大学が就職活動を厳密に管理をしているわけです。

そのため短期集中で就職活動を終えられるように、プレースメントは面接〜内定までが1日で完結します。企業は面接当日にオファーを出し、学生もまた当日中にオファーを受けるか決めなければいけません。

例えばA社がある学生にオファーを出した場合、学生はその日のうちにA社に行くか、断るか、結論を出さなければならない。もし断る場合は翌日以降のプレースメントに参加することができなくなるので、原則として「学生がオファーを断れない」仕組みです。

もし同じ日にB社からもオファーをもらった場合、学生はA社かB社かを選ぶことはできますが、同じく当日中に結論を出さなければいけません。双方を断ってしまう場合も同じく、翌日以降のプレースメントには参加できません。

 

インド工科大学(IIT)主催の面接会(プレースメント)

つまり、優秀な学生から順に就職先は決まっていきます。面接日程が後半になるほど、企業はなかなか優秀な学生とは出会えません。

では、企業の参加日程はどのように決まるのか。ポイントとなるのが、年収です。デリー校、マドラス校、ボンベイ校などの上位キャンパスのDAY1(1日目)に参加できる企業は、年収800万円以上が一つの目安となります。
プレースメントの参加日程は、給与をベースに大学側が設定します。企業が選ぶことはできず、大学側がかなり厳格に設定していますので、基本的に日程は変えられないとご理解ください。

IITプレースメントの基本スケジュール

IITプレースメントスケジュール

プレースメントは毎年12月1日から開催されます。日程は固定なので、土日は関係ありません。時間帯はキャンパスによって異なりますが、ムンバイ校の場合はインド時間で深夜0時、日本時間で深夜3時半から始まります。

企業のプレースメント参加登録は9月から始まり、その際にジョブディスクリプションを提出します。ここで最適なジョブディスクリプションを作成しなければ IIT学生への魅力付けができませんので、非常に大切です。初めて参加する場合は8月頃から準備をすれば十分でしょう。

10月からは学生のプレースメント登録が開始され、10月中に応募までの工程は全て完了します。この時期に企業は会社説明会やコーディングテストを行うことも可能です。学生が提出するレジュメは内容に虚偽がないよう、特に成績の部分をプレースメント担当者が事前にチェックをしています。

11月は大学の試験があるため一時中断し、12月1日からプレースメントがスタート。プレースメント後の内定期間は、日本語研修を中心に内定者フォローを行う企業が多いですね。

注意点は、3月のアメリカの大学の奨学金審査の結果発表。良い大学からの奨学金が下りた場合、内定辞退となる可能性が高いです。逆に言えば、それ以外の理由で内定を辞退されることはほとんどありません。

面接したいIIT学生の選び方

先述の通り、IITのプレースメントでは優秀な学生ほど先に内定が決まります。つまり、面接したい学生全員と面接ができるわけではありません。

仮に面接したい学生を30人選んだとしても、プレースメントに参加する日程によっては、選んだ30人全員が他社で決まってしまい、一人も面接できないという事態が起こり得ます。特にデリー校、マドラス校などの上位校でこのようなケースは生じやすく、実際に2021年のプレースメントでも誰とも面接ができなかった企業が見られました。

自社が何日目の参加になるかは、残念ながら面接する学生を選出した後に決まります。自社の年収額を考慮しながら「プレースメントの何日目に参加できるのか」を予測をした上で、学生を選ぶことが重要です。

なお、当社がIIT採用をサポートした経験から申し上げると、3〜5人面接して1名内定が出るのが平均的な歩留まりです。採用予定人数から逆算し、何人と面接できればいいのかを計算し、学生を選出しましょう。

学生の選び方は以下3つのポイントとレジュメを見て判断するのが基本となります。

(1) 大学での成績

学生のIIT内での成績を示すCGPA(Cumulative Grade Point Average)で判断をします。10点満点で、優秀といわれるのは7点以上。当社のクライアントも7点以上で選ぶことが多いです。

(2) コーディングテスト

10月のタイミングで学生にテストを受けてもらうことが可能です。IT系の学生を採用する場合はコーディングテストを推奨しています。

(3) キャンパスと学部

先述の通り、IITでは入学試験の成績上位者から順番に、キャンパスと学部を選ぶことができます。つまりキャンパスと学部を見れば、入学試験時の成績がある程度わかるということ。

IITでは、各キャンパス・各学部の人気ランキングがわかるデータを公表しており、「そのキャンパス及び学部を最初に希望した学生の入試試験順位」と「募集を締め切った学生の入試試験順位」を見ることができます。

Top40学部に入れるのは、だいたい2000番以内の学生まで。コンピューターサイエンス学部の募集締め切りは入試試験5845位の学生です。以下は当社で作成した表の一部ですが、こういったデータを踏まえて「どのキャンパスのプレースメントに参加するのが適切か」をご提案しています。

IITプレースメント参加校

(END)

 

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