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IIT(インド工科大学)学生の採用を解説!プレースメント(面接会)のポイントとは?

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インド最高峰の大学、インド工科大学(Indian Institutes of Technology/以下、IIT)。同大学のコンピュータサイエンス学部の学生人気は非常に高く、世界中の企業から引く手数多です。
では、IITの学生はどのように採用すればいいのでしょう?IIT特有の就職の仕組み「プレースメント」や、そのポイントを解説します。


1.インド工科大学(IIT)とは

インド工科大学(IIT)には23校のキャンパスがあり、大学ランキング上位のIITマドラス校、 IITデリー校、IITボンベイ校、IITカンプール校、IITカラグプル校の5校はOld IIT、それ以外の18校はNew IITと分類されます。それぞれのキャンパスは独立運営されています。

【Old IIT】 IITマドラス校、 IITデリー校、IITボンベイ校、IITカンプール校、IITカラグプル校

 

2.IIT入学試験

BachelorでIITに入るためには、まずJEE-Mainという共通テストを受ける必要があります。ここで約100万人から4万人まで絞られ、次にIITのテストを受験。最終的に合格するのはOld IITが約7000人、New IITが約9000人、合計約1.6万人です。

そもそも人口が多いインドは、大学を受験する18歳だけで人口は約3000万人[c]にものぼります。つまり、最初のJEE-Mainを受ける100万人は3000万人の中の超優秀層。そこからさらに上位校のOld IITに入れるのはわずか約7000人とあって、世界で一番難しいテストとも言われています。

 

3.キャンパスと学部の決め方

試験結果はランキングが発表され、成績上位者から順番にキャンパスと学部を選ぶことができます。
一番人気があるのは、Old IITのコンピューターサイエンス。Old IIT内での優劣はあまりなく、コンピュータサイエンス学部の空きがある中から、近所のキャンパスを選ぶのが一般的です。
コンピュータサイエンスが人気な理由は、圧倒的な収入の高さ。インドでエリートが就く花形の職業といえばエンジニアなのです。

例えばOld IIT各校のコンピューターサイエンス学部は、一学年約100人。Old IIT5校で500人、そのうちおよそ50人がアメリカのIT企業に、例年 年収1000万円以上で就職します。
ただ、それ以外の学生は国内で100万〜300万円代の年収で就職するケースが多く、同じOld IITのコンピューターサイエンス学部出身であっても、卒業後の年収は80万円から2500万円まで、大きな差が生じます。

Old IITのコンピューターサイエンス学部に行けない人の中には、ITに特化した『IIIT(Indian Institutes of Information Technology)』を選ぶケースもあります。また、別の学部を選び、ゴールドマン・サックスなどの高収入が見込める企業への入社を狙うことも。それだけ卒業後の給与水準を重要視しているのです。

 

4.IIT学生の採用には「プレースメント」参加が必須

IITは、学業を非常に大事にする大学です。そのため就職活動の影響が学業に出ないよう、大学が就職活動の期間を明確に定め、機会を用意しています。

これは「プレースメント」と呼ばれ、IIT学生を採用したい企業はプレースメントに必ず参加をしなければなりません。直接学生にアプローチをすることは禁止されており、違反すると二度とプレースメントに参加することができなくなります。

 

5.プレースメントの流れ

IITプレースメントの流れ

プレースメントは曜日に関係なく、毎年12月1日から約2週間に渡って行われます。
IIT学生は4年生の9月にプレースメントに登録をします。企業の Web登録も同じく9月。そこから随時企業説明会が行われ、基本的には説明会の1週間後が応募締め切りになります。
学生はシステム上で応募し、レジュメを提出。虚偽がないようIITの教師がレジュメをチェックしているため、企業は信憑性の高い書類選考が可能です。

10月には応募者に対し、各社が事前テスト(エンジニア採用であればコーディングテスト)を実施。その結果を見て、企業はどの学生と面接をするかを選びます。
そうしてインド時間の12月1日9時からプレースメントDay1がスタート。Day2、Day3と、約2週間毎日面接が行われます。(キャンパスによっては12月1日深夜0時〜9時をDay0と設定することも)

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6.プレースメントの特徴

プレースメントの特徴は、企業が参加できるのは期間中の1日だけだということ。全ての面接はその日の内に実施し、しかも同日中に面接の結果を出さなければなりません。つまりオファーを出すどうかの結論を即出す必要があるのです。

同時に学生にも「オファーへの返事を当日21時までにすること」が義務付けられています。学生はオファーを承諾した時点で強制的にプレースメント参加を終えることになり、それ以降の面接に参加できません。
例えばDay1の参加者であれば、Day1に得たオファーの中から1社を決めるか、全て断って翌日のDay2に参加するかの二択。複数のオファーを翌日以降に持ち越すことができないのです。(1社オファーをもらった時点で承諾するか、プレースメントでの就職を辞退するかの選択となる大学もある)

つまりプレースメント初日のDay1に参加する企業が圧倒的に有利であり、仮にDay3に面接を予定していた学生がDay1で受けた会社のオファーを承諾すると、その学生との面接は自動的にキャンセルされてしまいます。実際、例年Day3だと書類通過し面接を依頼した学生のうち、面接できる学生は30%程度となります。
ただし、参加日は大学が過去の採用実績や給与をベースに設定しており、企業が選ぶことはできません。基本的には人気の企業、要は年収が高い企業から順に振り分けられ、目安としては年収800万円以上の会社がOld IITのDay1となります。

過去の実績から見ると、日本企業の多くはDay3参加。オファーが出ていない残り学生と考えるとレベルが低く感じるかもしれませんが、IITに入学している時点で18歳人口3000万人中の3万人。相当な優秀層であることは間違いありません。

なお、2020年のプレースメントでのコンピュータサイエンス学部生の年収水準は以下の通り。2020年はオランダの企業が2300万円の年収を提示し、新聞に掲載されるなど話題となりました。

アメリカ:中央値1500万円
ヨーロッパ:中央値800〜2300万円
日本:中央値400〜600万円
インド:中央値200万円

近年、インド国内企業の年収水準は、高度経済成長期の日本を彷彿とさせる勢いで上がりつつあります。中には年収1000万円を提示する企業も。

 

7.プレースメントのポイント

先述の通り、たとえ面接を予定していたとしても、その学生がオファーを受諾した時点で自動的に面接はキャンセルとなります。つまり事前に面接したい学生を選ぶ時点で、学生のレベルと自社の参加日を考慮する必要があるのです。

例えば参加日がDay3だった場合、誰もが採用したいと思うような非常に優秀な学生から応募があったとしても、その学生にはDay1の時点でオファーが出る可能性が高く、Day3に面接ができる可能性はほとんどありません。優秀な学生から順に選出してしまうと、自社の参加日に誰とも面接ができない事態が起こりかねません。

企業の参加日は面接したい学生を選出した後に決まります。そのため、学生のレベルを見極め、自社の参加日を予測しながら学生を選出し、まずはきちんと面接ができる状態をつくることが重要です。
なお、ASIAtoJAPANがこれまでにプレースメント参加企業のサポートをした中では、3〜5人面接をして、1名内定が出るイメージ。一つの目安として、5人面接できる状態を目指すことをおすすめします。

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8.プレースメントでIIT学生を採用するメリット

プレースメントに参加し、IIT学生を採用するメリットは、効率の良さと内定承諾率の高さです。

企業が対応すべきこととスケジュールが明確に決まっており、面接は1日で終了。オファーへの返事も当日中にわかるため、面接〜内定確定まで1日で完結できます。昨年よりコロナ禍でプレースメントは完全オンライン化され、インド現地を訪れる必要もなくなりました。

また、学生はオファーを翌日以降に持ち越すことができないため、バッティングをするのは同日参加企業のみ。ライバルが少ないため、ASIAtoJAPANの過去実績では内定承諾率が約85%と非常に高いのも特徴です。
ほとんどの学生がプレースメントで就職活動を終えるため、内定〜入社までの内定辞退がほとんどないのも魅力の一つ。
唯一、3月の欧米大学への留学奨学金支給のタイミングで、支給が決まった場合に内定辞退となることがありますが、留学奨学金支給枠は狭き門。内定辞退となる割合は数%です。

 

9.日本企業がIIT学生を採用する際の注意点

企業説明会でIIT学生から多く上がる質問が「仕事内容」「給料」です。

・仕事内容

募集要項の仕事内容を明確に記載することが重要です。仕事内容が曖昧な総合職は人気がありません。

・給料

給料はインド人学生が最重要視するポイントです。日本の通常の新卒採用の年収水準ではIIT学生の年収水準に達せず、採用は困難に。そのためIIT学生を採用する企業の中には、IIT学生向けの人事制度パッケージを用意するケースもあります。
給料を提示する際のポイントは、「入社後の上げ幅を示すこと」と「総額を提示すること」の2つ。特に後者に関して、インド人は「Cost to Company(会社が自分にいくらお金をかけるか)」という考え方を重視する傾向にあります。
ボーナスの具体的な金額を提示するのはもちろん、入社前の研修費、来日時の航空券代、その他福利厚生など、「その人に対して総額でいくら投資するのか」具体的な金額を示すことが重要です。(※IITがオファー年収を公開することはありません)
なお、データサイエンティストなど、今後需要の増加が予想される職種に関しては、転職で年収アップすることを視野に入れ、最初の年収をさほど高く求めないケースもあります。

 

10.内定〜入社までにすべきこと

ほとんどの企業は、入社前の日本語教育研修を提供しています。日本語が全く分からない状態では入社後の早期退職の可能性が高まり、本人の日常生活も困難に。最低限の日本語が理解できるよう、事前に勉強できる機会を用意することを推奨します。
勉強時間の目安は、200〜300時間。もちろんそれ以上実施できるのが望ましいです。

 

11.IIT学生の活躍と定着

IIT学生を採用した企業のほとんどが「給料以上の仕事をしてくれている」と評価しています。活躍に関しては申し分ありません。
ただし、定着には難しさも。理由は大きく二つ、仕事が簡単すぎること、給料の上がり幅が低いことが上げられます。
IITの卒業生は、アルムナイネットワーク(卒業生ネットワーク)でコミュニケーションを取り合っています。欧米で活躍する卒業生の話を聞く機会も多く、全世界の企業と自社を比較しやすい状況にあることから、仕事面でも待遇面でも、自社の環境に不満を感じやすいといえます。
これを防ぐためにも、IIT学生向けの人事制度パッケージの用意が必要になってきます。採用時だけでなく、入社後の待遇についても事前に考えておくことが重要です。

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