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インド 工科大学から新卒採用|IITプレースメントで優秀人材の獲得手順とは?

目次

IIT校舎

インド工科大学、通称IIT(Indian Institutes of Technology)と言えばインドでは一流大学である。このIITは23校に分かれており、学部生、院生あわせて3万人弱在籍している。同校では独自の就職活動方式をとっており、毎年12月に企業が学校に出向き面接が行われる。ほとんどの学生はその学内就活で就職先が決まる。
新卒採用を行う企業は、この面接会に参加する必要がある。では、どのような手順で企業はインド工科大学の学生を採用できるのか?
今回、IITの中でもTOP校のIIT Madras校のPlacement の責任者であるDr. Manu Santhanam氏へインタビューを行ってその内容をまとめた。

 

まずは参加登録から

最初のステップは、オンラインでの企業参加登録となる。これはIITの各校のウェブサイトから出来る。毎年7月下旬までにこの登録を終えているのが望ましい。毎年参加している常連の企業には、7月中旬にはIITから招待メールが届くようになるという。

 

オンラインテストで選抜も

8月頃から学生も就活準備を始める。企業が希望すれば、9月~11月に学生に対しオンライン学力テストを行うことが出来る。人気企業になると、多数の応募が来るため書類審査だけでは追いつかず、このオンラインテストの結果で学生の絞り込みを行う。7月下旬頃までに参加企業登録が済んでないと、このテストを行うことが難しい。

 

学生にはプレゼン等で告知

11月下旬にはテスト結果をもとに、各企業が面接したい学生リストを作成する。
また、事前に学生に向けたプレゼンも出来る。2016年の例だと、IIT Madras校には250社が面接会参加し、内40社が事前プレゼンを行ったという。大手有名企業になるとプレゼンの実施はなく、校内のポスター張り出し等で告知する。

 

オファーも承諾もその日のうちに

12月1日から面接解禁となり、5日間程度面接が行われる。企業はあらかじめ決められた日に、面接することになる。また、企業は面接したその日のうちにオファーを出さなくてはならない。そのオファーに対して学生は、同日の21時までに返事をすることが義務付けられている。学生は一度オファーを承諾してしまうと、翌日からの面接には参加することはできない。よって企業は12月1日の面接解禁初日から、できるだけ早い日程で学生と面接する事が重要になってくる。

 

何をもとに「企業の面接日」は決定するのか

では、各企業の面接参加日はどのように決まるのか?
どの日程でどの企業が学生と面接できるかが決まるのは早くて11月20日頃。この企業面接会は学生も運営に携わっており、学生の担当者が、人気や待遇等を考慮し企業の面接日程を決めるという。1日目の面接を確保する上で、出来る限り好待遇の条件を提示することが大事な戦略となる。
では、具体的にどのような企業が1日目の面接枠をとれるのだろうか?

 

学生会から選ばれやすい条件は、主に4つ。

1.給料が1,200,000 ~ 2,000,000ルピー以上。
2. 全学科応募可能。
3. 世界的にも有名で採用予定人数が多い会社。
4. 専門性が高い企業。
IT企業のエンジニア採用では、新卒ながら年収1000万を提示する企業もある。このように飛び抜けて良い条件の場合、12月1日の面接会初日で学生を採用できる。学生は内定をいくつももらうことが出来ないため、優先順位の高い企業から面接に望まなくてはならない。この面接会に参加する日本企業もあるが、インドやアメリカの大手企業と優秀人材を採りあう厳しい現状がある。故に優秀な人材を獲得するために面接解禁日初日から面接に挑みたいということになる訳である。
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