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優秀な外国人材を新卒採用するための「内定〜定着まで」のポイント

目次

ASIAtoJAPANでは、無料日本語授業を通じてアジアの優秀な理系学生に日本語を教え、一定レベルの日本語力に達した生徒を日本での面接会に誘致する「Study Go Work JAPAN 日本語研修」というプログラムを提供している。アジア圏の上位に位置する10以上もの大学と提携し、母国でしっかりと機械や電気、コンピューターサイエンス、経営などを専攻してきた学生を日本で採用できるスキームを確立してきた。

 

本記事では、前編に引き続き、優秀な外国人人材を採用するためのポイントを紹介する。後編では内定を出してから先の注意点を見ていこう。
スーツを着た男性

 

ポイント1: オファーを出す時の駆け引きは不要

外国籍人材を採用する場合、駆け引きはせず、先手先手でストレートに口説き、オファーを出すことが重要だ。日本人大卒者と比べて母集団が少なく、さらに日本国内だけでなく、母国や諸外国の企業が競合となることも多い。そのため、他社に逃げられてしまう可能性が高いことを念頭に置く必要がある。

 

その際、「あなたを採用したい」「あなたが入社すればこのような場面で活躍ができる」と、率直に評価や期待を伝えることがポイントとなる。また、面接の場で内定承諾を得られれば、その後のコミュニケーションコストも削減できる点もメリットだ。

 

ポイント2: オファーレターの条件は丁寧に記す

オファーレターには採用後の条件を丁寧に、詳しく記載したい。特に以下のような生活に直結する部分については、明記することで無用なトラブルを避けられる。「何かあったら助ける」という心づもりの企業は多いが、書面に書かれていなければ、残念ながら伝わらない。

 

  • ビザ取得費用
  • 日本に来るまでの渡航費用
  • 初任給が出るまでの生活費の補助
  • 住宅手当の有無
  • 家を見つける為のサポート
  • 帰国一時金補助の有無

 

また、「残業手当込み」を「残業しなかったら支払われない」と勘違いしてしまい、「他社の方が条件が良い」と採用に至らなかったケースもある。伝え方にも注意が必要だ。

 

ポイント3:定着の条件は「キャリアパスの明示」と「こまめなフィードバック」

「石の上にも三年」という発想は、なかなか外国籍人材には通じない。外国では「専門性を活かせる職に就く」という考え方が強く、例えばITエンジニアであれば、SE→プロジェクトマネジャー→コンサルタント→スペシャリストといった具合に、自分の専門性の向上とともに会社を変えてキャリアアップをするという発想になりがちだ。

 

つまり、長く自社で仕事をしてもらうためには、会社内でのキャリアパスをしっかりと引くことが重要になる。年功序列の風土が残る企業はまだまだ多いが、今後ますます外国籍人材が増えていくことは目に見えている。外国籍人材の受け入れを機に、人事制度を見直すことを勧めたい。

 

また、人事制度に照らし合わせたフィードバックを実施することもポイントだ。四半期や半期ごとに人事考課を実施している企業が大多数だが、周期が長過ぎると感じる外国籍人材は多い。仕事への評価や、本人の成長、ステップアップするために必要なことをこまめに伝えることで、「認められている」「ここまで頑張れば次のステップに上がれる」と本人が実感できれば、安易な転職は防げるだろう。

 

もちろん、ただ褒めておだてるという話ではない。できていないことについても「ここを改善したらもっと良くなる」と伝えることが大切だ。相手の存在や価値を認める言動がないことが、外国籍人材が会社から離れていってしまう大きな原因の一つであることは覚えておきたい。

 

お勧めは、2週間に1回程度のフィードバック。しっかりとした1on1ミーティングはもちろん、ランチタイムやコーヒーブレイクなどのカジュアルな場でコミュニケーションを取るのでも十分だ。こういった仕組みを人事制度に取り入れてみてはいかがだろうか。

 

>>前編:優秀な外国人材を新卒採用するための「募集〜選考過程」でのポイント

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