1.基本事情と特徴
首都 | カイロ |
人口 | 1億926万人 人口は増加している。子どもの人口も未だに多く、都市部でも4人兄弟、地方では5人から8人兄弟が平均である。 |
言語 | アラビア語(エジプト語)(発音やアクセントが異なる) 都市部では英語も通用するが、地方では通じないことも多い。 |
宗教 | イスラム教 9割、キリスト教(コプト派)1割 |
2.教育事情
- エジプトの教育制度は日本と基本的に同じで,小学校(6年間),中学校(3年間),高校(3年間),大学(4年間)。工学部は5年間だが、カイロ大学は2023年から4年間で任意で卒業できる制度を設立。義務教育期間は小・中学校の9年間。
- エジプトには,公立校のほか,原則として英語やフランス語のみで授業を行う「ランゲージ校」と呼ばれる私立校も多くあります。比較的金銭面に余裕がある生徒が通い、小学校・中学・高校全てある。
- エジプトの授業は日曜日から木曜日に行われる。
- 科目は日本と大きくは変わらないが、大きく日本と違うところは違うことは、宗教の授業や、コンピューターの授業に力を入れていることだ。
- エジプトには特に首都カイロにおいて,ブリティッシュスクールやアメリカンスクール、カナディアンスクールなどの私立のインターナショナルスクールがたくさん存在しています。
- 最近の教育事情としては、公立の学校教育に期待していない人が多く、学校通わない人がいたり、中学生以降は補習塾に通う人がほとんどである。
- 授業料は、国公立については全て小学校から大学まで無料。
- 大学入試について
- 高校3年生の最後(6月)にThanaweya Amma (サナウィーヤ・アンマ)という全国統一の卒業テストをうける。このテストの点数次第で、大学進学先や学部が決まる。そのため、人生でもっとも重要な試験と言われている。
- 試験結果の持ち点を踏まえて進学希望の大学・学部に願書を出し、そこで合否が決まる。不合格になった場合は、すぐに、同様に願書を別の大学・学部に提出し、そこでまた審査を受ける。
- 志望学部によって受ける科目は異なる。
- 高い点数をとった学生から大学・学部を選ぶことができる。
- ほとんどの学生は一年以上前から勉強し始める。
- 競争率はとても高い。大学事情について
- 大学進学率は約48%
- 私立は学費が高いため、ほとんどは公立を目指す人が多い。
- 理系学生の方が多い。
- 工学部と医学部が人気である。
- 公立大学はお金がかからなく、試験勉強が忙しい人が多いためアルバイトしている人は少ないと言われている。
- 高いレベルの大学は、授業や課題全てが全部英語で行われることが多い。中レベル以下の大学はアラビア語で授業されていることも多い。
- 大学院に進学を希望する場合、海外の大学院が多い。
3.日本への関心と日本語環境
- 日本への興味の原点は、アニメや日本の高い技術力。その興味関心から自分で勉強する人も多くいるため、比較的学習意欲が高い。
- 日本語を勉強することで観光ガイド国家資格や観光産業への就職に有利と考えている人が多い傾向がある。
- 日本語を勉強する人は一定数いるが、工学部で日本語を勉強している人は少ない。
- 日本語学部がある大学は以下の大学だ。
- Cairo University
- Ain Shams University
- Misr University for Science and Technology
- Aswan University
- Benha University
- Al-Azhar University
- E-JUST University
- MISR University for Science and Technology
- JICAのボランティアが日本語授業を教えている大学もある。
- 日本への留学は、文部科学省が提供する奨学金がもらえるプログラムを通じて行くことができる。文部科学省のプラグラムを通じて日本に留学できる学生は1年におよそ11人。それ以外にも日本語学科のある大学は交換留学の制度が整っている。
- 文法や語彙等がまったく異なるため、日本語を勉強することの難易度は高いが、そもそもアラビア語の難易度が高いため、難しい言語の習得への耐性はついていると言える。
4.就職事情と仕事観
- 人口が多いため、近年就職先が見つからない「就職氷河期」が訪れている。直近5年で、「EGP(エジプト・ポンド)」の価値が、対USドルで約1/4に落ちているため、国内企業では新卒を採用する企業が少なくなっている。
- 人気な就職先は、グローバル企業やコロナをきっかけにスタートアップ。文系はマスコミや観光が人気である。
- 国内での就職難から、海外に目を向ける人が増えている。しかし、海外の企業は3年以上の経験がないと就職することが難しいとため、新卒からの海外就職は厳しい。
- キャリアフォーラムやLinkedinで就職先で探す人が多い。また特徴的なのが、インターンや家族、友達関係などネットワークで就活する人が多い。
- 就活時期は卒業後。その後、面接等を経て数か月後に働き始めることが多い。しかし、兵役義務がある人は大学卒業後の10月に、兵役期間年数が確定するため、その後から就職活動を始める傾向がある。
5.主な大学
(公立大学約170校、私立大学約65校)
- Cairo University
- The American University in Cairo
- E-JUST university
- Aswan University
6.兵役について
・対象:18歳~30歳
対象外:健康が良好でない者、一人っ子、姉や妹がいても男兄弟がいない者、他国籍を持つ者
兵役に行くのは次男のみ
・期間:1年間~3年間(学歴等で期間は決まる)
・兵役の延期:25歳まで、学業が修了するまで延期することができる。