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海外大学に通う日本人にとって、オンキャンパスリクルーティングは日本企業と直接接点を持てる数少ない機会です。
オンキャンパスの説明会や選考について、海外大学生たちの本音を見てみましょう。

1.「わざわざ来てくれた」ことがうれしい

——オンキャンパスの会社説明会や選考会について、どう思いますか?

トロント大学

●Dさん(カナダ/UBC):シンプルに時間帯が助かりますね。時差の関係で深夜から説明会や面接に参加することもあるので、日中の開催はありがたいです。

●Jさん(アメリカ/UCSD):参加しやすさはありますよね。オンラインだと自分の部屋から参加することが多いんですけど、僕はアメリカ人たちと一緒の寮に住んでいるので、結構うるさいこともあって。キャンパスのWi-Fiが弱いことが心配で集中できないこともあります。外的要因の調整が結構難しいので、来てもらえると楽です。

●Eさん(カナダ/UBC):「わざわざ来てくれる=この大学の学生がほしいんだな」と思います。海外大学生がほしいと言うだけではなく、実際に来てくれるのは単純ですけど好感度が上がります。

●Bさん(アメリカ/UCLA):わかります。日本から現地に来るのは大変だからこそ、コストと労力をかけてまで来る価値があると思ってくれているのはうれしいですよね。

あとは、オンラインよりも直接人と話す方が空気感はつかみやすいです。画面上だと雰囲気がわかりにくいとオンラインで選考を受ける中で感じたこともあって。質問も対面の方がしやすいです。

●Kさん(イギリス/マンチェスター大学):社風などの定性面はオンラインだと不十分だと思います。間を取ってゆっくり話すのも、オンラインだと気まずいことがあって。費用はかなりかかると思うんですけど、来てくださるとうれしいですね。

●Jさん(アメリカ/UCSD):オンラインのイベントだと、参加者はカメラもマイクもオフで、企業が淡々と説明することが多いけど、オンキャンパスだと双方向のやりとりができます。「普段はどんな生活をしているんですか?」と聞いてくれることで、「思ったよりフランクな会社なんだな」とイメージが変わることもあるなと思います。

●Iさん(アメリカ/サンディエゴ州立大学):私は地元の就活支援団体の役員をやっているんですけど、去年いろいろな団体のオンラインセミナーや対面イベントを開催した際、圧倒的に対面イベントの方が人数が多かったんです。そこまでその企業に興味がなくても「とりあえず行ってみよう」という気安さはあると思いますね。

 

 

 

2.学生同士で横のつながりが持てる

●Hさん(アメリカ/UCバークレー校):僕はコロナの影響で縦の関係性が弱くなったのを感じています。ちょっとしたことを聞く機会がなく、個人戦みたいな感じで。
一方、オンキャンパスだと「どんな会社受けてる?」「どうやって就活してる?」など、学生同士で質問ができるので、チーム戦みたいな感覚があります。そういう意味でも、対面のイベントは助かりますね。

●Iさん(アメリカ/サンディエゴ州立大学):海外から日本企業を志望していること自体、孤独感があるのに、オンラインで深夜一人で面接をするのはさらに孤独ですよね。だからオンキャンパスに参加した時、多くの学生がいるのを見て、「同じように頑張っている人がこんなにいるんだ」と励みになりました。

正直、イベントの内容自体はオンラインでも大差ない印象でしたが、横のつながりが持てて、「最近どう?」みたいな、ちょっとした就活関係の情報交換ができるのは対面ならではだと思います。

●Hさん(アメリカ/UCバークレー校):
僕は1年生の頃からオンキャンパスのイベントに参加していました。当時は企業が用意してくれる寿司やピザを目当てに友達と行っていたんですけど、「こんな会社があるんだ」「ケース面接ってこうやるんだ」といった知識を得られた。そういう偶然性があったのはよかったなと振り返って思いますね。

3.社員の声を聞く機会がほしい

●Gさん(イギリス/マンチェスター大学):僕は会社説明会をオンキャンパスでやる必要性はあまり感じないですね。時間を合わせるのが負担だし、オンラインだったらアーカイブも残るし、知りたい情報をピンポイントで探せる。その方が合理的だと思います。

面接は確かに対面の方が空気感は伝わるけど、オンラインの方が楽ではあります。移動がないし、自分の都合に合わせて準備もできるので、個人的にはオンラインの方が好きです。

●Fさん(カナダ/トロント大学):来てくれるのはうれしいですけど、事前にその企業について調べて、自分にとってどうなのかを分析する時間が必要ですよね。会社説明会プラス選考も行うことがありますが、準備ができていなければあまり意味がないような気もしてしまいます。

そういう意味では、長期滞在してくれたらいいなと思いますね。最初に「自分たちはこういう会社です」と説明をした上で、学生に考える時間を与え、その後面接に進む。現実的ではないかもしれないですが、検討の時間をもらえるのが理想です。

——ギュッとまとめて選考が受けられるメリットがある一方、調べたり検討したりする時間が少ないデメリットもあるわけですね。

●Eさん(カナダ/ブリティッシュコロンビア大学):オンキャンパスとオンラインのハイブリッドになるといいですよね。オンラインで配信すると同時に、現地に行きたい人は行く。大学の授業がそういう形式ですが、それができれば全員のニーズに合致するように思います。

●Fさん(カナダ/トロント大学):オンキャンパスをやりつつ、気になった企業の社員とオンラインで話す機会を作ってもらえるとうれしいですね。
確かに対面の方が雰囲気はわかりやすいですけど、サンプル数が少ないじゃないですか。たまたまその人たちがいる部署の雰囲気がいいだけかもしれないから、オンライン、対面問わず、社員との接点を増やしてもらえると、より雰囲気は分かりやすいのかなと思います。

●Aさん(アメリカ/UCLA):海外大学生の場合、OB/OG訪問がほぼできないから、実際に働いている人から話を聞く機会はないんですよね。会社説明会後に面接も行うケースは多いけど、その前に社員との座談会など、フランクに話が聞ける機会を設けてもらえるとありがたいです。

 

<参加者>

  • Aさん:アメリカ/カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)社会学専攻
  • Bさん:アメリカ/カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)社会学専攻
  • Cさん:カナダ/トロント大学、映像・経済学専攻
  • Dさん:カナダ/ブリティッシュコロンビア大学(UBC)金融専攻
  • Eさん:カナダ/ブリティッシュコロンビア大学(UBC)心理学・美術学専攻
  • Fさん:カナダ/トロント大学、経済学・保健数理専攻
  • Gさん:イギリス/マンチェスター大学、コンピューター専攻
  • Hさん:アメリカ/カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー校)環境経済学
  • Iさん:アメリカ/サンディエゴ州立大学、ビジネス専攻
  • Jさん:アメリカ/カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)社会学専攻
  • Kさん:イギリス/マンチェスター大学、ビジネス専攻

 

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