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海外大学に通う日本人留学生の就活に関する悩みの一つが、「就職活動を始める時期がわからない」こと。

>(参照記事)「就活の情報も時間も全然足りない」~海外大学に通う日本人学生の ホンネと悩みを徹底調査(1)

一方、日本人の海外大学生を採用したい日本企業にとっても、彼ら・彼女らがどのようなスケジュールで動いているのかはわかりにくいものです。
一体、海外大生はどのようなスケジュールで就活をしているのでしょうか。今まさに就活中の学生たちに聞きました。

1.3年生の夏から就活を始めればよかった

——皆さんはいつから就活を始めて、いつまでに終えたいですか?

●Fさん(カナダ/トロント大学):僕は秋から4年生になる年次で、1カ月前ぐらいから夏のインターンに応募しています。そのまま早期選考を受けるか、コンサル志望なのでボスキャリで決めるかという感じです。始めたのは遅い方で、短期決戦になりそうかなという感じです。

●Cさん(カナダ/トロント大学):交換留学生の日本人の友達の影響で、私は比較的早めに始めました。今年9月から3年生なので、9〜3月まではボスキャリ、来年5月ぐらいに帰国して面接を受け、そこで内定が出ればベストですね。

期間としては長いですが、その分負担は分散できるかなと思っています。短期間に負荷がかかると、できることもできなくなっちゃうじゃないですか。期限が来ているからやらなきゃいけないけど、リソースも時間もない状態はきついので、避けたいですね。

●Fさん(カナダ/トロント大学):絶対に3年生の夏からやった方がいいですよ。去年やっておけばよかったと心底思っています。

●Eさん(カナダ/UBC):私も9月から3年生になるので、今の話を聞いてやばいなと思いました(笑)。「3年生で内定をもらえたから、4年生は単位に専念できた」と先輩が言っていたので、私も早めに終わらせたいですね。今年のボスキャリで決められたらベストです。

●Fさん(カナダ/トロント大学):ただ、ボスキャリで選考を受けると、その後2年間は応募ができない企業もあるので、本命はより準備ができている4年生で受けた方がいいですよ。

——なるほど。オンキャンパスについて聞いた際に「ちょっとした情報交換ができるのが良い」とお話ししていましたが、まさにこういう大事な情報が得られるわけですね。

2.ボスキャリと日本の選考の使い分け

アメリカ、カナダ、イギリスの日本人留学生のホンネ

●Gさん(イギリス/マンチェスター大学):僕は3年生で、先月から応募をし始めましたが、内定をもらい次第終えようと思っています。というのも、僕は合わなかったら転職すればいいと思っていて。

そもそも新卒一括採用の考え方自体があまり好きではないんです。人にはそれぞれのペースがあって、僕の場合は来年7月で卒業ですが、その後旅行もしたいし、卒業してすぐに働くことに疑問がありますね。

●Dさん(カナダ/UBC):私は2年生でインターンをして、3年生には内定がほしいと思って就活をしていました。想定通り内定をもらったので終えようと思ったのですが、周りが優秀な会社に決まっているのを見て、来年もう一回やろうかなと思っています。

●Bさん(アメリカ/UCLA):3年生の時のボスキャリに参加し損ねて、今年3月から始めました。国内選考を多く受けて内定はもらったんですけど、欲が出てきたので今年のボスキャリまでは続けようと思っています。

●Aさん(アメリカ/UCLA):私は3年生のボスキャリでインターンを始めていて、今年の夏休みから本格的に就活を始める予定です。その上で、ボスキャリで終わりにしたいと思っています。

●Hさん(アメリカ/UCバークレー校):僕も3年生のボスキャリから就活を始めていて、今年の12月に終われば上出来かなと思います。僕はアメリカ企業への就職も視野に入れているので、双方を見つつ、来年卒業するまでには決めたいですね。

●Iさん(アメリカ/サンディエゴ州立大学):今3年生で、今年の年始から徐々にセミナーを受けたり、エージェントに話を聞いたりしています。同じ大学の日本人の先輩に聞くと、夏から始める人が多かったのですが、「もっと早く始めた方がよかった」と言う人もいたので、早めにスタートしました。

具体的にはボスキャリを保険として受けておいて、日本の学生と同じフローで本命企業を受けようと思っています。というのも、ボスキャリで受けると、英語力や海外経験があることは前提じゃないですか。でも、日本の選考だとそこが差になる。だから、本命は日本の選考で受けようと思っています。

 

 

3.海外大生の就活時期が遅れがちな理由

●Jさん(アメリカ/UCSD):僕も3年生のボスキャリあたりからセミナーに参加し始めました。情報収集は早い方がいいだろうと思ったのと、僕は23歳の代で、同級生の多くは社会人1年目なんです。みんなの就活や就職する会社について聞いていたので、自分も動き出さなきゃまずいと思ったのが大きかったです。これから本腰を入れて、今年のボスキャリまでに終えられたらいいかなと考えています。

●Kさん(イギリス/マンチェスター大学):僕はまだ1年生ですが、イギリスの大学は3年制なので、実質日本の大学2〜3年生と同じかなと思います。なので今年2月から就活を始めて、行きたい業界の日系企業のインターンに参加するために一時帰国しています。

大学では部活もしていますし、3年生になれば卒論もある。院の受験も考えたいですし、3年生になる前に就活を終えたいですね。

——「就活を始める時期がわからない」と伺いましたが、本当に人それぞれなんですね。

●Jさん(アメリカ/UCSD):そうですね。同じ大学の日本人でも、早めに始める人もいれば、4年生の3〜4月にまだ就活をしている人もいる。温度感はかなり異なりますね。ただ、どちらかというと、早めに始める人の方が少ない気がします。

——なぜだと思いますか?

●Jさん(アメリカ/UCSD):海外の大学に進んだ時点で同級生とは半年〜1年くらいずれるので、ちょっとルーズになっているところはあるかもしれないですね。あとは就活情報を得るのが難しいので、就活への意識が薄いのもあると思います。

 

<参加者>

  • Aさん:アメリカ/カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)社会学専攻
  • Bさん:アメリカ/カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)社会学専攻
  • Cさん:カナダ/トロント大学、映像・経済学専攻
  • Dさん:カナダ/ブリティッシュコロンビア大学(UBC)金融専攻
  • Eさん:カナダ/ブリティッシュコロンビア大学(UBC)心理学・美術学専攻
  • Fさん:カナダ/トロント大学、経済学・保健数理専攻
  • Gさん:イギリス/マンチェスター大学、コンピューター専攻
  • Hさん:アメリカ/カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー校)環境経済学
  • Iさん:アメリカ/サンディエゴ州立大学、ビジネス専攻
  • Jさん:アメリカ/カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)社会学専攻
  • Kさん:イギリス/マンチェスター大学、ビジネス専攻

 

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