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中華人民共和国(People’s Republic of China)

中華人民共和国

目次

 

1.基本事情と特徴

 

首都 北京
人口 約14億人
世界で最も人口が多い国としてよく知られる。
言語 公用語は中国語。
宗教 仏教・イスラム教・キリスト教など、さまざま。

とにかく国土が広大であるため、一言で中国と言っても地域差が大きいことは念頭に置きたい。北京や上海などの大都市が集まる沿岸部は発展しているが、内陸部には昔ながらの農村地帯がまだまだ残っており、経済格差は激しい。
儒教の影響から目上の人を立てる文化が強く、上司がいる会議で部下がほとんど発言しないことも珍しくない。

2.教育事情

小学校に6年間、中学校に3年間、高校に3年間、大学に4年間通い、義務教育期間は小中学校の9年間(一部地域ではそれぞれ5・4・3・4年制)。都市部では受験競争が激化しており、子どもの学習負担や教育費の増加が問題となっている。大学進学率は50.60%だが、人口が多いぶん学生の総数も多い。

なお、トップ大学である北京大学、清華大学、復旦大学、浙江大学、ハルビン工業大学、上海交通大学、南京大学、中国科学技術大学、西安交通大学の9大学は「C9(九校連盟)」と呼ばれる。他に大学の研究の質を国際レベルに引き挙げるために国が重点的に投資するプログラム「985工程(Project 985)」に選定されている大学も優秀な学生が多い。上位大学出身者のほとんどは英語が堪能であり、中国語と英語を操る中国人が一人いれば世界のビジネスを広くカバーできる利点もある。

3.日本への関心と日本語環境

2018年度調査では日本語の教育機関数は世界第3位、教師数と学習者は世界第1位となっており、100万人を超える人が日本語を学んでいる。漢字という共通点もあるため日本語の習得も早い。教師の日本語力も全般的に高く、日本で学位を取得した大学教師も少なくない。

また、一部の大学では日本語強化班を設置し、理工系と日本語の学位を同時に2つ取得できる制度があることも。この場合、日本語は選択科目ではなく必須科目となり、双方の学位を取得しなくては卒業ができない。こうした理工系と日本語がセットになったプログラムが用意されている背景には、これまでに両国が密な経済関係を築いていることや、アニメや漫画を中心とした日本文化への関心、そして中国からの訪日観光客が増加していることなどが挙げられる。

4.就職事情と仕事観

大学4年生になった9月から就職活動を開始し、日本と同じく在学中に就職先を決めるのが一般的。仕事探しは大学の学内セミナーに参加したり、就職サイトから直接応募したりすることが多く、メッセンジャーアプリ「WeChat」の大学のグループチャットを通じて求人が紹介されることもある。インターンシップも盛ん。

沿岸部の一部の大手企業では上位大学のIT人材の給与が高騰しており、新卒の初任給が40万円を超えることもある。ただ、あくまでもそういった企業に就職できるのは一握りの超優秀なIT人材のみ。たとえ上位大学の学生であったとしても国内で満足のいく条件で就職するのは難しく、海外に目を向ける学生は多い。

これまではアメリカが人気だったが、トランプ政権下で就労ビザの取得が困難になった今、日本での就職に目を向ける学生も増えつつある。日本で働くことを希望する理由としては、馴染みやすさが大きい。距離的に近く、欧米諸国と比べて費用の負担が少なく、漢字や食事など文化が近いという安心感もある。内陸部や東北地方は沿岸部に比べて給与水準が低く、特に東北地方は日本語に親しんでいる人も多いため、狙い目の地域と言えるだろう。

5.主な大学

上海交通大学(Shanghai Jiao Tong University)

浙江大学(Zhejiang University)

北京科技大学(University of Science and Technology Beijing)

北京大学(Peking University)

東北大学(Northeastern University)

西安交通大学(Xi’an Jiaotong University)

大連理工大学(Dalian University of Technology)

華中科技大学(Huazhong University of Science and Technology)

天津大学(Tianjin University)

ハルピン工業大学(Harbin Institute of Technology)

武漢大学(Wuhan University)

吉林大学(Jilin University)

 

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