【静岡銀行セミナーレポート】高度外国人材採用セミナー~高度人材の採用と育成について学ぶ~

【セミナーレポート】高度外国人材採用セミナー~高度人材の採用と育成について学ぶ~

株式会社ASIA to JAPANは2025年8月28日(木)、SFGマーケティング株式会社(本社:静岡市)主催、株式会社静岡銀行およびASIA to JAPAN共催による、静岡県内企業向けセミナー「高度外国人材の採用と育成について学ぶ」を開催しました。

国内の若年層の人材確保が年々難しくなる中、国境を越えて活躍が期待される高度外国人材(大学卒以上)に注目が集まっています。

本セミナーでは、高度外国人材の採用に関心を持つ企業を対象に、高度外国人材を採用する際に必要な知識や手順、ポイントなどをご紹介しました。

この記事では内容の一部を抜粋してご紹介します。


■セミナー概要

●トークテーマ
高度外国人材採用セミナー
~高度人材の採用と育成について学ぶ~

●登壇者
SFGマーケティング株式会社(以下:SFGM )
グローバルビジネス部 秋山 侑 様

株式会社静岡銀行(以下:静岡銀行)
人材開発グループ 課長 早瀬 大喜 様

アズビル株式会社(以下:アズビル)
人事部 副部長 渡邊 まなみ 様

株式会社ASIA to JAPAN(以下:ASIA to JAPAN)
代表取締役社長 三瓶 雅人

●モデレーター
SFGマーケティング株式会社
イ ソギョン 様


 

■外国人雇用が注目される理由と背景

・主な背景は日本の課題

秋山様:外国人雇用が注目される理由のひとつに、日本が直面している「少子高齢化」があります。

民間の研究データによると、2040年には全国で約1,100万人の労働力が不足すると試算されており、今回の会場である静岡県でも約63万人が不足すると予測されています。

日本の総人口は2005年をピークに減少を続けていますが、なかでも「生産年齢人口(15歳〜64歳)」は全体よりも早いペースで減少しています。

総人口の減少にはタイムラグがあるため、需要と供給の差が長期間開いたままになり、慢性的な労働力不足につながることが懸念されています。

・不足を補う対応策として

秋山様:労働力不足への対応策として、女性の就業促進や定年延長による65歳以上の雇用拡大が進められています。

しかし、それでも十分には追いつかないのが現状です。

近年ではAIやロボットの導入を進める企業も増えていますが、AIはまだ成長段階にあり、人材不足の完全な代替には至っていません。

こうした状況から、少なくとも2040年ごろまでは人手不足が続くと見込まれています。

・外国人雇用のススメと未来

秋山様:JICAが公表した調査によると、「目標GDP成長の達成」を前提とした場合、2030年には需要に対して約77万人の外国人材が不足すると予測されています。

さらに2040年には外国人材需要が約688万人に達する一方で、約97万人が不足すると見込まれています。

こうした背景から、外国人材の採用はもちろん重要ですが、それだけに頼るのでは不十分です。

女性の活躍推進や高齢者雇用、さらにはAI・DXの活用など、多角的な取り組みを進めることが不可欠だと考えられます。

・外国人労働者の増加

秋山様:最近、日本で働く外国人の数は増加傾向にあります。

その背景には、外国人材を受け入れる企業が年々増えてきていることがあります。

特に顕著なのが、いわゆるブルーワーカーと呼ばれる分野での採用です。

製造業や建設業、介護などの現場では、ここ数年で外国人材の採用数が大きく伸びているのが現状です。

一方で、今回のテーマである「高度外国人材」についても、緩やかではありますが着実に増加しています。

2024年度の調査によれば、対象となった民間企業のうち約9割が「今後も高度外国人材の採用は増える」と予測しており、その重要性はますます高まっているといえます。

・外国人雇用を推進する企業が増えている理由

秋山様:企業が外国人採用を進める理由としては、大きく4つあります。

それが「人手不足の解消」「グローバル化の推進」「優秀な人材の確保」「インバウンド需要への対応」です。

人手不足は言うまでもなく大きな課題ですが、それ以上に注目すべきは“新しい視点”です。

日本人だけの職場ではなかなか生まれにくい発想や着眼点が、外国人材を採用することで組織に加わり、新しい風を吹き込むことができます。

単なる労働力の補充にとどまらず、企業の成長や変革を後押しする存在となり得るのです。

・グローバル採用の現状

早瀬様:静岡銀行のグローバル採用についてご紹介します。

私たちがグローバル採用を始めたのは2013年からで、今では在籍している外国籍の方のうち、約8割が中国や韓国の出身です。

そのほかには東南アジアの方々も働いてくださっています。

採用を始めた当初は、年に1名ずつのペースで進めていましたが、コロナ禍以降は毎年10名前後を採用するようになりました。

こうした取り組みを進めている理由は、単に人数を増やすためではなく、多様な人材ポートフォリオをつくり、新しい価値を生み出していくことを目的にしているからです。

・FAST OFFERを利用した現地外国人採用の事例

早瀬様:静岡銀行では、ASIA to JAPANさんが展開されている採用イベント「FAST OFFER」を活用し、実際に内定者を獲得した実績があります。

このイベントのいいところは、現地に行って特定の国籍の方だけに会うのではなく、多様な国籍の学生と直接お会いできることです。

特に最近採用が難しくなっている理系学生に出会えるだけでなく、日本語レベルも高い方が多いので、面接に臨む不安も少なく、むしろ魅力的な学生と出会える場でした。

また、FAST OFFERは月に1回オフラインで開催される面接会ということもあり、日本にいながら海外トップ校の優秀な新卒外国人と会えるのは本当に大きな魅力だと感じました。

さらに一番ありがたいのが、入社までの受け入れサポートがとても充実している点です。

ビザの取得や入出国手続きは正直慣れていないと大変ですが、そこを丁寧にサポートしていただけるので安心して進められました。

加えて、内定から入社までの期間を活用した日本語教育研修まで幅広くフォローしていただけるのは、外国人採用に不慣れな企業にとって本当に大きなメリットだと思います。

■高度外国人材採用にあたってのポイント

・採用を始めるタイミング

三瓶:2年前のデータになりますが、2023年度の採用充足率の調査では、全体の40%ほどしか満たせておらず、調査開始以来の最低値でした。

さらに少子化の影響で、新卒日本人学生の数は今後も減少していくと予測されています。

実際、2001年度から2022年度の21年間で、若者の数は約34%も減っているのです。

一方で、2023年度時点の大学生数を見ると、日本は約988万人に対し、中国は5,713万人、インドは4,055万人と、母数の差は圧倒的です。

こうした背景を考えると、日本人だけで人材を確保するのは、今後ますます難しくなるのは明らかです。

そのような中で、「外国人材を採用するかどうか」について悩んでおられる企業様も少なくないと思います。

しかし、すでに議論のフェーズはそこを過ぎており、今は「いつから始めるのか」を決める段階に来ています。

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ASIA to JAPAN代表 三瓶の講演の様子

・育成も一つの採用支援

三瓶:とはいえ、外国人材の採用に踏み切ることに不安を抱える企業様も少なくありません。

実際、弊社のお客様からも「採用」「入国」「入社後」と、それぞれのフェーズでさまざまな心配の声をいただきます。

特に多いのが、言語に関する不安です。

不採用理由の約80%が「日本語力不足」というデータもあり、どんなに能力が高い人材でも、言語面の壁が日本企業にとって最大の懸念になっていることがよくわかります。

ただし、日本語力は教育によって引き上げることができます。

弊社では450時間にわたる日本語授業を実施し、面接の受け答えができるレベルまで育成しています。

ここまでしっかり取り組むことで、安心して企業様にご紹介できる体制を整えているのです。

なぜこの点を強調するのかというと、海外の理系学生で「独学を含め、日本語で面接できる人材」はほとんど存在しないからです。

だからこそ、理系の専門性を持ちながら日本語で面接できる人材を育成することが、私たちがご提供できる大きな就職支援のひとつだと考えています。

・働くことと住むことの違い

三瓶:ASEANの学生を対象にしたアンケート調査では、「住みたい国」として日本が首位に選ばれています。加えて、日本で働く外国人材の定着率も、他国と比べて高い水準を維持しています。

ここで注目したいのは、多くの外国人材が「日本で働きたい」から来るのではなく、「日本に住みたい」から来ているという点です。

実はこの部分に、採用担当者とのギャップが生まれやすいのです。

かつては「日本の技術を学びたいから働きたい」という声が多く聞かれましたが、いまはそのような動機を持つ学生は少数派になっています。

・採用担当者が直面する3つの壁

三瓶:以上のように、企業が抱える不安や、応募者との考え方のギャップから、せっかくの優秀な人材採用を諦めてしまうケースも少なくありません。

特に採用担当者の方が直面しやすいのは、「文化や価値観の違い」「受け入れ体制の不足」「定着への不安」という3つの壁です。

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ASIA to JAPAN代表 三瓶の講演の様子

私たちが特に大事にしているのは、この中でも「定着から活躍」へつなげること。そのために、外国人材へのアフターフォローを手厚く行うことをおすすめしています。

不安を理由に動けないままでいると、大切な採用のタイミングを逃してしまうリスクがあります。

まずは一歩を踏み出し、弊社のようなプロに相談いただくことも有効な選択肢のひとつです。

 

■ASIA to JAPAN採用イベント参加者経験者の声

・現在の高度外国人採用の取り組みについて

三瓶:現在、高度外国人採用について御社ではどのような取り組みをされていますか?

渡邊様:アズビルでは、毎年およそ120名の新卒採用を行っていますが、近年はその中で外国人材の割合を徐々に増やしてきました。

直近では20名ほどを採用しており、もはや当たり前の取り組みとなっています。

実は10年ほど前までは、外国人材の割合は1%にも満たず、ほとんどが日本人採用でした。

私自身が外資系出身ということもあり、当初はその環境に強い違和感を覚え、「この状況を変えたい」と思ったのがきっかけです。

そこから高度外国人材の採用を積極的に推し進めるようになり、今では毎年20名を迎えるのが自然な流れとなっています。

・採用支援サービス「FAST OFFER」を利用したきっかけ

三瓶:実は2019年から弊社の採用支援サービス「FAST OFFER」をご利用いただいていますが、利用しようと思ったきっかけについて教えていただけますか?

渡邊様:きっかけは、前年の2018年にASIA to JAPANが主催するセミナーやイベントの案内メールをいただいたことでした。

実際にイベント登録をする前に見学ができると伺い、内容にも興味があったため、まずは見学会に参加することにしました。

・イベント参加者の学生の特徴

三瓶:イベントでさまざまな学生とお会いされたかと思います。お話しした参加者の傾向や特徴はいかがでしたか。

渡邊様:アズビルの外国人材の割合は、全体の半分が中国籍の方、25%が韓国籍の方になります。実は留学生だけだと偏りがあるなと感じていました。

FAST OFFERでは、インド籍、マレーシア籍、タイ籍、エジプト籍など様々な出身者がいるので、偏りが少なく幅広い採用が可能となりました。

弊社(アズビル)はメーカーですので、もちろん中国や韓国にも拠点がありますが、東南アジアも拠点を置いているので、そうした国の応募者に会えるのはとても魅力があります。

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アズビル 渡邊様との対談

三瓶:外国人材の「日本語力」(言語について)はどのように感じられましたか?

渡邊様:取り組み方は企業によってさまざまです。

例えば弊社の場合、AIに精通した人材を採用したくても、日本人ではなかなか難しい。

一方で、外国人材なら優秀な人材を採用できると聞き、実際に採用へ踏み切りました。

ただしその際、「日本語力を求めない」という前提で進めたため、英語しか話せない人材を採用したケースがありました。

ところが、配属先の部署で使うツールはすべて日本語。

事前の対策をしていなかったため、現場では大きな問題になりました。急きょ必要な資料をすべて英訳するなど、突貫工事で対応することになったのです。

その後も言語に起因する課題はたびたび発生しましたが、最終的には外国人材の方が先に日本語をマスターし、問題を乗り越えることができました。

とはいえ、対策なしで受け入れたことは、やはり無謀だったと今振り返って感じています。

三瓶:現在の採用では日本語レベルは重視されていますか。

渡邊様:過去の経験から、一定のレベルがある方を採用するようにしています。

ただ、部署によって求めるレベルを変えています。

・高度外国人材採用で大事なポイント

三瓶:高度外国人材を採用するにあたって大事にしているポイントはありますか?

渡邊様:これは外国人だからというわけではありませんが、私たちは出身国だけで採用を判断することはしていません。

一人ひとりのバックボーンを丁寧にヒアリングし、配属先が求める人物像とマッチするかを見極める。

そのうえで、お互いに納得できる採用をしなければ、結局は誰も幸せにならないと考えています。

この点さえ押さえておけば、そのほかの課題は時間をかければ解決できます。

大事なのは、まず“互いのギャップを埋めること”。そこをしっかり意識することで、外国人材にも活躍して定着してもらえるのだと感じています。

・入社後の苦労や受け入れの工夫

三瓶:入社後の苦労や受け入れで工夫されていることはありますか?

渡邊様:やはり外国人材の採用には苦労もつきものです。

特に気づかないうちにギャップが生まれてしまうケースは少なくありません。

アズビルでは、日本人と外国人で採用方法を大きく変えることはしていません。

ただし、志望理由だけは少し工夫しています。

以前、面接担当者から「うちの会社にあまり興味がなさそうだから不採用にする」という声があったのですが、海外にいる学生にとってアズビルを知っている人はほとんどいない、というのが現実です。

むしろ、数ある選択肢の中からアズビルを選び、わざわざ面接を受けてくれること自体に敬意を示すべきだと考えています。

そこで、面接では会社や業務内容、働き方などを丁寧に伝え、ギャップが生まれないように工夫しています。

また、面接担当者には事前に候補者の出身国について理解を深めてもらうようにしています。

これにより配属後もコミュニケーションが取りやすくなり、育成もスムーズに進むようになりました。

その結果、定着につながっていると感じています。

三瓶:まさに今お話しいただいた通り、面接の場で「選ぶ側」と「選ばれる側」に分かれてしまうと、採用後のギャップを埋めるのは難しくなります。

だからこそ、渡邊さんのように理解者が間に入って調整することが、外国人材を採用するうえで非常に重要なポイントであると我々も考えています。

 

■外国人材採用について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください

日本では少子高齢化により、今後ますます人材不足が深刻化していきます。

その一方で、海外には優秀で意欲ある学生が数多く存在し、日本で働くことを望む人材も少なくありません。

外国人材を採用することは、単なる人手不足解消の手段にとどまらず、企業に新しい発想や多様性をもたらし、組織の成長を後押しする大きな可能性を秘めています。

もちろん、言語や文化の違いに起因する不安はつきものです。

しかし、それらは教育や受け入れ体制の整備によって十分に乗り越えることができます。

むしろ重要なのは、採用後に「定着から活躍」へつなげる仕組みを作ることです。

いま企業が考えるべきことは、「外国人材を採用するかどうか」ではなく、「いつから取り組みを始めるか」です。

適切な準備とサポートを行えば、外国人材は日本企業の未来を支える大きな戦力になります。

ASIA to JAPANとしても、企業の皆さまと共にその第一歩を後押ししていきたいと考えています。

外国籍の学生採用に興味がある企業様はASIA to JAPANへお気軽にお問い合わせください。