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【セミナーレポート】350社の外国人材採用支援から見えてきた!本当に必要とされる入社前・入社後サポートとは?

目次

【セミナーレポート】350社の外国人材採用支援から見えてきた!本当に必要とされる入社前・入社後サポートとは?

ASIA to JAPANは、株式会社オリジネーター様をお迎えし、webセミナー【350社の外国人材採用支援から見えてきた!本当に必要とされる入社前・入社後サポートとは?】(日本経済新聞社 人財・教育事業ユニット共催)を3月27日に開催しました。

外国人採用支援を専門とするASIA to JAPANは今年で創業8年目を迎え、年間約400名の外国人新卒学生企業様をつないできました。

今回登壇いただいた株式会社オリジネーター様は、2005年から外国人採用支援、外国人留学生を中心とした就職支援事業に携わり、350社以上の支援実績を持っておられます。
本セミナーでは、同社と共に外国人採用本当に必要とされる入社前後のサポートについてご紹介しました。

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この記事では内容の一部を抜粋してご紹介します。


■セミナー概要

●トークテーマ
350社の外国人材採用支援から見えてきた!本当に必要とされる入社前・入社後サポートとは?

●登壇者
株式会社オリジネーター(以下:オリジネーター)
取締役 執行専務役員 工藤 尚美 様

●モデレーター
株式会社ASIA to JAPAN(以下:ASIA to JAPAN)
代表取締役社長 三瓶 雅人

 


 

■近年の採用トレンドと課題感

・外国人労働者の推移

三瓶:マスメディアで報道もされていますが、近年外国人労働者の数は増加傾向にあります。

通常、国が公表する統計は想定よりも下回ることが多いと思いますが、外国人の増加については想定よりも増えています。工藤様はこの外国人の増加について実感をお持ちですか。

工藤様:三瓶さんのおっしゃる通り、留学生においても政府が2033年に40万人計画というのを立てているのですが、すでに昨年末で達成しており国の予測よりもだいぶ前倒しで進んでいるという印象です。

三瓶:まさにそうですよね。

ちなみに外国人が日本で働くための資格は複数種ありますが、主なものは技能実習特定技能技術人文国際(通称:技人国)と言われています。

中でも技人国は毎年増加傾向にあるのですが、今後も右肩上がりで推移していくことが予想されています。

・今後の課題

三瓶:今後、外国人採用について次の3つの課題を解決する必要が出てきます。

まず採用競争のさらなる激化です。
各企業が海外または留学生の採用を進めていくと、優秀な人材の確保がより困難になると予想しています。

特に現在“円”が弱いため、外国人の自国通貨に換算すると給与が目減りしているように捉えられてしまうという問題が発生しています。

続いて受け入れ体制の不備です。

人事部や配属先となる現場の受け入れ体制が整っていないことで、外国籍社員の定着率が低下してしまう問題をよく耳にします。

最後に文化や言語の壁です。
特に言語の壁問題は長年どの企業様も苦労している点で、社内外でのコミュニケーションがうまく取れず、ストレスを抱え早期離職につながってしまう問題が出ています。

これら全てを完璧に改善するのはなかなか難しいと思いますが、これらの改善方法について工藤さんにお話しを伺たいと思います。

まず採用競争の激化についてどのようにお考えでしょうか。

工藤様:その点については、留学生においても数年前から日本人と同じく二極化してきています。

特に理系はすでに争奪戦が起きていて、早期に動く学生と比較的遅く動きだす学生がいますが、どちらもかなり売り手市場になってきていると思います。

また企業から複数内定をもらう留学生は、業務内容よりも勤務地や給与面など条件を見て選択する傾向にあるので、この点においては企業様の課題であると考えています。

受け入れ体制の不備は、相談窓口を設けたり定期面談を設けるなどハード面では整ってきた企業が増えている思います。

ただ、形だけでなかなか効果が現れていないというお話もよく伺います。

 

■互いに抱える課題とは

・外国籍社員が抱える課題

三瓶:日本で働く外国籍の方に「日本で働く前に、知っておきたかったこと」について過去アンケートを取りました。

その中でビジネスマナーや仕事観日本での生活についてを選択する方が多くおられ、中でも、外国籍社員にとって「生活面の不安」「職場での孤立感」「キャリアパスの不透明さ」が課題であることが浮き彫りとなりました。

この結果についていかがでしょうか。

工藤様:生活面の不安については、弊社では留学生をサポートしているので特に問題となるお話はあまり伺いませんね。

職場での孤立感については、あまり注目されていないかもしれませんが、結構切実な問題だと思っています。

過去弊社でも似たようなアンケートを取ったのですが、会社を選ぶ決め手に「人間関係」「職場環境の良さ」を重視する回答が多いという結果が出ました。

ですから、外国籍社員側が抱える課題でもありますが、企業側としてもしっかり対応していく必要があると思っています。

例えば、配属部署以外の方々からの声掛けが自然にされるような環境を整えるとだいぶ変わるのではないかと思いますね。

三瓶:ありがとうございます。

海外出身の方にとって、言語の壁や社内マナーを理解することはとても苦労する問題だという話もよく聞きます。

日本人である我々では気付かない日本特有の文化があると感じる方も多いですからね。

この点に注目して環境の整備を行うことは、外国籍社員が抱える課題を減らす大きな要因になるかもしれませんね。

・受け入れ企業が抱える課題

三瓶:受け入れ企業が抱える課題として「言語・文化の違い」「定着率の低さ」「社内コミュニケーション」が挙げられます。

まさに外国籍社員が抱える問題を、企業側も感じているのです。

同じく外国人採用経験がある企業様に受け入れについてアンケートを取ったのですが、受入れ前の不安要素として、早期離職既存社員と馴染めるかなどを挙げる企業が多いという結果になりました。

ただ、弊社でお手伝いしている企業様の場合、実際に受け入れ後に問題となるケースはほとんど見られず、企業側の取り越し苦労であったというお話も伺っています。

この結果についていかがでしょうか。

工藤様:やはり、受け入れ慣れているかどうかが重要ですよね。

慣れていないと意識しすぎて構えてしまい、それが結果的に裏目に出てしまうことがあるので、受け入れ慣れていない企業様は我々のような専門家に相談されたり、過去の事例を聞くことが大事だと思います。

三瓶:結局海外で働いてもいいかなと考える方が日本就職を希望する外国人材なので、高いコミュニケーション能力を兼ね備えていて、既存社員と打ち解けるのも早かったりしますよね。

実際に企業様からも思っていたよりも大丈夫だったと声をいただいています。

とはいえ、言語の壁は受け入れ前後ともに課題であると感じる企業が多くありました。

語学の習得サポートは入社後も継続的に行う必要がありますね。この点、工藤さんはどのようにお考えでしょうか。

工藤様:言語の壁は留学生でも課題として上がっています。

特に海外大生を採用する場合は日本語に触れる機会が圧倒的に足りません。

人材側も生の日本語を聞くことに慣れていない、企業側もその点を理解せずに対話するとなると壁がさらに高くなります。

日本語に触れる環境が少なかった人材を受け入れる場合には、言葉に慣れてもらうためにも日本語に触れる機会を増やし、さらに日本語学習の継続は必要だと考えています。

 

■効果的な事前準備について

三瓶:事前準備と入社後の対応についてもお悩みが多いところであるんですが、これらについてもお話できればと思います。

やっておけばよかった事前準備について、受け入れをされた人事部の方々にアンケートを取りました。

最も多かった回答が「問い合わせ窓口の設置」でした。

外国籍社員が困った時に相談できる窓口があればスムーズなやり取りを実現できたのではということでした。

続いてが、配属先となる部署の既存社員に向けて受け入れのための研修を実施しておけばよかったという回答です。

この結果についていかがでしょうか。

工藤様:窓口は本当に設置された方がいいと思います。

窓口の存在を外国籍社員に伝える際には、相談できる内容設置している目的を理解してもらえるように伝える必要があります。

というのも、会社に対して聞いてもいい質問かどうかの判断が難しく、設置したのに利用されないという問題に繋がりかねないためです。

既存社員への研修も大切ですね。これは受け入れ慣れている企業もそうでない企業も共に必要だと思っています。

受け入れ慣れている企業の場合、既存の外国籍社員の印象で理解を深めてしまっていることがあります。

しかし、当たり前ですが出身国や国の文化、宗教によって考え方や対応が変わってきます。

そういった面でも研修は受け入れをスムーズにさせるために効果的ではないかと考えています。

三瓶:そうですね。国籍や宗教も違えば、個性もありますからね。

個性が違うという点においては日本人と同じなのですが、なぜか外国籍社員となると無意識に国ごとで枠組みしてしまう傾向にありますからね。

工藤様:その辺りのことも日本人と同じく、枠で捉えず新しく入社する“人”として認識し理解する必要があると思います。

 

■入社後に外国籍社員を戦力化するためのポイント

三瓶:入社後どのようにして外国籍社員を戦力化するかについて、受け入れ企業にアンケートを取ったところ、
「成果に応じた給与を与える」「外国籍社員を経営幹部に登用する」「長時間残業を見直す」の3つを重視されていることがわかりました。

この戦力化で大切なポイントは公正で透明な評価を与えること、適切なキャリア形成を支援すること、そして日々のフィードバックの3つです。

これらについてご意見ございますでしょうか?

工藤様:そうですね、やはり日本語ができないからなどの理由で外国籍社員である自分は不利だと言う方が意外にも多くいるんですね。

ですが、そうではなく職能的なところで評価していることなど、評価基準をはっきりと示さなければいけないと考えています。

そしてフィードバックは大変重要だと思います。

褒めるべき点、改善させなければいけない点を、時間をおかず客観性を持ってはっきりと伝える必要があります。

それが外国籍社員のモチベーションになり、戦力化されていくと思います。

一方でアンケートにあった外国籍社員を経営幹部に登用することについては、社員の希望に反して企業がそこまでの体制に成長できていないケースがほとんどです。

必要性と現状の差が大きい課題であると思っています。

三瓶:確かにおっしゃる通りですね。

ここまでお話しいただいた点をまとめると、受け入れで大切なことは、
外国籍社員に成長やプロジェクトなどの明確なゴール(期限)を示すこまめなフィードバック指示や確認は言葉にして具体的に伝える互いの文化を理解し尊重する(日本文化を押し付けすぎず、寛容しすぎず)
そして最近の日本人に対しても同じですが優しく前向きな声掛けをし安心させること
といったところでしょうか。

工藤様:特に最後の方は重要で、やはり孤立感というのは最終的に離職につながることが多くあります。

よくあるケースが、英語など語学に不慣れな日本人社員側からすると外国籍社員には声かけしづらい、というお話しをよく聞きます。

しかし、重要なのは「声かけの内容」ではなく「声をかけるという行為」そのものが大切なので、積極的にコミュニケーションを取るように心がけると良いでしょう。

 

■外国人材採用について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください

今回のウェビナーでは、「外国人材採用で入社前後に必要なサポート」について紹介しました。

外国人材と一括りで捉えてしまいがちですが、国籍も違えば育った環境も個人によって大きく異なります。

そして日本人と同じく一人一人個性があるので、く受け入れる外国籍社員自身を理解し受け入れることが大切です。

そして、理解するためには間違いなくコミュニケーションを取る必要があります。

外国語は話せないからと避けるのではなく、相手を知るためにも積極的に話をかけてみましょう。

その行動が、最終的に苦労して採用した優秀な人材の定着に繋がります。

ASIA to JAPANは、アジアを中心とした新卒理系学生の就活支援に日本語話者育成や、日本企業との面接の場、また、外国人採用が未経験、採用経験はあるけどうまくいかなかった、など悩みや不安を持つ企業様の採用支援も行っています。

外国籍の学生採用に興味がある企業様はASIA to JAPANへお気軽に>お問い合わせください。

こちらのウェビナーのアーカイブ配信をご覧になりたい方もお問い合わせください。

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