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【9月人事交流会レポート】人事交流会“Indian Night”

ASIA to JAPANはこの度、インド人学生の採用支援の開始以降、採用支援人数が600人を突破いたしました。これを記念しASIA to JAPANを通じて日本企業に就職したインド人社員を招き「日本で働くインド人に本音を聞ける!Indian Night」を9月6日に開催しました。

本記事では、そこで行われたトークセッションの内容の一部を抜粋してご紹介します。

 


■人事交流会の概要

●テーマ
「実際に働いたことで見えてきた“インド人社員の本音トーク”」

●登壇者
インド出身のアルムナイ(インド工科大学などの卒業生)10名

●モデレーター
株式会社ASIA to JAPAN (マーケティングセールス部署チームリーダー) 河合麻結

 

日本で就職を決めた理由は?

河合:日本に限らず世界中に様々な仕事がありますが、日本の企業に就職することを決めた理由はなんでしょうか?

インド交流会01

卒業生Aさん:私は大学の専攻や研究内容とマッチしていた職種の採用が、日本でたまたま行われていたことが理由です。そのため同様の採用がインドや他国で行われていれば面接を受けに行っていたと思います。
ただ当時は世界中のソフトウェアエンジニアという枠が少なくて、その中でも新卒で入った大手インターネット企業の条件が私の希望に最も合っていたので、日本で就職することを決めました。
入社を決める時に言語の問題について全く考えていませんでした。ただ当たり前ですが、全てのコミュニケーションが日本語で行われるので、入社後に言語の壁を痛感しました。

河合:ありがとうございます。Aさんの日本就職はたまたま機会と条件があったから決めたということなんですね。Bさんはいかがですか?

卒業生Bさん:私はAさんと違うのですが、アニメ好きがきっかけで大学2年の時から日本語を学び始め、3年の時に三瓶さん(ASIA to JAPAN代表取締役)からFAST OFFERを紹介してもらったことが日本就職を始めた理由でした。実はASIA to JAPANの日本語話者育成プログラムを使って日本語を無料で学ぼうかなという思いが、当時就職したいという気持ちよりも先にありました。

河合:ありがとうございます。Bさんは日本語習得のためにFAST OFFERを活用したことが日本就職を決めるきっかけになったんですね。Cさんはいかがでしょう?

卒業生Cさん:日本の企業に応募する際に私たちは常に頭の片隅で「私たちは日本文化が大好きで、その文化を体験できることにワクワクしている」という気持ちを持っています。日本で応募する際の重要ポイントの一つは、他国に比べて就職機会が多く、日本がインド人にとってまだ魅力的だということです。もう一つ、私が通っていた大学が日本のJICA(国際協力機構)と関わりがあり、それで留学プログラムなどで日本に触れたことで興味関心が湧くようになりました。
ただ日本企業に応募する時日本語を学ぶことがとても重要となります。今でも日本語がそこまで得意ではありませんが、なんとか自分なりに仕事をこなしています。これらが日本企業に応募をした理由です。

河合:ありがとうございます。Cさんの母校はJICAが支援していたので関わる日本に触れる機会が多かったんですね。

 

■日本の印象について

河合:来日する前は日本についてどんな印象を持っていましたか?

卒業生Bさん:日本には良い商品や製品を作る国という印象を抱いていました。元々日本文化についても学んでいたので、その点についてはとても期待していました。

インド交流会02

河合:Bさんは前から日本語や文化を学ばれていたので、良い印象を持っていただいていたんですね。Cさんは日本にどんな印象を持たれていましたか?

卒業生Cさん:日本についてはテレビやYouTubeで情報を得ていました。その時持っていた印象は。日本人は早朝から深夜まで常に働き続けていて、仕事終わりはいつも飲みに行っているということです。正直私にとってとても怖く思えてなりませんでした。その印象があって今働いている会社を思うと、労働環境がとても素晴らしいと思いました。自分はベジタリアンでありお酒も飲めないため一般的にはあまりよくない印象を持たれるかもしれませんが、自分の会社の人たちはそれらの理由をしっかりと理解してくれているのでとても働きやすいです。

河合:ありがとうございます。Aさんはいかがでしょうか?

卒業生Aさん:正直当時はそこまで日本について知らなかったので、特にこれという印象はありませんでした。唯一知っていたことは、優れたモノづくりができる企業が多い国ということです。最近は外国人材の採用を希望する企業や、リモートでやりとりをする機会も増えたので、今の学生の方が日本についてより詳しいのではと思っています。

河合:ありがとうございます。みなさん三者三様で様々な意見を伺えました。

 

■就職後に感じたギャップはありましたか?

河合:実際に就職された後、良い面でも悪い面でも日本就職に対するギャップはありましたか?

卒業生Cさん:難しいですね。強いてあげるならコミュニケーションですかね。社内では基本的に日本語が使われているのですが、英語を話せる人がいません。私はもともと日本語を勉強していなかったので、会議中に何を話しているのか分からないことがあったり、誰かに話しかけたい時に咄嗟に言葉が出てこないなど言葉の壁を感じていました。今でもゆっくりではありますが徐々に日本語でコミュニケーションが取れるようになりました。

河合:やはり始めは言語の壁が立ちはだかってくるんですね。ただ少しずつ話し相手と互いに歩み寄ることで、コミュニケーションを円滑に行えるようになるんですね。Aさんはいかがですか?

卒業生Aさん:Cさんがおっしゃった通り言語が一番大きな壁に感じましたね。文化的なギャップで感じたことは、インドに比べて内向的な方が多いということです。
私自身インドでは内向的な人と言われてきましたが、日本の方からは外交的や社交的だねとよく言われます。これがどういう意味かというと、会社で提案や相談する人が少なく会議の時でも私がよく手を挙げて話す機会が多くあるということです。インドいた時と立場が逆になっていたことが面白いなと感じたギャップでした。

河合:ありがとうございます。今のお話からインドの外交的な人ってどれだけアグレッシブに話をされているのかとても興味を持ちました。Bさんはいかがでしょうか?

卒業生Bさん:日本文化について前々から知識を持っていましたが、日本で生活するために私自身の食生活を変える必要があるのではと考えるようになりました。私はベジタリアンですが、少しずつ肉を食べるようにしました。でないとなかなか日本の食生活に合わせることが難しいと感じたからです。

河合:結構新卒で入ったからこそ難しく感じてしまうことがあるかもしれませんね。食生活については、宗教上の理由など人それぞれ持ち合わせていると思うので、企業側ももっと配慮していく必要があるかもしれません。

 

■海外の優秀な人材を採用するためには?

河合:海外の優秀な人材を採用するために、日本の企業はどのようにアプローチすると良いでしょうか?

卒業生Cさん:私が大学に通っていた時、欧米の大手企業が大学に来て企業紹介していました。私たちは家族を残して母国インドを離れましたが、常にインドを出ることで何が得られるのかを考えていました。
大切なものから離れるならば何かを得るべきだと考えています。一つのポイントは給与です。ここについては日本とアメリカの企業では大きな差があります。日本の企業は、少なくともインドの名門大学の卒業生にはより良い給与を提供できると思います。例えばもし私の大学にマイクロソフトが来たならば、日本からどんなに企業が来ても選ぶことはないでしょう。その理由はマイクロソフトの方が高い給与を提示するからです。すべての日本の企業は、この違いが大きいことを認識していると思います。だからこそ、日本の企業はその点で本当に改善できると思います。

河合:ありがとうございます。やはり給与は企業を選択する上でとても大事なことだということがわかりました。ではBさんお願いします。

卒業生Bさん:日本の会社は他国と比べて安定があります。自分はキャリアパスのため通っていた大学よりも優秀な大学に受験し直す必要があると考えていましたが、日本で働いてからはその必要がないことと感じました。
そして私は機械開発に携わっていますが、同様の職種は日本がとても多いイメージがあります。インドの場合、近しい企業はあるものの母数が少なく給与も低いので、その点は日本がとても魅力的です。ただ我々が得てきた知識は全て英語なので日本語に直す必要があります。その点、日本企業では研修もそうですし先輩社員が丁寧に教えてくれるので、安心して働いています。彼らが持つ知識を沢山得るために今は日本語を学んでいるといった感じです。
ただ、日本語だけでなくもう少し英語でのやり取りがスムーズにできるのであれば、安全面の確保や機材の操作などより速やかに行えるのではとも考えています。

河合:ありがとうございます。おそらくまだそこまで外国人材が多くない企業様の場合、言語面サポートやコミュニケーションに関するベースを構築するのが難しいのかもしれませんね。Aさんはいかがでしょうか。

卒業生Aさん:まずソフトウェア開発人材とそうでない人材、どちらを採用希望なのかで変わってくるかと思っています。私はソフトウェア開発や実際にインドや他国から数十人の採用に携わっていることもあるため、そちらの人材採用について話をしたいと思います。
もし日本の企業がインドの人材を採用検討する際は、一人ひとりに関心持って話を進めることで企業の良い印象を与えられます。その行動が採用を有利にさせると考えています。そして給与面や福利厚生を手厚くできているかも重要です。インド企業に比べて給与は日本の方がいまだに上ではあるため、しっかりと提示することが大事でしょう。ただインドにある大手外資系企業が最近給与提示額を上げてきているので、優秀な人材を採用するのであればその点は注意した方が良いです。

河合:インド人社員からの目線から様々なお話をいただきありがとうございます。

 


今回はイベント内のトークセッションの一部をお届けいたしました。
ASIA to JAPANでは、インド人学生だけでなく年間300名の外国人学生の採用を支援しています。
また、日本語での面接が可能なレベルの学生とオフラインで面接する来日型面接イベントを毎月開催しています。

イベントだけでなく外国人材採用にまつわるご相談を随時受け付けていますので、お気軽にASIA to JAPANへお問い合わせください。