ASIA to JAPANの代表・三瓶です。
当社では「きっかけから、活躍まで」をビジョンに掲げ、海外トップ⼤学の外国⼈学⽣や⽇本⼈留学⽣を対象にした採⽤⽀援サービス「FAST OFFER」を運営しています。
2017年の創業から、2025年で9年目。かねてより構想していた「AtoJ TOWN」がいよいよ実現できる目算も立ってきました。
「AtoJ TOWN」とは何なのか、そのために2025年は何をしていくのか、ここにまとめようと思います。
御徒町に「AtoJ TOWN」を作る
ASIA to JAPANは、オフィスを構える御徒町に「街」を作ろうとしています。
これにより、当社はスタートアップではなく、社会インフラになることを目指します。
具体的には、2030年のインターナショナルスクールの開校に向けて、以下ステップを想定しています。
・2025年 キッチンカーで飲食業をスタート
・2026年 ドミトリーをオープン
・2028年 レストランをオープン
・2029年 ホテルをオープン
・2030年 インターナショナルスクールを開校
・キッチンカー・レストラン
今年2025年3月にオフィスビルの1階でキッチンカーの営業をスタートします。
また、6階に加えて2階にもオフィスを拡大予定です。
これにより、2階と6階では企業と外国人学生をマッチングする面接会が、1階では食事をしながらカジュアルな交流会ができるようになります。
2025年時点ではキッチンカーのみですが、2028年のレストランオープンに向けても動いていきます。
ベジタリアンやハラルに対応した食事を提供し、日本に来た外国人材が気軽に集まれる場所になると同時に、企業と外国人材の交流の場にもしていきたいと思っています。
・ドミトリー・ホテル
日本企業への就職活動や入社のために来日した外国人材が泊まれる、ドミトリーとホテルを作ります。
ドミトリーは入社してから住まいを見つけるまでの滞在だけでなく、一人暮らしが心細い人がシェアハウスのように暮らすなど、長期滞在も想定しています。
レストラン同様、外国人材の拠り所となる場所を目指します。
2028年にはもっと大きなビルへの移転を考えています。
その際、ビル内にドミトリーとホテルを併設するのが理想です。
・インターナショナルスクール
2030年には、御徒町にインターナショナルスクールの開校を予定しています。
外国人材が長期にわたって日本で生活するにあたり、大きな壁となるのが「子どもの教育」です。
当社が外国人学生の就職支援を始めて8年がたち、結婚する人が増えてきました。
来日前から付き合っていたパートナーを日本に呼んだり、日本で出会った外国人同士で結婚したりすることも多くあります。
当社がサポートしている外国人材は日本語を話せますが、パートナーは日本語を話せず、家庭のコミュニケーションが母国語となり、生まれた子どももまた日本語が話せないというケースが増えています。
その場合、子どもは言葉の問題で公立の学校には入れず、結果として養護学校に通うこともあり、適切な教育の機会を逃してしまいかねません。
ただ、そういった外国にルーツを持つ子どもが地域に10〜20人集まれば、自治体を動かし、「インターナショナルスクールを開校する」という解決策が見えてきます。
実は、インターナショナルスクールのニーズは強く、地域によっては入学希望者が殺到している状況です。
加えて「AtoJ TOWN」を実現できれば、御徒町の外国人住民は増え、新設するインターナショナルスクールの学生募集も必要ありません。
つまり、インターナショナルスクールの開校は、当社の夢や社会貢献のみならず、ビジネスとしても成り立つ状態にあるのです。
「AtoJ TOWN」を実現できる理由
「AtoJ TOWN」は「いつかできたらいいね」という夢として思い描いていた構想でしたが、いよいよ現実味が出てきました。
絵空事ではなく、本当に実現できるところまできています。
理由の一つとして、売上の拡大があります。
「日本で働きたい」という外国人学生のニーズは以前から強くありましたが、「優秀な外国人学生を採用したい」という日本企業のニーズが追いついてきました。
この波に乗り、年間130%で売上が伸びていく事が想定できます。
また、当社はできることを毎年確実に増やしてきました。
最初は以下図の赤枠の部分のみを手掛けていましたが、今では水色の全てを担えるようになっています。
その集大成とも言えるのが、2024年に当社で請け負った、大手モビリティーカンパニーの外国人材の中途採用プロジェクトです。
15人に内定を出し、ビザを含めた入国周りや住居のサポートなど、採用から入社までに必要なあらゆる対応を当社が行いました。
要するに、できることを毎年増やしてきた結果、企業の採用から入社までの全てを当社でサポートできることが判明したわけです。
12の国・地域で日本語授業を提供。日本語が話せる外国人学生を育成し、日本企業とのマッチングを行っている
2024年11月には、日本経済新聞社とも業務提携を行いました。
>>ASIA to JAPAN、⽇本経済新聞社と業務提携
これを追い風に売上を拡大することで、利益を「AtoJ TOWN」に投資します。
日本で働きたい優秀な外国人学生と、彼ら・彼女らを採用する企業のために、僕らの売上を役立てていきたいと思っています。
2025年は「きっかけ」と「活躍」を強化
当社のビジョンは「きっかけから、活躍まで」です。
2030年の「AtoJ TOWN」実現に向けて、2025年は「きっかけ」と「活躍」のそれぞれのフェーズを強化していきます。
・「きっかけ」フェーズの強化
先述の通り、採用から入社までの「きっかけ」フェーズの全てを当社で支援できるようになりました。
こんな会社は、日本に当社しかないと自負しています。
そこで、2025年は支援体制を体系化し、仕組みを整えるために動いていきます。
2025年1月、「人・組織」を基盤とした幅広いコンサルティングサービスを提供するマーサージャパンで、代表兼アジア代表を務めていた大滝令嗣さんが当社顧問に就任していただきました。
グローバル化や採用に課題を感じている企業に対してアプローチを行い、戦略部分はコンサルティングファームが、実行部分は当社がそれぞれ担っていき、最終的には当社のメンバーも戦略部分から全てできるようにしていきたいと思っています。
具体的には、外国人材採用を始めるにあたっての社内向け説得資料の作成から、人事・採用のアウトソーシング、採用ページやジョブディスクリプションの準備なども含めて、入社までの全てを担える存在になります。
そうやって経営者や人事の皆さんに対して、「いつかやらなければ」を「今やろう」に変えるお手伝いをしていければと思います。
そのために、当面は役員2人が通常業務から抜け、他社との協業に専念します。
その分、メンバーのみんなに任せる場面が増え、裁量や責任も大きくなると思いますが、外国人材採用に取り組む企業を増やすだけでなく、当社全体のレベルアップにもつなげていきたいと考えています。
・「活躍」フェーズの強化
採用から内定期間中の対応は全て自社でできるようになりましたが、入社後の「活躍」フェーズには、まだほとんど手をつけられていません。
そこで2025年は、外国人材を受け入れる現場や入社後研修、日本語学習支援にも当社が入ることで、外国人材の活躍までをフォローします。
具体的には、全ての企業にカスタマーサクセス(以下、CS)を付け、CSの業務範囲を拡大します。
これまでCSは主に企業が採用するまでのサポートを行っていましたが、今後は採用決定後の企業支援に力を入れてもらいます。
また、外国人学生のサポートも担当してもらいます。
入社後の外国人材と定期面談を行い、必要あれば企業にフィードバックをして改善を促す。
そうやって両面から支援することで、外国人材と企業がお互いに歩み寄る手助けをしてほしいと思っています。
その際、「最近どう?」と外国人材と気軽に会話をする場として、「AtoJ TOWN」のキッチンカーやレストランを活用してもらえるとうれしいですね。
創業から8年間で350社以上の外国人材採用を支援してきた
実は、利益率が高いのは「きっかけ」フェーズ、つまりは人材紹介です。
だからこそ、まずは「きっかけ」に注力してきましたが、会社が安定した今、ようやく「活躍」フェーズにも力を入れられるようになりました。
「活躍」をきちんとやることで外国人材を受け入れる企業が増えれば、さらに多くの外国人学生が日本へ来られるようになります。
外国人材が入社後に長く働き続けられれば、日本で働くことに不安を感じている人にも、胸を張って「大丈夫だよ」と言ってあげられる。
そんな循環を作るためにも、2025年は「活躍」フェーズに力を入れていきたいと思います。
企業に対して活躍支援に関する踏み込んだ提案を行うことで、人事や現場の皆さんに新たな価値を提供していきます。
全ての仕事が、外国人学生と企業の喜びにつながっている
2025年のASIA to JAPANは、「きっかけだけではなく、活躍まで支援する会社」として、企業からのリピートを増やすとともに、これから外国人材採用を始める企業にも「全てお任せください」と言える状態を目指します。
僕自身が目標を据えるタイプではなく、目の前のことに必死だったこともあり、これまでこういった目標を社員のみんなにきちんと伝えてきませんでした。
でも今は、「AtoJ TOWN」の実現が見えてきています。
だからこそ、日々の目標や目の前の業務に目を向けるだけでなく、それが何につながるのかを改めて意識してほしいと思っています。
「日本に来れてうれしい」と、学生から直接感謝を受け取るのはキャリアドバイザーですが、それは営業の頑張りがなければ生まれません。
全ての仕事が学生や企業の喜びにつながっていることを、今一度考えてもらえるとうれしいです。
会社ができることをどんどん増やしているということは、みんなにとって成長のチャンスでもあります。
日本で働きたい外国人材と、それを受け入れて活躍してほしいと思ってる企業のためになることであれば、どんどん提案してほしいし、積極的にやってみてほしいです。
自発的に仕事ができる環境を、僕らも整えていきます。
僕は30年近く人材業界で仕事をしてきましたが、ここまで感謝される仕事は初めてです。
みんなには胸を張って仕事をしてほしいし、今後も胸を張り続けられるように努力していきましょう。
毎月開催している来日型面接会の最終日前夜”お疲れパーティー”の様子
そして、当社に興味を持ってくださった転職者の方には、「人材ビジネスに対するモヤモヤが晴れる仕事です」とお伝えしたいですね。
きっかけと活躍、双方の支援をしているからこそ、人材ビジネスをやる中で感じる「こんなことができたらいいな」が実現しやすい会社だと思います。
実は、2024年に新たに始めた外国人向け不動産事業は、起業を志して辞めたメンバーの提案でした。
外国人が日本で部屋を借りる際、さまざまなハードルがあります。
企業が外国人材を採用したとしても、住居への支援体制がなく、人事が対応に頭を抱えることも。
そういった課題を、今後は企業に代わり当社がクリアしていきます。
単なる不動産仲介のみならず、例えば当社が借り上げ社宅のような物件を用意し、学生や企業に貸すといった方法も検討中です。
提案してくれたメンバーは再び当社に戻り、今は事業を牽引してくれています。
「まだまだやれることはたくさんあった」と再入社してくれたメンバーは他にもいますし、実際にやれることはたくさんあります。
例えば、これまで説明した以外にも、2025年はこれらの挑戦を予定しています。
<2025年の挑戦>
・インド国内No.1の日本語教育事業を子会社化
2015年1月、インドでの日本語教育のトップシェアを誇る、HIRAMEKI Sorutions株式会社を子会社化しました。
新ブランド「AtoJ HIRAMEKI」として、インド国内での日本語話者育成および就職支援を本格展開します。
・日本語学習のインターンシッププログラムへの切り替え
大学に課外活動として提供していた日本語学習を単位認定されるインターンシップとして認めてもらうよう、交渉中です。
「日本語と日本社会の風習を学ぶことで、日本企業で働く準備を行う」インターンシップに転換することで、日本語学習の修了率向上を狙います。
・アフリカと中南米のエリア拡大
現在はナイジェリアとメキシコの大学と交渉中。
卒業証明書のスムーズな発行など、卒業生の日本企業での就業に向け、各種手続きについて確認を進めています。
・建築土木分野の強化
建築土木は、日本で最も求人倍率が高い分野です。
一方、国によっては就職先がない場合も。
海外大学からの「建築土木分野の就職先を増やしてほしい」という要望もあり、2025年は支援を強化していきます。
繰り返しますが、「きっかけ」と「活躍」の強化も、まだまだこれからです。
世界中の学生と日本企業をつなぐ架け橋になれるよう、2025年も全力で走り続けたいと思います。