日本に惹かれた原点
幼い頃に聞いた、広島と長崎の原爆の歴史。その話の中で最も印象的だったのは、あれほど大きな被害を受けたにもかかわらず、広島と長崎がインドのどの都市よりも発展しているという事実でした。もし同じようなことがインドで起きていたら、今もなお復興できていないかもしれない、そう思うほど、両都市の再建と発展には驚かされました。
原爆投下後の復興の様子を知る中で、「どうすれば成長できるか(how to develop yourself)」を重視する日本の姿勢に深く感動し、また、自然・技術・人々がバランスよく共存している日本社会に強く惹かれました。
その後さらに日本について調べていくうちに、数多くの文化や遺産にも魅了され、日本という国への関心がますます深まっていきました。
日本語学習のきっかけと私の勉強方法
私が日本語の勉強を始めたのは、2022年、ちょうど3年前のことでした。最初は授業などには参加せず、YouTubeを活用して独学で学習を進めていました。N5の試験に向けて4〜5ヶ月ほど勉強を続けていましたが、大学の授業や課題が忙しくなり、一度は日本語の学習を中断することになってしまいました。
しかしその後、大学の先輩が日本の企業から内定をもらったという話を聞き、「自分ももっと日本語を勉強すれば、同じように日本企業に就職できるかもしれない」と考えるようになりました。その話をきっかけに再びやる気が湧き、N4合格を目指して勉強を再開。無事に合格することができました。
私が「Hirameki」の日本語授業を知ったのは、大学卒業後のことでした。既卒のタイミングでHiramekiに参加するのは珍しいケースでしたが、先生方の親切なサポートのおかげで「FAST OFFER」という日本就職支援サービスの存在を知り、日本での就職活動が本格的に始まりました。
ここでは、私が取り組んでいた日本語学習の方法をいくつかご紹介します。
- 毎日の漢字練習
私は毎日200〜300字ほどの漢字を書いて覚える練習をしていました。これまでに3〜4冊の漢字ノートを作成し、どれも今では自分の努力の証として、モチベーションになっています。
- インスタグラムを活用した学習
SNSを活用し、楽しく日本語を学んだり、日本の文化について知識を深めたりしていました。特に以下のインスタグラムアカウントは私のお気に入りです。
どのアカウントも、学習者にとって役立つだけでなく、日本語に触れる楽しさを感じられる内容です。
- YouTubeを使った聴解トレーニング
聴解力を伸ばすために、YouTubeを積極的に活用していました。特におすすめのチャンネルは Mochi Real Japanese です。このチャンネルでは、日本の街の様子をVlog形式で紹介しており、楽しくリアルな日本語を学ぶことができます。
来日型面接会参加と内定までの道のり
FAST OFFERに登録し、いくつかの選考プロセスを経て、3社から面接の機会をいただき来日できることを知った時は、本当に驚きました。さらに、たった2日間で3社すべての面接を受けると聞いて少し戸惑いもありましたが、対面で面接を受けられることがとても嬉しく、貴重なチャンスだと感じました。
実はその前に、一度オンラインで面接を受けたことがあったのですが、ネット環境の不具合もあり、いくつかの質問を聞き取れず、悔しい思いをした経験があります。その経験がきっかけで、もっと日本語を聞き取れるようになりたいという強い気持ちが芽生え、リスニングの練習に本気で取り組むようになりました。だからこそ、再びチャンスをいただけたことは本当に嬉しかったです。 面接会に向けては、Hiramekiで出会った仲間と一緒に、丁寧な言葉遣いや会話練習などを通して日本語力をさらに磨きました。また、FAST OFFERのメンターセッションでは、自分らしいオリジナルな回答を作る上でとても助けられました。
内定をいただいた企業との面接の様子は今でもよく覚えています。最初の部分では、日本についてどう思っているか、日本が好きな理由などを話しました。その後、約10分間は技術的な質問がありました。役職の高い方々が目の前にいてとても緊張しましたが、自分の持てる力を出し切ることができたと思います。
最終面接が終わった後、結果が出るまでの時間はとても長く感じました。夕方になると、すでに結果が出た学生から順にホテルへ戻っていき、夜遅くまで残っていたのは2〜3人だけでした。あの2〜3時間は、一年分に感じるほど緊張していたことをよく覚えています。「もし内定がもらえなかったらどうしよう」と不安になり、Plan Aがダメだった時のPlan Bまで真剣に考え始めていました。 しかし、最終的に内定をいただけた瞬間の感動は、言葉では言い表せないほどでした。涙が出るほど嬉しく、キャリアアドバイザーの方と思わずハグをして喜び合いました。
今後に向けて
今年の10月から日本の企業に入社する予定です。それまでの間に、さらに日本語力を高めたいと思っています。また、私はベジタリアンなので、日本での生活に向けて料理の勉強も始めています。インドにいる間に、日本でベジタリアンフードが手に入るお店などもリサーチし、しっかりと準備をしていきたいと思います。