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上海・北京の学生採用のカギは「一律でない給与」【中国6大学を訪問レポート】

目次

ASIAtoJAPANは3月に、中国の大連理工大学、東北大学、北京大学、北京科技大学、浙江大学、上海交通大学の6つの大学を訪れた。海外採用や留学生採用、外国人の新卒採用を支援する弊社では、それぞれの大学の特徴や、学生の日本への就職意欲など、現地でのインタビューを行った。

 

 

大連理工大学(Dalian University of Technology)

世界一流を目指す大学を国が重点的に支援する「985工程(Project 985)」に選ばれている大学。日本でいうところの「MARCH以上早慶以下」レベルの大学だ。

 

ダブルメジャー制度があり、メインの専攻と日本語専攻を両立できる。立地としても日本に近く、日本に留学する学生も多い。ASIAtoJAPANではこれまで多数のアジアの大学を訪問しているが、同大学の日本語レベルはトップクラスだ。そういった背景から日本企業が同大学の学生の採用を強化しているため、現在は採用難易度は高く、学生側が就職先を選び放題な状態と言える。

 

東北大学(Northeastern University、略称NEU)

中国・東北大学
今回が初訪問となる東北大学では、「StudyGoWork JAPAN 面接会」の説明会を行った。同大学の教授が1993年に起業した中国でも有数のソフトウェアメーカー・東軟グループ(Neusoft Group)の母体でもあり、IT人材育成に積極的だ。ITについて学びながら日本語強化プログラムを受けられる制度もあり、日本語が上手な生徒も多数見うけられる。

 

北京や上海では給与水準が年々上昇しているため、「日本に行かずとも、国内で就職すればいいか」という考え方になりつつあり、同地域の有名大学の採用難易度は年々上がっている。一方、東北大学が位置する地域は経済状況があまり良くないため、国外での就職を希望する学生は比較的多い。日本企業からの認知度もまだまだ低く、狙い目の大学といえる。東北大学の日本語ができる理系学生は、今後の「StudyGoWork JAPAN 面接会」に参加予定だ。

 

北京大学(Peking University)
/北京科技大学(University of Science and Technology Beijing)

両大学で「StudyGoWork JAPAN 日本語研修プログラム&面接会」の説明会を実施。北京大学は言わずと知れた、中国で最も有名な大学。中国トップ大学であるC9(九校連盟)の一つだ。先述の通り中国国内での給与水準は上がっており、日本企業の採用難易度は上がっている。

中国・北京大学/北京科技大学

北京大学の学生は今後の「StudyGoWork JAPAN 面接会」に参加予定だが、採用を希望する企業にとって、ポイントとなるのは給与。「中国でもトップクラスの北京大学出身なのに、なぜ他の大学の学生と同じ給与水準なのか」と不満を持つ学生は少なくない。新卒の給与は一律の会社が日本では大多数だが、世界のトップ大学の学生を採用しようと思うのであれば、早急に給与制度を見直す必要があるだろう。一方の北京科技大学では昨年に引き続き、「StudyGoWork JAPAN 日本語研修」を実施する予定だ。

 

浙江大学(Zhejiang University)

アリババが本社を構える商人の街、杭州市の浙江大学(せっこうだいがく)は、中国でも指折りの有名大学。こちらもC9(九校連盟)に名を連ねる。近隣企業との共同研究が盛んで、学生のレベルは高い。ほとんどの学生が大学院まで進学するのが特徴だ。第二外国語で日本語を選択している学生も多数おり、日本語も上手。日本企業にとって魅力的な学生が多く集まるが、共同研究先の企業にそのまま就職する学生が多く、採用難易度は高い。同大学の学生も「StudyGoWork JAPAN 面接会」に参加予定だが、こちらも北京大学と同じく一律でない給与を提示できるかがポイントとなる。

 

上海交通大学(Shanghai Jiao Tong University)

2018年3月から「StudyGoWork JAPAN 日本語研修」を提供している大学。上級と中級レベルの2つのクラスで、各15名の学生が日本語を学んでいる。上級クラスの学生の日本語レベルは高く、流暢に日本語でコミュニケーションが取れる。上海も就職状況は良く、学生も上海での就職を優先する傾向にある。だが、機械、電気、バイオの分野では日本の技術が進んでいることから、日本での就業を希望する学生も。特に同大学のバイオ専攻で日本語ができる学生は多く、狙い目と言えるだろう。

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