みなさん「IIT」は何の略語かご存知でしょうか?ASIA to JAPANの記事を読んでいただいている方は、すぐに理解できたと思いますが、大半の人には全く馴染みのない言葉だと思います。
【IIT:Indian Institutes of Technology】
すなわち、インドの最高峰大学である「インド工科大学」のことをいいます。
この大学の名前を見て先の話が見えた方は、おそらく企業の人事を担っているか、世界企業の動きに興味を持たれている方が多いでしょう。
この記事では、12月に始まるIIT独自の面接会とその採用方法について、また2023年11月にASIA to JAPANが開催を予定する「FAST OFFER JAPAN DAY 2023」について徹底解説いたします。
興味をお持ちの方には、より詳細なご説明を差し上げますので、お気軽にお問い合わせください。
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【FAST OFFER JAPAN DAY 2023とは?】
先に、11月開催するFAST OFFER JAPAN DAY 2023について軽く触れたいと思います。
ASIA to JAPANが今年初めて開催する、早期採用面接会で年数回行っている通常のFAST OFFERとは異なり、NEW IITの10校に通う学生のみを対象とした面接会になります。
【IIT:インド工科大学とは?】
冒頭でも記述したIITですが、名前の通りインド国内に構え世界的に優秀なエンジニアを数多く輩出するインドの名門校です。
名前だけでは1校のように思えるのですが、その実態はインド全体に23校存在し、さらに基本ベースは変わずとも各学校が独自に運営を行なっています。そのため、IITと一括りにしてはいますが全く別の大学という認識が近いです。
このIITは、インド最高峰の理系大学と呼ばれるだけあり、入学難易度が驚くほど高いです。現在インドの18歳以上の人口が約2,500万人と言われています。そのうち、IITを受験するのが約100万人/年で、合格するのが1.6万人/年です。その合格率は、なんとわずか2%以下です。
日本と比べてみると、日本の大学受験者数は全体で約43万人/年といわれ、そのうち旧七帝大の合格者数が役1.8万人/年です。日本トップの大学でさえ、受験者数の4%しか入ることができないのですが、IITはより狭き門をくぐり抜けた優秀な学生ということがわかります。
合格した1.6万人は、成績のトップから順に入学する大学と学部を選ぶ権利が与えられます。
ここでASIA to JAPANは、大学選びに”ある”特徴を見つけることできました。
【大学・学部の選びかた】
成績上位から順に決める大学と学部ですが、まずIITの23校がどのような順位であるかご紹介いたします。
順位 | IIT大学名 | 括り |
1 | マドラス校 | Old IIT |
2 | デリー校 | |
3 | ボンベイ校 | |
4 | カンプール校 | |
5 | カラグプル校 | |
6 | ルールキー校 | |
7 | グワーハーティー校 | |
8 | ダンバード校 | New IIT |
9 | バラナシ校 | |
10 | ハイデラーバード校 | |
11 | インドール校 | |
12 | ブバネシュワール校 | |
13 | ローパル校 | |
14 | パトナ校 | |
15 | ガンディナガール校 | |
16 | マンディー校 | |
17 | ジョードプル校 | |
18 | ジャンムー校 | |
19 | ゴア校 | |
20 | ティルパティ校 | |
21 | ビラーイー校 | |
22 | ダンバード校 | |
23 | パルガート校 |
「Old」と「New」の違いは、歴史が古いかどうかでダンバード校以降にできた学校をNewと呼びます。
そして、順位でもわかるようにOldの7校全てが上位となっています。
すでに知っている方もいると思いますが、IITからは数多くの優秀な人材が輩出されています。
米Google社のスンダル・ピチャイCEO(最高経営責任者)や、IBM社のアルビンド・クリシュナCEO、Twitter社のパラグ・アグラワル元CEO、Goldman Sachs社のラジャト・グプタ元CEOなど、IITが母校です。
インド人は、自身の考えや行動をハッキリと伝える、謂わば「自己主張が強い」国民性があります。また、ヒンディー語を筆頭に、ベンガル語、テルグ語、マラーティー語など17以上の言語が各地域で使われています。そして、IITに入学する学生は、良い学び、良い環境作りのために、この個性の集まりをまとめるマネージメント能力を各自で身につけます。
管理職や指導者といった面で必要となるリーダーシップ能力を、大学生活内で確立しているのです。
さらに、IIT出身者は世界中に拡がっているので、同門のネットワークも十分にあるということです。
ある程度、IITに関して理解されてきたかと思います。
では次に、優秀な学生は大学の順位ごとに入学しているのかという点です
答えは、否です。
ASIA to JAPANでは、過去どのように学生が大学を選んできたのかを調査し、ある特徴に気づきました。
それが、「学部優先」ということです。
IITのどの学部が人気なのか順位づけしたところ、トップ20のうち16学部が「コンピューターサイエンス&エンジニアリング」(以降:C&S)関連の学部でした。
そして、成績優秀者は人気トップから枠が埋まっていくため、ボンベイ校のC&S学部が埋まれば、デリー校のC&S学部が埋り、さらにマドラス校、カンプール校と続いていきます。
日本で言うなれば、東大、京大、阪大の順に続くのではなく、東大の「文学部」、京大の「文学部」、慶應の「文学部」、早稲田の「文学部」と、大学名ではなく”何を学べるのか”という点が重要ということがわかりました。
ちなみに、この上位20学部のうち4学部がNew IITでした。
【IITの就職活動について】
「プレースメントとは?」
IITの学生は、就職というものに本当の命をかけて挑んでいきます。失敗は許されないという心理のもと、もし年中いつでも就活ができるとなると、学業をおろそかにしてしまう可能性があります。IITでは、学業と就活を分ける必要があると考えて、取り入れられているシステムがプレースメントという就職用の面接会です。
プレースメントについて詳しくは、『【参加企業すべて内定IIT面接会 】IIT(インド工科大学)プレースメントの仕組みとポイントとは?』をご覧ください。
簡単にお伝えすると、「IITの学生及び採用を希望する企業は、12月1日の0:00になった瞬間から就活・採用がスタートする」ということです。(大学によって細かい時間は異なります。)
1スロット6〜7企業とオフラインで面接を行い、オファーの合否をそのスロットうちに伝えられます。そして学生は、オファーの辞退をすることができないので、複数オファーをもらった学生はそのうち1社を、もちろん1社のみであった場合も、そのスロットのうちに必ず決めなければなりません。
「プレースメントのメリット・デメリット」
企業としては、「12月1日からと決まっているなら、気軽に参加できそう。」と思うかもしれませんが、これには誤りがあります。
誰しもが、12月1日から自由に面接ができるというわけではないのです。プレースメントに参加するために、企業側は事前に幾つかの項目(採用条件など)について回答する必要があります。もちろん、この資料関係は全て英語での対応が必須です。提出した回答内容を数値化され、ポイントの高い順からDay1、Day2、Day3とスロットの枠が埋まっていきます。「GAFAM」のような世界トップの企業も、そのスロットを獲っています。
人気の高い学生、大学と企業は、初日の段階でマッチングが終えてしまうことでしょう。
前述した通り、オファーをもらった学生から順にプレースメントへの参加が終了します。もし、Day3のスロットに配置されたのであれば、希望していた学生の多くがすでにいない可能性が高いです。例えば、5人の採用を目標にし20人面接希望を出したとしても、必ず全員と面接をできるという保証がないということです。そして、そのスロットが決定するのが早くても開始1週間前なので、企業としては直前にフライトチケットや、ホテルの確保、大学までの交通手段の確保の対応を迫られることになります。さらに、当日の日付が変わるまで、何人残っているかもわからないというある種ギャンブル的な要素が加わってしまいます。
良い人材を手に入れるためとはいえ、中身を知るとなかなかハードルが高いということがわかります。
【そこで、FAST OFFER JAPAN DAY 2023】
「考え方の工夫」
思っていた以上にハードルが高いプレースメントですが、少し前に戻ってみてください。優秀な学生から順に、全員Old IITに通っていましたでしょうか?
その問いに気づいていただけたら幸いです。そうです、あくまでも優秀な学生は学部を優先にして大学を選んでいるのです。
しかし、世の中の企業はトップ大学の学生を採用したいと手を挙げます。もし、トップ大学でスロット待ちをすると、だいぶ日数が経ったスロットを当てがわれるでしょう。そうなると、半分の学生はすでにいない可能性があります。
一方で、Old IITに比べてNew IITの大学へのオファーは少ない傾向にあります。プレースメントの際にこのNew IITに絞れば、大手が見抜けなかった優秀な人材も早い段階で面接を行うことができます。
「ASIA to JAPANの初めの取り組み」
New IITの魅力にいち早く気づいたASIA to JAPANでは、プレースメントとは別で独自に面接会を行うことにしました。それが、FAST OFFER JAPAN DAY 2023です。
行う内容はプレースメントと変わりません。対象の大学をNew IITの10校に絞り、プレースメントよりも1ヶ月早い11月にオンラインで開催します。オンラインで実施するため、1つの大学に通うマッチングした学生との面接ではなく、全10校のうち企業が求めている人材とマッチングした学生と面接を行うことができます。そして、わざわざ現地に赴く必要がないため、スケジュールや諸経費がほとんどかかりません。参加する学生の中には、今年ASIA to JAPANが開催した日本語研修プログラムを受講した学生も対象となるため、日本語をある程度話せ、日本での就職を希望する学生も多くいます。
基本的なやりとりに英語を使ったり、事前のコーディングテストの準備が必要だったりと手間がかかる点ももちろんあります。
しかしその点は、ご安心ください。全学生には事前に共通のコーディングテストを受けてもらいます。また事前選考に必要なサポートをASIA to JAPANが行います。
「必要な条件とは?」
「すごくうまい話ではあるけど、何か厳しい条件でもあるのでは?」と思われるでしょう。
確かに、参加するにあたってとても大事な条件があります。
それは、「面接を行った日に、必ず誰かにオファーを出す」ということです。これはプレースメントに沿って行っているので、必要なことになります。
オファーを受けた学生も、その日中に回答をする必要があるため、高い確率で採用を行うことができるでしょう。
【まとめ】
IITとその採用システムについて、またFAST OFFER JAPAN DAY 2023の取り組みに関していかがでしたでしょうか?
ASIA to JAPANではアジア最高峰のIIT学生採用を、ターゲット校の選定から、参加登録、会社説明会の代行、面接当日のサポート、大学や学生との連絡や通知、承諾意向の回収など、採用に関わる必要事項を網羅しサポートしています。
ITスキルの確認が必要な場合には、Webテストも無料でご提供しています。内定者のサポートや来日前の日本語ブラッシュアップ、VISA取得や入社時の来日サポート、生活立ち上げに必要な役所での手続きや銀行の口座開設への同行なども承っております。
ともすれば、世界の強豪とと戦わなければいけないIIT学生の採用も、視点を変えれば、理想の人材を発掘する合理的な採用システムだと捉えることができるかもしれません。参加に向けた登録は、9月上旬までに行う必要があります。年1回の採用チャンスとなります。関心あれば、ASIA to JAPANまでお気軽にお問い合わせください。