株式会社ASIA to JAPANは2025年8月22日(金)、日本経済新聞社 人財・教育事業ユニット(本社:東京都千代田区)主催、ASIA to JAPAN共催による、大学向け人材戦略セミナー「優秀な外国人留学生を”集める・育てる・活かす”大学と企業をつなぐ人材戦略セミナー」を開催しました。
少子化が加速する中で、日本の大学にとって「留学生をどう受け入れ、どう育成するか」は避けて通れない課題になっています。
国内学生だけでは学びの場に多様性を確保することが難しくなり、国際競争力の面でも遅れを取るリスクが高まっています。
一方で、中国をはじめとするアジア各国のトップ大学では、日本企業や日本の教育に関心を持つ優秀な学生が着実に増えています。
こうした学生を積極的に受け入れ、学びの機会を提供することは、大学にとっても大きな価値を生むはずです。
今回のセミナーでは、その具体的な可能性や課題について議論が交わされましたので、内容の一部を抜粋してご紹介します。
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■セミナー概要

●トークテーマ
優秀な外国人留学生を”集める・育てる・活かす”
大学と企業をつなぐ人材戦略セミナー
●登壇者
北京大学(以下:北京大学)
学生就職指導サービスセンター 副主任 段 锐 様
シンガポール国立大学(以下:NUS)
キャリア支援センター シニアマネージャー Cadence WONG 様
立命館アジア太平洋大学(以下:APU)
就職部 次長 日野 智志 様
芝浦工業大学(以下:SIT)
就職・キャリア支援部 黒崎 通介 様
●モデレーター
株式会社ASIA to JAPAN(以下:ASIA to JAPAN)
代表取締役社長 三瓶 雅人
■アジアトップ大学キャリアセンター「世界最先端の就職支援と課題」
・北京大学
段様:私の業務は、大学と企業の連携や採用活動、そして卒業生の就職手続きを担当しています。
そのため、企業担当者の方々と接する機会も多く、最新の就職事情について知ることができます。
こうした情報共有を通じて、大学と企業は人材育成と活用において共通の関心を持っていると感じています。
学生には専門知識の習得に加え、企業が求める力に素早く適応できる力を身につけてほしいと思います。
そして北京大学の学生は、異文化環境でも柔軟に適応できるという強みを持っています。
・北京大学の学生の特徴
段様:本学が育成する人材には次のような特徴があります。
・確かな専門的基盤を持ち、数理規則と人文的な素養を融合させている
・優れた学習能力と実践力を備えていること
・高い革新力を持っている
北京大学の卒業生は、中国全土においても最も優秀な人材に属し、世界の複雑な環境下においても迅速に適応し、持続的に成長する潜在力を備えています。
・卒業生の就職状況の変化
段様:北京大学の卒業生の就職状況におけるいくつかの変化について紹介します。
卒業生は、教育、金融、情報通信、ソフトウェア、ITサービスの順に進路を決めています。
従来は、北京、上海、深圳、広州といった大型都市での就職が人気でしたが、近年では各地域の発展も著しくその他の都市への分散化もされています。
そのため、卒業生は均等に行き先が分布されるようになってきました。
これは、就職の地域的な構造が再編されつつあることを示していると考えています。
首都経済圏である北京に加え、長江デルタ、関東、そして四川重慶といったせい渝(せいゆ)地域と呼ばれる、中国の国家戦略地域の発展が加速しており、高度人材に対する吸引力が持続的に高まっています。
・就職先選択の傾向
段様:学生の就職先選びの傾向ですが、従来は待遇や将来性を重視する傾向が強くありました。
現在は、それに加えて仕事の安定性(急なリストラや倒産の心配がない)も大きな要素になっています。
そのため、多くの学生が政府機関に応募し、公務員を目指すようになっています。
これらから、学生の就職に対する姿勢がより安定志向になってきていることがわかります。
そして、この考えはグローバル化にも影響を与えています。
国際的な移動(海外就職)においても、今まで以上に慎重で現実的な考えに変わってきており、海外インターンでも、法的順守や長期的な成長性、言語や現地文化への適応をより重視するようになっています。
・中国国内企業の傾向
段様:中国のハイテク企業は急速に発展しており、博士課程修了者のキャリアも産業界と多様化しています。
そのため、理工系出身者が、企業の研究開発や技術管理に進む割合が年々増加傾向にあります。
一方で人文社会系の学生の就職活動は、ある種の感性に囚われがちです。
多くの学生が大学教員や専門職を目指すものの、競争が非常に激しく、また企業側からは専門性の不足や、職務への適用度が低いとみられがちで、結果的に就職市場への競争力が弱まっている傾向にあります。
・変化から見える課題
段様:以上の就職状況の変化を踏まえると、北京大学の卒業生の就職は非常に理想的ではありますが、それでもなお課題が存在すると考えています。
第一に、構造的なミスマッチがあります。
企業は即戦力を求めています。
そのため、一部の学生は学術的には優れているものの、企業が求める実務面や工学的要件面との間にギャップが存在してしまうのです。
そのため、学生が自分に最も適した求人情報を得づらく、企業も望む人材を採用しにくいという状況になっています。
第二に、スキル更新のサイクルが加速しているということです。
近年Chat GPTやDeepSeekなどAI技術が世界的に注目されています。
その結果、多くの職種で求職者にこれらのスキル習得が求められています。
AIによって職務が急速に変化しているため、学生は短期間で自らのスキルを更新する必要があり、大学も関連講義を迅速に整備することが求められています。
第三に、地域や業界に関する認識が不十分であることです。
優良な就職機会は、さまざまな都市や産業圏に分散していますが、学生は十分な情報や直接体験することが難しく、就職コストが非常に高くなっています。
多くの学生は、将来どこで働きたいかという明確な考えを持たずに、「自身の選択は最適ではないのでは?」という不安や焦燥感を抱く傾向にあります。
その結果、政府のイベントをきっかけに知らない土地で働き始める学生も存在します。
また、ネットや就職イベントで東京が繁栄している様子や、シンガポールの国際性に魅力を感じ、就職を目指す学生も一定数います。
第四に、人文社会系の就職難です。
文系の就職難は過去10年で多くの大学が直面している国際的な問題で、アメリカでは文系予算の削減や学科廃止が進んでいると聞きます。
大学から産業界に進む最終の部分を、どのように橋渡しするか大学と企業が協力して解決する必要があると考えています。
第五に、中小企業によるキャンパス採用の難しさです。
学生は、大企業に目が行きがちです。
中小企業は集客したくてもブランド力や組織力が不足し、有名大学の採用のピークに合わせて人材を効果的に採用するのが難しいという現状があります。
そのため、大学と企業が協力して中小企業をまとめて招聘し、集中的にプロモーションすることで、学生への認知度を高める取り組みをしています。
第六に、国際化における制度文化などの壁です。
中国の学生にとって海外就職はまだ少数派で、ビザ、言語、文化、雇用リスク、異文化適応力など、依然として大きな障害となっています。
・課題解決のため
段様:こうした課題を解決するため、日本の大学関係者様や日本企業の方からの意見をとても大切にしたいと考えています。
就活フェアに積極的に参加するのも一つの解決策だと思います。
また日中交流資源を統合し、企業や大学、各部署、学生団体との協力から影響力のある海外就職プログラムを構築し、日本就職の主要ルートを育てるということも一つです。
・シンガポール国立大学
・NUSキャリアセンターのスローガン
WONG様:NUSのキャリアセンターでは、「フューチャーレディー卒業生(Future Ready Graduate)」をスローガンにしています。
これはただの準備ではなく「変わる世界で、未来に対応できる学生を育てたい」という思いで掲げています。
NUSはアジアトップクラスの大学であるからこそ、学生の成長を促す教育を施すことを大切にしています。
私は、NUSの日本統括責任者と産業連携を担っています。
主に、産業に関係する日本企業の担当者様と実際にお会いし、学生との架け橋になることを目的に活動しています。
学生は、入学から4年間専門的な知識を得るため学業に集中しますが、その先に就職があるということを理解してもらうため、私たちは入学時から学生に関わり、就職というゴールに向けて支援しています。
・入学当時の学生の様子
WONG様:学生は入学した年から「キャリアカタリスト」というプログラムに参加してもらいます。
入学したばかりの1年生は、自分が何したいかわからない人がほとんどです。
そもそもどの分野について専門的に学ぶかというのも定まっていません。
そのため、就職が勉学からリンクしていると考えづらい傾向にあります。
このプログラムでは、毎週1回(全6回)を通じて大まかな業界について紹介し、興味を持ってもらうということに努めています。
もちろん、どの学年でもキャリアセンターの情報を使用せず、自身で情報収集し将来の方向性を決めている学生もいます。
たとえば、社会学を勉強する学生だと「大学の講師」を目指したり、科学を勉強する学生であれば「科学者」を目指すなど、業界に疎くても方向性が固まっているので、その場合は異なるプログラムを持って生徒に情報提供するようにしています。
・2〜3年生向けプログラム
WONG様:2年生と3年生はもう一歩踏み出して、企業と直接会って情報収集するプログラムを展開しています。
こちらは、より具体的に業界を知ることができ、レッスンに参加すれば、多方面の業界と企業の情報を得られます。
今年の学生は、グローバルな産業トレンドを知るため、タイやベトナム、インドに行き、現地学生や企業の方と交流しました。
これらのプログラムは特に試験などありません。
目標なくプログラムだけを受けるということに、学生は真剣になりづらいと考えられるかもしれませんが、プログラム終盤で各自資料や動画などでプレゼンを作り、今まで勉強してきたこと、起業した際の収入やコストなどをどうアレンジするか紹介してもらうようにしています。
我々キャリアセンターとして、これらのプレゼンデータは最終的に良いマーケティング材料となり、学生の成長を知ることはもちろん、今後の運営をどうすべきかなど、良い学びの機会となっています。
・インターンシッププログラム
WONG様:学生たちは1年生の時からインターン先を探しています。
それもあって、先ほど紹介したプログラムでは直接企業の方と交流したり、得たことをプレゼンすることでコミュニケーション力を高めてもらう狙いがあります。
キャリアセンターでは、年間平均10,000件のインターンシップを支援しています。
そして、今年の卒業生の3人に1人は、このインターンシップを通じて内定を獲得しています。
ありがたいことに、プログラム参加者の85%から就職活動の役に立ったと評価をいただきました。
インターンシップ先としては、日本企業様も多く受け入れていただきました。
学生からの要望も多いことから、学生にとって日本企業は就職先として非常に興味あるということがわかります。
学生がインターンシップに踏み込みやすくするため、毎年600件以上の企業様と交流イベントを開催しています。
参加企業様は、スタートアップだけでなく、シンガポール発の企業や公用部門に入る企業、そして海外企業(アメリカや日本など)です。
・キャリアセンターが抱える課題
WONG様:はじめにお伝えした通り、私たちは未来に対応できる学生を育てることをスローガンに掲げています。
しかし、育てるためには常に目標を改めなければいけません。
その理由が、世の中の変化です。
昨日の当たり前が今日の世界では古い情報に変化することがあります。
その中で、キャリアセンターとしてどのように学生を育てていくかは常に課題となっています。
世の中の変化で特に課題となっているのが、世界的に経済環境が不安定であることです。
経済が不安定になると他国籍とのコラボレーションが難しくなる恐れがあります。
また、海外企業との交流機会も減ってしまうかもしれません。
学生にとっては機会減少となるため、よりグローバルな就職が難しくなるのではという不安があります。
また、シンガポールは就職ルールが他国に比べてとても厳しく、外国人がシンガポールで働くことは難しいと言われています。
大学では毎年31,000名が卒業しますが、そのうち15%は他国籍の学生です。
この15%はシンガポール国内での就職は難しく、母国に戻るか他の国で就職しなければなりません。
そのための進路を確保しなければいけないのも一つの課題となっています。
■「就職支援の変化と大学の役割」
・コロナ前後でどう変わった?
三瓶:まずは、就職支援というところで、コロナ前後で大きく変わったことはありましたか?
日野様:まず一つは、面接や説明会、授業が対面からオンラインに変わったということです。
どこの企業様、大学関係者様も体験されたことかと思います。
我々は、学生数2,500名のうち半分を留学生が占めているユニークな大学です。
留学生は、111カ国から来ているのですが、大学が設立された2000年ごろは、企業様が大学に来て説明会から2次面接まで実施し、最終面接は東京でするというモデルが確立されていました。
しかし、年々増加する留学生を見て、オンラインで一度に面接まで実施した方が良いのではというように変化していきました。
そして、コロナ禍でオフラインができなくなり、ほとんどがオンラインへと切り替わっていきました。
そして、企業ニーズが変わってきたなとも思います。
主に、文系と理系の求められる割合です。
というのも、AIが広く一般化してきたのもこの時期で、この辺りから、企業からの求められ方が変化してきたと感じています。
三瓶:なるほど、確かにオンラインの求められ方はこの時期から変わりましたね。
黒崎さんはいかがでしょうか?
黒崎様:我々の学生の特徴からお伝えすると、キャンパスは豊洲と大宮にあるのですが、在学生の9割近くが一都三県から通っています。
そのためAPU様とは結構特色に違いがあるかなと思っています。
そんな中で起きた変化は大きく3つあると考えています。
一つ目が、学生のコミュニケーション力です。
コロナ前は対面が当たり前だったので職員との距離もとても近く、直接相談を受けることが多くありました。
このように大人と話すという機会が当たり前のようにあったわけです。
しかし、コロナ禍以降オンラインへと全てが移行しました。
ここで驚いたのが、オンライン通話する際ほとんどの学生がカメラをオフにして通話します。
カメラをオンにするよう促しても、理由をつけて顔出ししない学生がほとんどでした。
我々としては、違和感があったものの問題視していませんでした。
しかし、いまだにその名残なのか説明会でも顔出ししない学生が結構多く、対面が当たり前だった時期とのコミュニケーション力(考え方)が変わってしまったと思います。
三瓶:企業様の動きにも変化はありましたか?
黒崎様:こちらもAPU様と同じくオンライン説明会に移行する企業様が増えました。
今までは学生と対面し、交流できる説明会が非常に重要でしたが、今は訪問に時間とコストをかけず多数の人に紹介できるということで、各企業独自のオンライン説明会を開催するところが増えましたね。
・人材の求められ方の変化
黒崎様:コロナ禍前後で学生が働く環境も変わったように思います。
コロナ禍前は「理系は地方で働くことが当たり前」という、暗黙の了解があったと思います。
要は製造業に就くということです。
学生の多くもそのことをなんとなく理解していました。
しかし、オンラインでの業務を強いられ、オンラインでも業務可能だとわかったことで、IT業界の需要が非常に増えるようになりました。
コロナによって理系人材の需要はより増えましたし、勤務地の柔軟性も高まったというのは感じています。
・今後予想される変化
三瓶:今までのお話ですと、コミュニケーションの変化や、学内集客からオンラインへの移行、企業の考え方の変化など、コロナ禍前後で大きく変わったことがわかりました。
では、今後どのような変化が起きると予想されますか?
日野様:オンラインへの移行という面でお話しすると、説明会のあり方について変えていかなければと考えています。
グループの立命館大学と共同で、学生に就活についてのアンケート調査を実施しました。
なかでも「就活では、いつどのサイトを使って内定獲得したか」という問いに対して、キャリアセンター利用から内定獲得した割合が急激に減少しました。
その結果から、大学に企業を招聘してオフラインで説明会することが果たして最適解なのかということが、学校全体の課題となっています。
今後、オンラインのプラットフォームに乗ることも一つの選択肢として考えるべきではと思っています。
ただ対面でしかできないこともあります。
それが学生の熱量や表情などを肌で感じることです。
そういった大切な要素をどう活かしていくのかも、課題解決に必要なことだと考えています。
三瓶:なるほど、確かに対面でしか気づけないことは多々ありますね。
日野様:もう一つ注目すべき点は、都市圏と地方との格差です。
本学に通う国内学生の出身地で最も多いのは東京ですが、例えば九州の大学では学生の99%が地元出身ということを考えると、非常に珍しい構成だと思います。
興味深いのは、東京出身の学生に『卒業後に東京へ戻りたいか』と尋ねても、特に戻りたいという声は多くないことです。
大分という地方にわざわざ通う学生たちは、都内の大学を選ぶ学生とは異なる感性を持っていると感じます。
これは一種の考え方のグローバル化ではないでしょうか。
留学生が多いという理由であえて地方の大学を選ぶ学生は、海外への関心も高く、多様な文化的価値観を得ることができます。
そうした意味では、都市圏と地方に格差は存在していても、学生の視野や志向性の面では差が小さくなってきているように思います。
黒崎様:日野さんのお話を聞いていて、私も同じだなと感じました。
キャリアセンターの利用については、多くの大学に共通する課題だと感じています。
コロナ禍以降、就職活動がオンラインへ移行したことで、キャリアセンターを必ずしも利用せずとも就活できる時代になりました。
そのため、我々職員の役割は“正しい情報をどう見極めて伝えるか”という点にシフトしてきており、存在意義を再定義する必要があります。
特に工業系の大学として注目しているのは生成AIの活用です。
本学にはAIに関心を持つ学生も多く、大学としても積極的な活用方針を示しています。
しかし就職活動においては、履歴書作成など“楽をするための道具”として使われているケースが目立ちます。
補助的な利用であれば問題ありませんが、経験の裏付けがないまま表面的に使えばすぐに見抜かれてしまいます。
今後は、AIを『使う』ではなく『活用する』ための指導が求められるでしょう。
また、就活への取り組み姿勢における、学生の二極化も進んでいます。
夏の段階からインターンシップに参加し、業界理解を深めている学生は秋以降もスムーズに就活を進め、早期に内定を得るケースが増えると考えられます。
一方、参加しなかった学生は4年生になっても出遅れ、内定獲得に苦戦する傾向が強まると予想しています。
・留学生の就活状況
三瓶:ここまでコロナ禍前後の就活の変化について伺いましたが、最後に留学生の就職環境の変化について伺えますでしょうか?
黒崎様:私個人としては留学生採用の状況が良くなって欲しいですが、現実的にはまだ厳しい側面が続くと感じています。
企業が留学生を採用したい理由には大きく三つの温度感があります。
第一に“企業のグローバル化推進”、第二に“優秀な人材であれば留学生でも採用”、そして第三に“人材不足を補うため”です。
共通して重視されているのは“日本語話者であるかどうか”という点です。
コストを考えれば、日本に定着してくれる人材、つまり言語の壁がなく日本文化に馴染める人材を求める傾向が強いのです。
しかし、本学は理系大学であり、日本語教育や話者育成には向いていません。
そのため、採用においては逆風を感じています。
さらに留学生自身も、日本語習得よりも技術や知識の習得を目的に来日しているケースが多く、語学力の伸び悩みが課題となっています。
三瓶:やはり言語の壁は4年間通う留学生でも越えづらい所があるんですね。
日野さんはどうでしょうか?
日野様:客観的なデータとして、本学の就職者数はコロナ禍を除けば横ばいで推移しています。
プラスの要因としては、留学生の増加や日本の労働人口減少があげられます。
こうした背景は就職の機会を広げる要素になっていると考えています。
一方で、マイナス要因として大きいのは日本の相対的な経済力の低下です。
大学設立当時は、日本での就職を目指すために家族が総出で資金を出し、就活を後押しするケースも多く見られました。
しかし現在は、日本以上に給与水準の高い国が増えてきています。
そのため、日本を就職先に選ぶ留学生の数が一定以上は伸びない要因になっているのではないかと考えています。
三瓶:そうなると、今後の留学生の就職はどう変化しそうでしょうか?
日野様:本学としては留学生の就職環境が改善してほしいと考えています。
ただし、本学は文系大学であるため理系に比べて弱みがあります。
一方で、2カ国間の橋渡しを担う人材には一定の需要があるため、その育成が重要なポイントになると思います。
■外国人材採用について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください
今回のセミナーはいかがでしたでしょうか。
コロナ禍前は対面でのやり取りが当たり前でしたが、コロナ後はオンライン化にシフトし、学生もカメラをオンにせず気軽に話すスタイルを好むようになりました。
その結果、準備や移動にかかるコストは大幅に削減された一方で、以前のような密なコミュニケーションは取りづらくなったのも事実です。
そして、海外出身者である留学生は年々増加しているものの、内定者数については今後も横ばいが続くと予想されました。
こうした変化の中で、国内外問わずキャリアセンターは学生のニーズや企業との関わり方を柔軟に見直し、より効果的な支援の形を模索していくことが求められています。
ASIA to JAPANとしても、企業の皆さまと共にその第一歩を後押ししていきたいと考えています。
外国籍の学生採用に興味がある企業様はASIA to JAPANへお気軽にお問い合わせください。
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