COE発行に遅れ 審査件数の増加影響か 発行通知から原本発送の期間倍増

アフターコロナ下で、在留資格認定証明書(COE)の審査期間に異変が起きています。COEは、これまで多くの場合で申請から4週間から6週間で許可通知が届いていましたが、3か月を超える事例も発生。2022年10月に日本の水際制限が大きく緩和され、外国人材の入国件数が増えた影響とみられます。同年12月上旬時点では、審査期間は従来のように戻りつつありますが、許可通知後の原本発行に時間を要する状況が続いています。ASIA to JAPANが扱った事例を元に、現在のCOE申請の状況を紹介します。

 

COEの申請は本人や受け入れる機関の職員、または弁護士や行政書士などの法律で定める代理人が行います。現在はオンラインでの申請が可能ですが、申請書の作成や提出書類の準備が複雑なため、実際に本人が申請するのは非常に難関です。出入国在留管理庁によると、審査の標準処理期間は「1か月~3か月」と幅がありますが、上場企業を中心に外国人の受け入れ実績がある企業では、審査から4週間から6週間で許可通知がメールで届く傾向にありました。(出入国在留管理庁)

出入国在留管理庁 在留資格認定証明書交付申請:https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-1.html

 

ASIA to JAPAN が関連した案件で異変が見られたのは、7月末の申請でした。名古屋入管が管轄するCOE申請で審査に時間がかかるようになったのです。案件は、上場企業が該当する「カテゴリー1」に属する企業の内定者でした。7月末から8月上旬にかけて「カテゴリー1」の企業3社の内定者約10人が名古屋入管へCOEの申請を行いましたが、全員が発行通知まで2か月以上を要しました。8割は10月中に発行通知が届きましたが、最も遅い事例で11月中旬と、標準処理期間を超えて約3か月半も時間がかかりました。COE審査は個別の審査のため、同じ企業の内定者同士でも期間に幅があるのが自然なことですが、申請を担当した弁護士が名古屋入管に問い合わせると「申請件数の増加により審査に遅れが出ている」との回答があり、夏から秋にかけて名古屋入管では全体的に審査の大幅な遅れが発生していたものとみられます。

出入国在留管理庁 所属機関の利用申出に係るカテゴリー:https://www.moj.go.jp/isa/applications/guide/online-category.html

 

一方で、東京入管が管轄する申請分については、同時期でも審査期間の大きな遅れは見られませんでした。8月下旬から9月上旬にかけて5件の申請がありましたが、いずれも約1か月で発行通知が来ました。中には3週間で通知があった案件もありました。その後も、10月上旬に申請した発行通知が11月中旬に届くなど、現在に至るまで審査に通常でない遅れがあるようには感じられません。内定者は名古屋入管、東京入管分ともにインド国籍やインドネシア国籍が中心で、機械や情報システム開発の職種に就く理系の新卒生が大半を占めています。

 

夏から秋にかけて審査期間の遅延が見られた名古屋入管管轄のCOE申請ですが、11月以降は期間が従来通りに戻りつつあるようです。10月末に申請した「カテゴリー1」企業の内定者は、約6週間後の12月上旬に発行通知が届きました。直近の傾向を判断するには把握している件数が少ないため、引き続き状況を注視する必要がありそうです。

 

しかし、どの入管が管轄した案件かに問わず、発行通知からCOE原本が到着するまでの期間が長くなっている傾向は現在も続いています。COEの交付は、全て東京入管の分室で行っています。そのため、審査する入管ごとに期間のばらつきが出ることはありません。ASIA to JAPANに来たCOEの取得依頼は、弁護士を通じて行っています。発行許可の通知があると、弁護士の事務所から返送用封筒を東京の分室に送り、入管が原本を入れて発送する流れになりますが、この過程が以前より時間がかかっているのです。これまでは、発行通知からCOE原本が弁護士事務所に届くまで1週間ほどだったのが、2週間以上かかっています。この遅れは夏ごろから現在まで続いています。

 

新型コロナウイルス禍の特例が終わり、日本に入国するためにビザを申請するには、COEの原本を大使館や領事館に持参する必要があります。COEの手続きは申請に始まり、発行通知の後に原本を入手するまで続きます。遅れが顕著だった名古屋入管でも審査期間が元に戻りつつあるように見られますが、その後の原本到着に遅れが出ている状況は続いているため、COEが必要な内定者や企業関係者は注意が必要です。

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