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親日国である台湾での日本語教育・就職事情について

目次

親日国である台湾での日本語教育・就職事情について

台湾人の日本語力とは

外国人材の採用をする際に気になる、日本語力。国によっても日本語教育が盛んかどうか、傾向が異なります。

この記事での台湾人の日本語力を知っていただき、日本企業が採用する際に検討がしやすい情報を提供します。

台湾の教育事情

日本と似た教育システムを取っており、小学校に6年間、中学校と高校に3年間、大学に4年間通うのが一般的です。ただ、義務教育の期間が異なり、小学校から高校までの12年間が義務教育となっています。高校から大学への進学ルートですが、2つ用意されています。一つは、希望の専攻ごとの全国共通テストを受け、その結果によって大学が決まるものです。もう一つが、高校の成績とテストの結果を総合的に判断するものです。こちらの方が難易度は低く、日本の推薦入試のイメージに近いです。

台湾の大学進学率は9割以上と言われており、少子化が進む中で大学数が過剰になっているのが現状です。現に、人口約2300万人に対しておよそ200もの大学があります。学歴で差別化が図りづらく、就職先を探しにくい状況です。

台湾人から見る日本への印象

台湾は親日国として有名です。2022年1月に日本台湾交流協会が実施した世論調査によると、「最も好きな国」の第一位は日本であり、過去最高の60%を占めています。第二位の中国は5%と、大差をつけていることが分かります。日本語の歌が街で流れ、日本語を話せる人も多いです。日本語への親しみから、台湾人の日本語レベルは高く、習得スピードも非常に速いです。

日本語学習状況の概要

2021年度海外日本語教育機関調査によると、台湾における日本語学習者数は143,632人でした。英語に次いで学習者の多い外国語です。高等教育機関における学習者が最も多く、61,990人にのぼります。

初等教育における日本語学習

22の機関において、正規科目または課外活動として日本語教育が導入されています。

中等教育における日本語学習

前期中等教育では、85の機関において、選択科目またはクラブ活動として日本語や日本文化が扱われています。

後期中等教育では、242校において選択科目としての日本語授業が開講されています。前期中等教育同様、クラブ活動で日本語を扱う高校も少なくありません。日本語の特別クラスが運営されていたり、スピーチコンテストや日本文化体験講座が開講されたりすることもあります。

高等教育における日本語学習

全体の約9割を占める134機関において日本語科目が開講されています。うち、42校が日本語学科を有しています。また、大学や企業によるスピーチやプレゼンテーションのコンテストも実施されています。

日本語能力試験の受験状況

令和5年7月の日本語能力試験では、応募者は38,773人、受験者は34,094人でした。N1~N3の受験者が比較的多いようです。

令和5年第1回(7月)の受験者数データ(引用:日本語能力試験のHP

台湾人の就職事情と仕事観

台湾の大学は9月に始まり、前期が9月中旬~1月中旬、後期が2月末~6月末というスケジュールになっています。卒業の6月に合わせて、3月に大学内でジョブフェアが実施されることが多く、卒業後に仕事探しを始めることも一般的です。就職活動が始まるタイミングは比較的遅く、仕事はインターネットで探すことが主流です。

初任給は学部によって大きく異なるようです。文系職種は10万程度ですが、半導体やIT関連の職種では日本よりも高い給与が得られることもあります。能力給が基本であるため、学生は給与を重視しており、複数内定を獲得した際は給与が決め手になることも多いです。

日本への就業に関する意識

台湾人にとって、海外就職は選択肢のひとつです。日本にも興味はありますが、理系の場合は自国との年収差がそれほどなく、あえて日本で働くモチベーションは湧きにくい環境です。採用をする際は、日本で働くモチベーションを提供できるかがポイントになります。また、近年では台北のジョブフェアに参加する日本企業も多くなり、台湾人学生の採用競争率は高まっています。

台湾の学生を採用する際は、兵役の時期に注意しなくてはなりません。卒業後に兵役に行く場合もあるため、選考において確認することが大切です。

関連記事:台湾の教育&就職事情 ~台湾成功大学・機械専攻の学生にインタビュー~ | ASIA to JAPAN 

代表的な大学

●国立清華大学(National Tsing Hua University)

●国立成功大学(National Cheng Kung University/NCKU)

●台湾大学(National Taiwan University/NTU)

●国立交通大学(National Chiao Tung University)

●中国文化大学(Chinese Culture University)

関連記事:海外就職熱が高まる台湾の国立清華大学、国立交通大学、国立成功大学を訪問しました | ASIA to JAPAN 

日本における台湾人の数

在留台湾人の人口

出入国在留管理庁によると、2022(令和4)年12月時点の在留台湾人は57,294人です。全体の約1.9%の割合です。

 

引用:令和4年末現在における在留外国人数について(出入国在留管理庁)

台湾人労働者の人口

厚生労働省が2023年1月に報告した「外国人雇用状況」の届出状況まとめでは、前年の2022年10月の段階で外国人労働者数が1,822,725 人、前年比95,504人増加したと公表しました。国籍別に人数を見ると、台湾人は詳細が記されておらず、「その他」に含まれていると考えられます。

※厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)を参考にASIA to JAPANが作成

台湾人の採用成功事例の紹介

ここから先は弊社FAST OFFERを通じて日本企業への採用が決まった、台湾人学生の事例をご紹介します。

台湾人学生の採用事例1:コンピューターサイエンスの学生

台湾の東海大学を卒業後、アメリカの大学院に進学。海外で挑戦したい思いを持ちつつも、アメリカの仕事探しを大変に感じ、以前から興味のあった日本での就職を目指す。台湾と比較してソフトウェアエンジニアの活躍の場があると感じ、独学で日本語能力試験N1を取得。金融系のウェブサービスを提供している日本企業から内定をもらう。

詳細を見る:【内定者体験日記】台湾 カリフォルニア大学アーバイン校 コンピューターサイエンス学部

台湾人学生の採用事例2:理工学部の学生

日本のゲームに夢中になり、日本語を学び始めた学生。努力と忍耐が実を結ぶことを実感し、半導体の勉強に注力した。両親のアドバイスをもとに、視野を広げるために日本の技術や文化に関心を持ち、日本での就職を目指すようになる。結果、ファインガラス、電子部品などの開発・製造・販売を行う企業に内定。

詳細を見る:【内定者体験記】台湾 成功大学 理工学部

終わりに

いかがでしたか?
今回は、台湾における日本語教育事情や仕事観、日本での就業状況についてお届けしました。

ASIA to JAPANでは、海外の主要大学と提携しており、現地大学内で年間を通して行う日本語学習などを通じて、海外の学生に日本への就職のきっかけを提供しています。 また、優秀な学生と企業とをオンライン・オフラインを通じて理想的なマッチングを実現いたします。就職決定後に、企業が必要なサポートを次々と充実させていくことで、双方のギャップを解消し、活躍するまで丁寧に支援しています。

外国人採用で不安な事がありましたら、気兼ねなくお問い合わせください。

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