EN

江蘇科技大学で構造設計の研究を行い学士取得。上智大学で飛行機材料の研究で修士を取得。現在は、上智大学で理工学専攻機械工学領域で博士学生として研究。航空機設計の中で使用される構造材料のCFRP積層材のCAI強度試験のシミュレーション、分析を行った。JLPT N1を取得しており、日本語はとても流暢で、研究では普段はPyTHON、C等のITスキルを頻繁に用いている。

内定先企業

二輪車、ボートや船外機などの水産物、その他の電動製品のメーカー。

企業からの評価ポイント: 設計における高い知識と専門性、人柄に関しても親和性が認めら、配属想定する部署での活躍が描けた。日本での就学経験

関連タグ:

Profile

国籍・地域
中国
性別
男性
大学
上智大学
学部
機械工学部
学歴
博士

MESSAGE

【就職活動の背景】

大学卒業後、日本に留学しました。大学院博士前期・後期課程に入学し、複合材料の数値シミュレーション技術を研究しました。日本の習慣では、卒業の1年前の頃は、就職について考えなければならなりません。日本で5年間勉強し、生活した私は、日本の風土、社会、職場に対して一定の理解があり、待遇、発展の将来性を総合的に考慮し、最終的に日本で就職活動を行うことにしました。

【就職活動の過程】

就活の最初は、周りの日本人学生のペースで、資料を集めたり、ES(エントリーシート)を記入したり、ネットテストを受けたり、面接の準備をしたりしました。このプロセスで、多大な時間と精力を費やしました。例えば、ESを記入するという段階では、会社ごとに質問やフォーマットが異なり、1回の記入に数時間もかかってしまいました。

博士論文を執筆していた私は、会社の求人に時間を割くのが難しく、卒業前の就職を諦めたいと思ったこともありました。 その後、友人の紹介で、FAST OFFER Internationalというプラットフォームを知りました。このプラットフォームは、就職者と会社の間に橋渡しの役割を果たし、短い期間でofferを手に入れる機会があることということです。
私は試してみるつもりで、自分の履歴書を提出し、FAST OFFER Internationalの社員と初めての面談をしました(主に私の専攻、日本語レベルなどを知るためです)。

面談した後、FAST OFFER Internationalから、某大手製造メーカーの面接の機会があるとすすめてくれました。FAST OFFER Internationalが送ってくれた資料を通じて、某大手製造メーカーがどんな会社なのかを知るようになり、最終的に試してみることにしました。 某大手製造メーカーの面接を受けることを決めた後、FAST OFFER Internationalは私のために経験豊富なメンターを手配して、2回の模擬面接を行いました。メンターから多くのアドバイスをいただき、自分の強みと会社の製品、理念を結びつけて、会社に入る決意を示すように準備しました。また、私と雑談したり、自分の長所と短所を整理してくれたりしました。このFAST OFFER Internationalのメンターに、心から感謝しています。

博士のためか、最終面接では私の専攻に関する質問をたくさん受けました。(2/3の質問は研究関連)。幸いなことに、メンターからのアドバイスがあったので、私はいつも質問の最後に「このスキル、研究が御社に何をもたらすか」という点で答えることができて、面接官もしきりにうなずいて、満足しているようです。最終的には幸運にもofferを手に入れました。

【最後に】

最終面接では、印象的なのはFAST OFFER Internationalプラットフォームの効率性です。日本では、普通の就職ルートの面接の後は、通常長い待ち時間で、非常に苦労していますが、FAST OFFER Internationalプラットフォームでは、当日に面接の結果を知ることができて、心理的なストレスを大幅に軽減し、時間を節約してくれました。
FAST OFFER Internationalの従業員は本当にまじめで丁寧で、いろいろな問題(ネット速度の確認、時差の確認など)を考えてくれて、私の就職活動の順調は、FAST OFFER Internationalのスタッフたちの助けがなければ語ることはできません。

最後に、FAST OFFER Internationalのスタッフの方々のご協力に改めて感謝します。

FINAL YEAR PROJECT

衝撃損傷を有するCFRP積層構造の強度を精度良く予測できる数値シミュレーション手法の研究

1. 研究背景
炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics: CFRP)積層材料は,航空機などの軽量化構造で多用されており,近年ではCFRPを主要材料とした民間航空機が開発されている。例えば,ボーイング社は787機体の50%(重量比)にCFRPなどの複合材料を使用している。
しかしながら,CFRP積層板は面外方向からの荷重に弱く,例えば工具の落下のような低速衝撃によっても構造の内部に複雑な損傷が発生することがある。このような衝撃損傷は構造の圧縮強度低下を引き起こす危険性がある。現状の航空機構造設計において,多数回のCFRP積層試験片の製作および強度試験が必要とされている。このような試験を数値シミュレーションで再現できれば,コスト削減に資することができる。

2. 研究目的
本研究ではCFRP積層構造の面外衝撃による損傷の発生から,圧縮荷重による強度低下までを評価できる数値解析手法の確立を目的とする。

3. 研究過程および成果
構造解析のための数値シミュレーションの標準的な方法として,有限要素法(Finite Element Method: FEM)が広く使用されている。本研究はFEMに基づいて行われている。

2018年度と2019年度:
商用FEMソフトウェアAbaqusを用いて,Abaqusに実装している二種類の解析手法で,CFRP積層平板の衝撃試験解析を実施した。実験結果と概ね整合する衝撃損傷および力学挙動が得られました。
・講演発表
⇒Wang, C., Nagashima, T.: Quasi-static indentation test analyses of CFRP laminate by FEM using damage models, APCOM 2019, Taipei, Taiwan (2019-12/18).
⇒王,長嶋::CFRP積層板のQSI試験解析におけるマトリクス割れのモデル化の影響, 第32回計算力学講演会CD-ROM論文集, 19-19 (2019-9/17)。

2020年度と2021年度:
2020年度には,研究ツールとして内製FEMソフトウェアの使用を開始した:商用FEMソフトウェアとは異なり,内製FEMソフトウェアはライセンスが不要で,解析の精度や効率を高めるオリジナリティのある解析理論を自由にインストールすることができる:
その内製ソフトウェアを使い,商用ソフトウェアに実装している理論の一部を改良することで,商用ソフトウェアと同様の結果を得ながら,シミュレーションの効率化を実現した:
・査読論文
⇒王, 長嶋: 準三次元XFEMを用いたCFRP積層板の準静的押し込み試験解析, 日本機械学会論文集, Vol.87, No.895 , No.20-00432 (2021)。
⇒王, 長嶋: Zig-zag型結合力モデルを用いたFEMによるCFRP積層板の準静的押し込み試験解析, 日本計算工学会論文集 (2020) Paper No.20200009。
・講演発表
⇒王,長嶋: 結合力モデルを用いた衝撃損傷を有するCFRP積層板の圧縮試験解析, 第34回計算力学講演会論文集, 21-36 (2021-9/23)
⇒王, 長嶋: 面接触ベースの結合力モデルを用いたCFRP積層板のQSI試験解析, 計算工学講演会論文集, 26 (2021-5/28)。
⇒Wang, C., Nagashima, T.: Damage Propagation Analyses of CFRP Laminate Subjected to Out-of-plane Load by XFEM, ECCOMAS Congress 2020 and 14th WCCM (2021-1/11-15).
⇒Wang, C., Nagashima, T.: Damage Propagation Analyses of CFRP Laminate Subjected to Out-of-plane Load by FEM using Cohesive Zone Model, COMPSAFE2020 (2020/12/10).
⇒王, 長嶋: 準三次元XFEMによるCFRP積層板の損傷進展解析手法の開発(第2部:検証解析), 第62回構造強度に関する講演会講演集 (2020-8/7)。
⇒王, 長嶋: 結合力モデルを用いたXFEMによるCFRP積層板の準静的押し込み試験解析, 計算工学講演会論文集, 25 (2020-6)。

2022年度:
上記の解析手法を用い,CFRP積層平板だけではなく,航空機構造で用いられるCFRP積層補強パネルの一部を模したスキン・ストリンガー試験片を対象とし,衝撃損傷付与試験解析とそれに続く圧縮試験解析を実施し,実験をよく再現できた。
・査読論文
⇒Wang, C., Nagashima, T.:Compression-after-impact test analysis of CFRP skin-stringer specimen by FEM using a zig-zag type cohesive zone model (投稿中)
⇒Nagashima, T., Wang C.: XFEM analyses using two-dimensional quadrilateral elements enriched with only the Heaviside step function, International Journal of Computational Methods, Volume No. 19, Issue No. 02, Article No. 2150063 (2022).
・講演発表
⇒王,長嶋: Zig-zag型結合力モデル用いたFEMによるCFRP積層板の衝撃後圧縮試験解析, 第27回計算工学会講演会 (2022-6/1-3) (参加予定)
⇒Wang, C., Nagashima, T.: Compression-after-impact test analysis of CFRP laminate by FEM using a zig-zag type cohesive zone model, US-Japan and Euro-Japan Joint Conference on Composite Materials (22/7/20-7/22) (参加予定)
⇒Wang, C., Nagashima, T.: Damage Propagation Analyses of CFRP laminate with impact damage under compressive load using Zig-zag CZM, WCCM-XV, and APCOM-VIII, (22/7/31-8/5) (参加予定)

4. 振り返り
博士前期・後期課程での研究活動の過程を通じて,「専門分野の知識」と「トランスファラブル・スキル(持ち運び可能な能力)」を身につけた。
「専門分野の知識」について:
① 基礎知識:
研究を進めるために,材料力学,損傷力学,有限要素法などの知識を学んだ。
② 数値シミュレーション:
FEMにより数値シミュレーションは前処理(モデルの作成),求解,後処理の3つからなる。
A) 前処理:
Femap[4]やAbaqus/CAEなどのソフトウェアを使いこなすことができた。ある特定の構造については,Python独学で習得し,内製前処理ソフトを作成できた。
B) 求解:
シミュレーションの妥当性を検証する手法の一つとして,Abaqus/StandardとAbaqus/Explicitを習熟してきた。また,オリジナルな理論を適用するために,C言語やFortran言語を学んで,内製FEMソフトウェアを使った。
C) 後処理:
膨大なデータを処理することが多い.その大量のデータから必要な情報を抽出し,可視化するために,Pythonによる内製後処理ソフトを作成できた。

「トランスファラブル・スキル」について:
① 問題解決能力:
研究活動においては,計算結果の誤り,ソフトウェアのバグ,計算サーバーの障害など,さまざまな問題が発生する。当初は,これらの問題を解決することはできなかった。先生の指導のもと,多くの文献やマニュアルを読み,そこからヒントを得て問題を解決する方法を学んだ。また,インターネットを通じて,ソフトウェアのバグを解決したり,計算サーバーを修理するなどのスキルも身につけた.このような大学院での経験があるからこそ,今後の仕事や研究において大きな問題にあっても冷静に対処することができるのだと思いう。
② コミュニケーション能力:
研究を進めるためには,正式なミーティング(研究進捗報告)や雑談中の議論も含め,週に数回,指導教員とも顔を突き合わせて話し合う.また,年に数回の学会に出席することや学会で発表することがある(コロナでオンラインになることもある)。こうした経験により,コミュニケーション能力も大きく向上した。

PR VIDEO

関連タグ: