夢の航海:インドのエンジニアが日本の自動車界への道を切り開く

– 「初めて日本に到着し、その美しさと出会った人々の優しさに魅了されました」 –

内定先企業

オートバイを中心とした輸送用機器を製造するメーカー

インドプネ大学で機械工学を専攻する学生。大学ではフォーミュラSAE・インド全国大会に出場、SAE スープラ競技用のレースカーシャシーを設計および分析を行い、全国8位で受賞。父が日系自動車企業で働いている様子を見て日本に就職する夢が芽生えた。日本の製造業と独特な労働文化に惹かれ、日本への就職意欲高い。

Profile

国籍・地域
インド
大学
プネ大学
学部
機械工学
最終学歴
学士
日本の自動車産業 日本でのエンジニアリング FAST OFFER International program 日本語学習 Student Formula competition

エンジニアの夢を現実に: 日本の自動車業界と文化

日本の自動車ブランドへの憧れと、日本で働きたいという強い意志を原動力に旅に出た彼の物語は、文化と、プロフェッショナルとしての成長を探求する説得力のあるものだ。父親が日本の自動車会社に勤めていたことがきっかけでアニメや日本の豊かな自動車産業の魅力に惹かれ、興味を持つようになった。日本語を習得するという困難な課題に直面した彼は、大学が主催する日本語授業に参加した。そして、彼の夢に合った日本での就職先を見つける手助けをしてくれたFAST OFFER Internationalと出会い、物語はさらに広がりを見せる。そして、学習面での挑戦から、すべて日本語で行われる日本企業との就職面接という現実的な挑戦へと移り変わっていく。面接の専門的な内容から実際に体験した日本文化の温かさまで、彼の経験は語学力とその分野への情熱の重要性を浮き彫りにしている。彼の経験は、日本語を学ぶためにベストを尽くし、変化をもたらすプロジェクトに積極的に参加するよう、同じ夢を持つ人たちを勇気づけるものである。そして、日本でのキャリアの夢を実現するためのひたむきさ、文化への感化、そして戦略的な準備の重要性を強調している。
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日本で自動車への情熱を追求することに可能性を見出した 

父が日本の自動車会社に勤めていたこともあり、日本には以前から興味がありました。彼の仕事はディーラーで、そこで車を見ることができました。そこで洗練された車を目の当たりにし、別の日本企業のバイクを所有することで、日本の魅力はさらに深まりました。これらのメーカーはインドで大きな存在感を示しており、私はいつも何か特別なものを感じていたのです。その後、私はこれらのブランドについて詳しく知るようになり、日本の自動車産業の世界全体が私の前に開かれることになりました。 

 日本への関心が高まるにつれて、私はアニメや日本の多様な文化にさらにのめり込んでいきました。それ、日本の自動車産業という魅惑的な世界への入り口となりました。当初は日本で働きたいという思いが強かったのですが、自動車や自動車に関するあらゆるものへの情熱から、私の日本への関心はさらに高まっていきました。 

インドでの私の最終学年のプロジェクトは、レーシングカーや 学生フォーミュラ(Student Formula)を共同で製作するというものでした。自分たちの作ったものをレースで走らせるという大会です。この経験は私の情熱をさらに深めました。私は自動車業界で働く決意を固めました。   

まず、インドで仕事の機会を確保しようと試みましたが、コネが必要というハードルに直面しました。夢を追い求める決意を固めた私は、日本に焦点を移しました。幸いなことに、大学の先輩がASIA to JAPANFAST OFFER Internationalプログラムについて教えてくれました。彼は実際にこのプラットフォームを通じて日本への進出を成功させていました。   

 

アニメへの興味が日本語学習に役立った 

日本語を学ぶことは私にとって次の大きな挑戦となりました。2019年、大学1年生のときに私の大学が日本語のクラスを開講したのをきっかけに日本語の勉強を始めました。ちょうどアニメに興味があった時期だったので、日本語も学ぼうと思ったです。やっかいだったのは漢字で、あまりにもたくさんあるので、ひとつひとつ覚えるは気が狂いそうでした。ありがたいことに、大学の国語の授業はそれを面白くしてくれました。少しずつ、文法や語彙、そしてその組み合わせ方を学び始めました。 

   

日本企業との面接   

最も重要な局面は日本企業との就職面接で訪れました。FAST OFFER International3つの面接を受ける機会をくださいました。そのうちのひとつはオンライン面接の予定でしたが、来日しての面接にしてくださったのです   

私のメンターは以前、私が面接を受けることになった企業のひとつで働いていたことがある方でした。彼の貴重なアドバイスのおかげで私の回答は改善されました。インパクトのある語彙が増え、回答がどんどん洗練されていきました。例えば、その会社の面接における良い回答や質問とそうでないものを指摘してくださいました。私の回答の中にはインパクトに欠けるものがあることに目を付け、語彙を増やすことで改善する手助けをしてくださいました。この練習のおかげで自信がつき、面接が楽になりました。 

内定につながった面接では、面接官の一人が私と同様に学生フォーミュラ・プロジェクトに参加していたという共通の経験を持っていたこともあり、とても気持ちが楽でした。彼は4年連続で参加し大会で2度優勝を経験している方でした。彼は私のプロジェクトを深く理解してくれていたので、面接は私にとって信じられないほど心地よいものになりました。後日、彼に会ったとき、そこでマシンを見せてくださり、経験について話してくださいました 

 

日本とインドでの就活の違い 

インターンシップの面接は受けたことがありましたが、就職のための正式な面接は初めてでした。インドでは、特に私のような新卒にとって、面接のプロセスは通常、自分の知識を確かめることを中心に展開されます。一般的に面接は2回行われることが多いです。技術面接と人事面接の2段階構成になっています。技術面接では、試験を受けるような理論的な質問をされます。日本の面接では、インドでのやり方とは異なり、技術的な能力以外のことも掘り下げられました。また、私を個人として理解しようとする強い関心を示すこともポイントでした。技術的な質問もありましたが、それが私の中でどのように全体像に組み込まれているかを調べることに重点が置かれていました。私は、私の希望や 私のキャリア選択を支える動機という観点から、私の経験について話しました。また、5年後、10年後の計画についても質問されました。日本の面接官にとってはこれらの観点は単なる技術的能力の評価よりも大きな意味を持っていることが十分に理解できました。そのため、具体的な回答ができるよう、面接前に深く自己分析する必要があったのです。 

   

初来日と、そこで触れた人々のやさしさ 

FAST OFFER Internationalから、3社が私を選出し、日本訪問の機会を与えてくださると連絡があったとき、最初はとても信じられませんでした。書類に記入して、その翌日にフライトのチケットを渡されました。チケットを手に飛行機に乗り込むと、これは現実なのだ と実感がわいてきました。飛行機に乗ること自体が初めての経験でした。経験することすべてがまったく初めてのことだらけでした。   

初めて日本に到着し、その美しさと出会った人々の優しさに魅了されました。ASIA to JAPANのスタッフから、電車の中やふとした場所で出会った人々まで、とても親切でした。面接官でさえ、純粋に私という人間を知りたがっているように感じました。すべての経験が素晴らしいものでした。  

東京での自由時間に、私と同じインド出身の7人の同世代の学生たちと東京を散策しました。私たちは滞在を最大限に楽しむために旅行を計画しました。東京都庁舎、明治神宮、渋谷、秋葉原といった象徴的な名所を巡りました。ショッピングセンターを歩きながら、日本の伝統文化と現代文化の融合を体験しました。特別な思い出は、アニメ映画『君の名は』に登場する神社を訪れたことです。まるで私たちが大好きなアニメのワンシーンに入り込んだような気分になりました。  

日本での私の経験を象徴する印象的な出来事がこの旅の中で起きました。旅行中、私たちは誤って間違った地下鉄の切符を買ってしまったのです。係員に声をかけると、驚いたことに、その係員は間違った切符を受け取ってくれただけでなく、お金を払い戻し、そして正しい切符を案内してくれたのです。このような対応は、私の旅行経験では初めてのことでした。たいていの場所では、間違った切符を買うのは自己責任とみなされるし、他の国でもそれが普通だと思います。私たちが経験した彼らの親切心は、日本文化の独自で思いやりのある性質を証明するものであり、私が経験したことのある他の文化とはまったく異なるものだと感じました 

内定承諾後、私は会社を訪問する機会に恵まれました。新幹線に初めて乗るという新たな1ページが私の冒険に加わりました10月の採用期間に到着したため人事部の方々にも会うことができました。驚いたことに、そのうちのひとりはインドで日本語を学んでいたときのクラスメートだったのです。この思いがけないつながりは日本での滞在をより魅力的なものにし、私の日本での就職活動の道のりに良い思い出を加えるものとなりました 

 

日本で働きたい方々へのアドバイス 

私の経験を踏まえてアドバイスをするとすれば、間違いなく日本語の継続的な練習を優先することでしょう。技術的な実績や知識が重要であることは否定できませんが、ほとんどの応募者がこれらのスキルを持っていると考えていいでしょう。したがって、日本語の能力を高めるために時間を割くことは、大きな差別化要因になり得ます。日本語能力が高まれば、面接への心構えが整うだけでなく、自信も生まれます。ですから、語学力を磨くことに集中しましょう。それが、より自信を持って面接に臨むための鍵となります。 

もうひとつの貴重なアドバイスは、積極的な大学生活を送ることです。最終学年の時にインドの大学で学生・フォーミュラ・プロジェクトに参加したことは私に大きな影響を与えました。プロジェクトに参加する前の私は控えめで、友達も少なく、特に積極的でもありませんでした。しかし、このプロジェクトへの参加は私の人生を一変させました。技術的な能力が向上しただけではなく性格も前向きになりました。 

今では、できるだけ外に出るようにしていますし、私を知ってくれる人も増えました。この視野の変化と成長は、日本で働く機会をつかむという私の決断に直接影響し、面接での成功にも大きく貢献したと感じています。自分自身にポジティブな変化をもたらす可能性のあるチャレンジングなプロジェクトに参加することは、大きな違いを生みます。スキルアップのチャンスであるだけでなく、自分を成長させるチャンスでもあるのです 

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