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株式会社テクノスジャパン

株式会社テクノスジャパン
取締役技術部・製造部管掌の谷口昌也氏、管理部の山本祐司氏にお話をうかがった。(※内容は2020年発売の弊社書籍より抜粋)

【ご利用サービス】
  • FAST OFFER (外国人学生採用)

  • 【サービスご利用後の変化】
  • 外国人材の採用を再開してまだ数年だが、雰囲気が変わり社員のグローバル化に貢献している
  • 日本にいながら異文化と触れる機会が増えた
  • 今後「日本の会社だから日本流のままでよいのか」「違いをどう考えて対応していくのか」を検討していく必要を感じた

  • 目次

    外国人材の採用に取り組み始めたのはいつ頃ですか。

    10数年前に年に1〜2人の外国人材を採用していたことがありましたが、4~5人になった頃に全員が転職してしまったことがあり、しばらく採用をストップしていました。ここ数年でもう一度再開し、今は意識的に採用しています。

     

    再開した理由を教えてください。

    グローバルで戦える人材を採用したいと考えているのですが、日本人だけをターゲットにしていては欲しい人数はなかなか集まりません。また、当社は2018年、インドに開発拠点をもつアメリカのクラウドインテグレータ企業を買収しました。グローバルに進出していくことを考えたときに、外国人材を仲間に入れていきたいという思いもあります。

    現在は日本の留学生採用のほか、各国に赴いたりASIA to JAPANの「Study Go Work JAPAN 面接会」に参加したりと、多角的に採用を行っています。2019年2月には経済産業省の「NIppon New Network for INnovation (NIN2)」が主催するインド・プネのジョブフェアにも参加しました。

     

    ジョブフェアはいかがでしたか。

    初参加かつ準備不足もあってあまり効率良く候補者と会えなかったところはありますが、インド人からみると、まだまだ日本は魅力的に映るのだなという印象を受けました。プネは日本の岡山県や名古屋市と姉妹都市関係を結んでいることもあって日本語教育が盛んですから、なおさら日本で働くことに前向きなのだろうと思います。そういった感覚を得られたのはよかったですね。

    ただ、当社が欲しい「日本語力とITスキルのある人」とはほとんど出会えませんでした。ターゲット人材にエントリーしてもらうためには、当社のことをきちんと発信する必要がありますから、単発で参加するというよりはある程度長期的な視点でみていく必要があるのかもしれません。

    今はインド人がアメリカで就職する道はほぼ閉ざされてしまっていますので、そういった意味では人材を確保するうえでインドは有望なマーケットだと感じています。ただ、国を限定するのではなく、ダイバーシティを意識してさまざまな国から採用していきたいですね。

     

    日本語力はどの程度重視していますか。

    基本的には日本語と英語の双方を求めています。プログラミングをするだけであれば日本語ができなくても問題はないのですが、コンサルティングを行う場合は日本人のクライアントとのコミュニケーションが発生しますから、どうしても日本語力が必要です。選考の際、簡単なテーマを与え、それについて記述するペーパーテストを行うことで、日本語レベルを見極める参考にしています。

    とはいえ、最近では日本語ができない人材も試験的に採用し始めています。英語を話せる社員もいますので、社内のコミュニケーションは100%日本語というわけでもありません。英語で仕事をしてもらいつつ、日本語の勉強をサポートする。そういったやり方でどの程度通用するものなのかをみながら、求める日本語レベルもそのつど見直していければと思っています。

     

    外国人材と日本人、選考の際にどのような違いがあると思いますか。

    国籍を問わず、私は最終面接で全候補者と接していますが、当然人によるところが大きいです。ただ、強いていうのであれば、少なくとも採用段階においては外国人材のほうがモチベーションが高く、情熱的な傾向にあるように感じます。これは国民性というよりは、「海外で働こうとしている時点で前向きな一歩を踏み出している」という個人の資質の違いが影響していると考えています。

     

    外国人材の採用を行ったことで会社に生じた変化について教えてください。

    外国人材の採用を再開してからまだ数年ですが、雰囲気は変わってきているかもしれないですね。2018年にアメリカの会社を買収し、東京のオフィスにも外国人材が増えています。社内の全体会や飲み会も明らかに雰囲気が変わりつつありますし、社員にもグローバル化してきている感覚はあると思います。

    一方で、外国人材がどれだけ長く当社で働いてくれるのか、そのためにどういったフォローアップをしていくべきなのかというのは、これから考えていかなければいけません。現状は文化や宗教上の違いによるトラブルは特にありませんが、今後何らかの対応が必要になるかもしれませんし、制度の面でもやはり日本は特殊です。たとえば賃金カーブをみても、働き盛りの若いうちに頑張ってお金を稼ぐ海外の枠組みと、年功序列で年齢を重ねるごとに賃金が上がっていく日本の枠組みは全く違う。「日本の会社だから日本流のままでよいのか」ということは課題ですし、違いをどう考えて対応していくのかは検討していく必要があると考えています。

     

    今後外国人材が増えていく中で、既存社員に期待することはありますか。

    日本にいながら異文化と触れられる機会なので、外国人社員と積極的にコミュニケーションをとってほしいですね。2019年の新人研修終了後に「外国人社員との意思疎通にギャップを感じた」といった感想を耳にしましたが、そのような体験がいざ世界に飛び出して行こうとしたときにプラスとなるはずです。また、多言語を使える人がいることによって情報収集力は増しますので、さまざまな国の情報を仕入れてほしいとも思います。多様な考え方があることを感じられる環境に変わっていくことで、異なるバックグラウンドをもつ外国人材から刺激を受けて、社員の視野が広がっていくことを期待しています。外国人材の積極性や情熱が既存社員に伝播することで、ポジティブな文化が醸成できるとよいですね。

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