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【6月人事交流会レポート】“新オフィスオープン記念”人事交流会トークセッション

ASIA to JAPANは、来日型面接会「FAST OFFER」を6月26日〜28日の3日間で開催しました。面接会最終日にご参加いただいた企業様や、見学に来られた人事の方々を招いた【“新オフィスオープン記念”人事交流会】を開催しました。

本記事では、そこで行われたトークセッションの内容の一部を抜粋してご紹介します。

 


■人事交流会の概要

●テーマ
「トップレベルの学生採用 国内編・国外編」

●登壇者
株式会社ハウテレビジョン 事業開発部 部長 戸川 博司 様
株式会社ASIA to JAPAN 代表取締役社長  三瓶 雅人

●モデレーター
株式会社ASIA to JAPAN 取締役副社長 赤羽根 大輔

 

■国内トップレベルの学生に選ばれる企業とは?

赤羽根:戸川さんにお聞きしたいのですが、国内の優秀層における企業選びの「条件」「観点」について、最近のトレンドも含めて状況を簡単に解説いただけますか。

戸川様:まず外資就活ドットコム(株式会社ハウテレビジョンの就活サービス)を活用いただくMARCHや関関同立以上の学生が、どういう企業に注目しているかという点をお伝えすると、「戦略コンサル」「総合コンサル」「総合商社」の3つが毎年順番を変えながらも常に人気を博している状況が続いています。中でもマッキンゼー・アンド・カンパニー(経営コンサル)さんは圧倒的な人気があります。

続いて条件についてお伝えすると、考え方に変化が現れています。昔と変わらず「成長できる環境かどうか」を条件にされますが、とにかく経験を積める環境よりも「丁寧な研修がある」ことが前提条件とされています。
最近のトレンドでいうと「無理強いされない」や「初期配属先を自分の意思で決められる」、そしてリモートワークを併用し「出社日を決められる」など自分の意思が反映される環境かどうか、というのが判断基準となっています。

6月交流会01

そして長年マーケットに携わっている中で変化したと思うのが、関わる人全員が「ファーストキャリアとしてどこで働くか」と口を揃えて上げていることで、以前と違い転職することを前提に就活を行っていることがわかります

外資就活を活用される優秀な学生はすぐに内定が決まります。なので一昔前だと様々な業界を見てどこがいいか決めていましたが、最近ではまずコンサルが選ばれますね。優秀な人ほどコンサル、プラスアルファで総合商社を選ぶので、優秀な学生はそのままいなくなります。しかしトップ学生に関しては母数が増えていない状況ですね。

三瓶:僕は昭和で生きてきた人間なので「学生の意見がこんなにも反映されるのか」と変化をひしひしと感じていますが、それが認められる世の中になったということなんですね。

 

■海外トップレベルの学生に選ばれる企業とは?

赤羽根:続いて三瓶さんに伺いたいのですが、最近海外学生から就職先候補に日本が選ばれづらくなったと聞く機会が増えました。そんな海外学生たちが企業を選ぶ前提となる基準や変化したことはありますでしょうか。

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三瓶:まず大前提の話をすると、昨今の円安などの影響もあって以前に比べて就職先候補として日本は選ばれにくくなっています。
その彼らが自国以外でどこ国を選んでいるかですが、パッと想像されるのは欧米だと思います。
しかし欧米では若者の失業率が政治問題となっており、新卒が自国に余っているのに外国人の採用を許している国はほぼ無くなってしまいました。たとえばIT業界に人気があるインド人を例に挙げると、アメリカで就職するためにわざわざアメリカに留学し、その後少ないチャンスをモノにするという選択をとる学生が増えたと言います。
欧米などではキャリア採用が一般的で新卒にチャンスは少ないため、新卒に対して門戸を開いているのは日本のみとなります。

ただ日本の場合、日本語ができることが前提条件となるので、学生が卒業もしくは就活を考えた時点で日本行きを検討したとしても、間に合わない場合がほとんどです。そのため、言語の壁も影響し候補にされにくいという背景もあります。

実は、外国人材の採用を進めている日本企業は思っているよりも少なく、採用自体は募集を行えば可能です。そのためトップレベルの学生に選ばれることを意識するより、まずは募集を行うことが大事となります。そして日本語力を求めなければ採用もより容易になります。

 

■グローバル人材の採用 企業はどう捉えるべきか?(日本人材)

赤羽根:そもそもグローバル人材とは何かというお話もありますが、先ほどの処遇についてや、配属、キャリアパスの設計などグローバル人材の採用について企業はどう捉えるべきかについて、お二人にお聞きしたいと思います。
まず戸川さんに伺いたいのですが、外資就活さんでは「グローバル人材」についてどのように定義されていますか。

戸川様:外資就活で言えば、関わる企業様によって定義が様々なので、これだとお伝えするのは難しいですが、いくつか明確な点はあります。
一つが語学、もう一つが、異文化に身を置いた時にやっていけるメンタルやチャレンジ精神を持ち合わせているか、の2つです。

グローバル人材、もしくはなり得る人材はどこの企業様も求めています。そのため年収を高く提示できる採用競合と争わなければいけません。最近では総合職と年収を差別化するため、グローバル人材コースを作り、希望する部署への配属を約束するなどの取り組みを始める企業も出始めています。また、HR(人事部)を変えてでもグローバル人材を取りに行くという動きが強くなってきていると感じています。

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赤羽根:外資就活さんのサービスでは、他競合とテーブルを変えて、優秀な人材を採用するという動きを取られているんでしょうか。

戸川様:おっしゃる通りです。例えばA社が一般採用枠とは別で特別採用枠を用意していた場合に、自社で同時に応募をかけると応募者に比較されてしまうため、特別採用枠のみ外資就活のサービスを使って募集を行うなどで人材採用を行うケースもよくあります。

赤羽根:ありがとうございます。過去に「もっとこうしておけばよかった」など反省に繋がった事例ってありましたでしょうか。

戸川様:それは山ほどありますね。これはどこもそうですが、エントリーから内定承諾まで複数のプロセスがあるのが採用活動なので、どこかが低いクオリティになると全体が悪くなってしまいます。よくあるケースだと「説明会を担当する社員さんがやる気なく中途半端な進行をした結果、話を聞く学生が減少してしまった」と社員の態度次第でその後のプロセスに影響を与えるというものです。
採用対象となる母数を減らさないために、全体のクオリティを均一化することが大事であると常々思います。

 

■グローバル人材の採用 企業はどう捉えるべきか?(外国人材)

赤羽根:続いて三瓶さんに質問ですが、国外から外国人材を採用したいと相談を受ける時、「日本人だけでは充足しきれない」という悩みであったり「何か新しい力などに期待して採用したい」という考えをよく伺います。
日本企業がトップレベルの外国籍学生を受け入れる時に「注意すべき事」「準備すべき事」はありますでしょうか。

三瓶:まず人事の方が対応しなければいけないのが「経営層からの承認」です。会社として認識しているというエビデンスを取る必要があります。次に受け入れ先(チーム)の責任者や代理で面接をされる方など「仲間を作る」事です。仲間同士で共通意識を持って採用面接に挑む事が外国人材を採用する際には重要となります。

そして配属予定のチームの関係者は必ず面接に参加する必要があります。配属後、外国人材とコミュニケーションがうまく取れず、採用自体に文句を言われるケースがあります。採用する部門が責任を持って面接を行う事で責任の所在を明らかにし、さらにチームの軋轢を回避することができます。

キャリアパスについてですが、日本では総合職での採用がほとんどで、採用後所属先をローテーションすることが一般的です。しかしキャリア採用が一般的な外国人材からすると、このシステムについて説明しても理解できるまでに時間がかかる傾向にあります。もし日本人材と同じスケジュールでローテーションを組んだ場合、十分な理解を得られる前に実施してしまうと離職につながってしまう恐れがあります。そのため外国人材に対してはキャリア採用と同じ扱いをする、もしジョブチェンジを行うのであれば十分な説明を行うことが重要です。

 

■外国人材の必要性

赤羽根:外資就活さんを利用する企業様は、国内マーケットでトップレベルの学生を採用してこられたと思いますが、国内に限らず国外も含めた採用の必要性についてどのように考えられていますでしょうか。

戸川様:企業様としてはグローバルの売り上げが重要となっていて、さらに経営においてもグローバル経験が必須となってきているため、グローバル人材が必要不可欠になっています。
一方で少子化の影響で学生の数が年々減り続けています。上位大学の学生数は減らないと思いますが、学生の質は保たれないのではと考えています。また理系の人材は需要に対して供給が追いつかず、今まで以上に優秀な人材の確保が難しくなることが考えられます。なので、採用の質を高めることもそうですが、日本のマーケットだけでなく国外にも手を出さないと今後の人材調達を苦労すると思います。

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赤羽根:ありがとうございます。戸川さんとは十数年の関わりがあり、様々なフェーズで「外国人材が必要です」と伺っていますが、なぜ今外国人材の採用が必要なのかについて、三瓶さんに伺ってもよろしいでしょうか。

三瓶:はい。ある調査で、2023年の採用活動で「充足できた」と答えた企業が全体の40%と過去最低数値となり、半数以上の企業が人材を十分に確保しきれなかったと発表されました。少子化だけでなく、近年上昇傾向にあった進学率も来年には頭打ちとなると言われており、大学生数が年々減少していくことが予想されます。そのため今後も充足率は悪くなるでしょう。
理系の学生でいうと、メーカーが強い日本には理系学生が多いように思われがちですが、全体で20%と先進国と比べて最も学生数が少ないのが現状です。

では日本以外の国の大学生はどうなのかというと、中国では5,700万人、インドでは4,000万人、インドネシアでは日本の大学生の倍以上、そして人口が1.7億人のバングラデシュでは日本と同じだけの大学生がいると言われています。世界に目を向けると学生の母数が大幅に増えるのです。
今後働き手の確保はさらに困難を極めます。特に理系人材においては、国外に目を向けざるを得ない時代に突入すると我々は思っています。

 


今回はイベント内のトークセッションの一部をお届けいたしました。
ASIA to JAPANでは、年間300名の外国人学生の採用を支援しています。
また、日本語での面接が可能なレベルの学生とオフラインで面接を行う来日型面接イベントを毎月開催しています。

イベントだけでなく外国人材採用にまつわるご相談を随時受け付けていますので、お気軽にASIA to JAPANへお問い合わせください。