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学歴社会の根強い韓国での日本語教育や就職事情とは?

目次

学歴社会の根強い韓国での日本語教育や就職事情とは?

韓国人の日本語力とは

外国人材の採用をする際に気になる、日本語力。国によっても日本語教育が盛んかどうか、傾向が異なります。

この記事では韓国人の日本語力を知っていただき、日本企業が採用する際に検討がしやすい情報を提供します。

【韓国】人事のための大学情報まとめ

韓国の教育事情

韓国では、日本と同様のシステムを取り、小学校に6年、中学校に3年、高校に3年、大学に4年以上通うのが一般的です。そのうち、小学校から中学校の9年間が義務教育です。進学する学校が地域によって指定されるため、質の高い教育を求めて家族で引っ越すこともあります。

韓国は学歴社会が根強く残っており、一流大学への進学が重要視されています。大学の準備段階としての高校選びは重要視され、高校受験が必須の高校への進学を志す学生も多数います。その後の大学進学率も70%と高いことがうかがえます。

大学への入学方法は2通りあります。

  • 定時募集:スヌンという共通テストと大学の2次試験を組み合わせた方法
  • 随時募集:学業成績や大会成績、課外活動歴をもとに推薦状を提出する方法

定時募集が一般的でしたが、近年は随時募集や、組み合わせて受験する学生が増えています。

大学入学後も、多くの学生が学業に真剣に取り組みます。学業成績が就職活動において重視されるため、受験生の熱量で勉強に取り組み、複数専攻を持つ学生も珍しくありません。

日本と異なる点に、男性の兵役義務があります。20代の韓国人男性は18か月間服役する必要があり、多くの男性は大学1年~2年の間に休学をして入隊します。よって、大学在籍期間が5年以上の男性も少なくありません。しかし、兵役の理由なくしても、大学を4年で卒業する学生は珍しく、平均在学期間は約5.7年というデータがあります。有名大学の学生は勉学に励み、在籍期間が長くなる傾向があります。

韓国人から見る日本への印象

韓国は世界的に見て、日本語学習者が多いといえます。文法や発音に類似点があり、比較的習得の難易度が低いというのも一つの理由と考えられます。幼少期から日本のアニメや漫画などのコンテンツを見て育ち、独学で日本語が話せる若者もいます。

また、国内の就職先が少ない韓国では、日本は就職先として人気です。 

日本語学習状況の概要

2021年度海外日本語教育機関調査によると、韓国における日本語学習者数は約47万人います。うち、中等教育での割合が7割以上を占めています。高等学校において、第二外国語に指定されている8つの言語のうち、日本語履修者が最も多いといいます。

日本文化や社会への関心が学習動機として強い傾向でしたが、近年では就職を目的に学ぶ学生が増えています。

初等教育における日本語学習

教育課程において、英語だけが正規科目であり、日本語を含む他の外国語は通常の正規科目ではありません。しかし、それぞれの裁量で科目を設置したり、クラブ活動で教えたりしています。また、韓国国内の外国人増加に対応して、「多文化教育」の一環として日本語をはじめとする言語教育の活動がおこなわれています。

中等教育における日本語学習

中等学校、高等学校の選択科目には外国語があり、日本語も候補として存在します。学校の采配によりどの外国語クラスが開講されるか決定します。

2011年に第二外国語が必修科目から選択科目となったため、一時は中等教育の学習者が大幅に減少しました。ただ、その後の学習者数は安定しています。

高等教育における日本語学習

少子化の影響により、2014年以降、韓国では大学の構造改革が進み、学部や学科の定員削減・統廃合が行われています。日本関連学部・学科は定員の削減や実利的な学科との統合を行い、現在も生き残っています。日本語・日本文学を専攻する学生は、日本語以外の実利的な知識も習得する必要性を感じており、複数の学科を専攻するケースが増えています。

日本語能力試験の受験状況

令和5年7月の日本語能力試験の受験者数は34,107人でした。多様な地域にて試験が行われていることがわかります。韓国人受験者は全体の5.6%を占める割合です。

令和5年第1回(7月)の受験者数データ(引用:日本語能力試験のHP

韓国人の就職事情と仕事観

韓国の大学生は4年時の9月頃から就職活動を開始します。新卒一括採用をする企業は限られており、多くの企業では人員が必要な際に募集をする通年採用が行われています。新卒の場合でもスキルや経験が重視されるため、長期インターンシップや海外留学、資格の取得などに学生は時間を割きます。

日本の大学生と同様に、キャリアセンターやオンライン求人サイト、就職説明会、SNSを利用して仕事を探していきます。また、エントリーシートを提出し、面接に進むプロセスも日本と同じです。ただ、企業によってはその後に1カ月~3か月のインターンシップへの参加が必要になります。そこでの実力が評価対象となるため、韓国ではポテンシャルよりもスキルが求められていることが分かります。

韓国の新卒学生の就職率は6割前半と言われています。トップ大学であるソウル大学、高麗大学、延世大学においても6割後半から7割前半です。日本の就職率と比較し低い数値ですが、これは主に文系学生の就職難が反映されています。文系学生の場合、学部にもよりますが、就職率が3割~4割の学部もあり、進路に困る学生も多くいます。

関連記事:韓国の就職活動は厳しい?〜韓国人学生と日本人学生の就活事情の違い 

国内で人気な就職先

韓国では、給料が高く、福利厚生の整った財閥系の有名大企業が就職先として人気です。中小企業と大手企業の年収差があるため、多くの学生が大企業での就職を目指します。また、競争が少なく安定している公務員も人気が高いです。しかし、近年では大手企業の年収が上がっているため、公務員よりも大手企業を目指す優秀層が増えています。給料や安定性は就職先を選択するうえで重要な要因となりますが、職場環境も同じく重視されます。社員の健康管理やワークライフバランスが得に重視されます。

日本への就業に関する意識

韓国では国内の就職先が少ない為、海外就職を考える学生は珍しくありません。政府による海外就職支援プログラムも実施されるほど、海外就職が推進されています。その中でも、日本は人気の就職先の国の一つです。距離の近さや、定年まで働けるといった理由が人気の理由です。

関連記事:韓国の教育&就職事情 ~慶南大学・原子力工学専攻の学生にインタビュー

代表的な大学

●ソウル大学(Seoul National University)

韓国発の国立総合大学。高麗大学、延世大学と合わせてSKYと呼ばれ、韓国の最難関大学の一校です。世界40か国、700以上の大学と提携しており、国際的な環境が特徴です。

●延世大学(Yonsei University)

国内で最も深い歴史を持つ名門校。SKYの一校であり、国際的な学術交流が特徴です。

●高麗大学(Korea University)

SKYの一校として、深い歴史と権威を持つ大学。韓国名門大学の中で唯一の日本語学科があります。

●韓国科学技術院(Korea Advanced Institute of Science and Technology)

韓国国内の理工系トップ大学で、総合大学トップのソウル大学と同格の大学として認知されています。

●浦項工科大学(Pohang University of Science and Technology)

韓国企業のPOSCOが主体となり、科学技術分野で国際的に活躍できる高度人材の育成を目的に設立されました。

関連記事:韓国の大学ランキング~優秀な学生を採用したい企業がチェックすべき「韓国の人気大学」とは

日本における韓国人の数

在留韓国人の人口

出入国在留管理庁によると、2022(令和4)年12月時点の在日韓国人は411,312 人です。国籍・地域別では中国、ベトナムに次ぐ第3位と、多くの割合を占めていることが分かります。

引用:令和4年末現在における在留外国人数について(出入国在留管理庁)

韓国人労働者の人口

厚生労働省が2023年1月に報告した「外国人雇用状況」の届出状況まとめでは、前年の2022年10月の段階で外国人労働者数が1,822,725 人、前年比95,504人増加したと公表しました。うち、67,335人が韓国人でした。

※厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)を参考にASIA to JAPANが作成

韓国人の採用成功事例の紹介

ここから先は弊社FAST OFFERを通じて日本企業への採用が決まった、韓国人学生の事例をご紹介します。

韓国人学生の採用事例: 電子通信の学生

海外で就職したい気持ちと日本への興味から、日本での就職を決意。友人から紹介されたFAST OFFERのイベントに魅力を感じ、参加のためにスタッフと面接等の準備を行った。イベントのために来日し、自動車部品メーカーから内定をもらう。

詳細を見る:【内定者体験日記】 韓国 全北大学校 電子通信

終わりに

いかがでしたか?
今回は、韓国における日本語教育事情や仕事観、日本での就業状況についてお届けしました。

ASIA to JAPANでは、海外の主要大学と提携しており、現地大学内で年間を通して行う日本語学習などを通じて、海外の学生に日本への就職のきっかけを提供しています。 また、優秀な学生と企業とをオンライン・オフラインを通じて理想的なマッチングを実現いたします。就職決定後に、企業が必要なサポートを次々と充実させていくことで、双方のギャップを解消し、活躍するまで丁寧に支援しています。

外国人採用で不安な事がありましたら、気兼ねなくお問い合わせください。

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