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マレーシア

目次

 

1.基本事情と特徴

首都 クアラルンプール
人口 約3200万人
マレー系、中華系、インド系が混在する複数民族国家だ。ダイバーシティを体現する国であり、異なる文化を受け入れる素地がある。
言語 公用語はマレー語だが、英語や中国語も広く使われており、ほとんどのマレーシア人が複数言語を操る。他にもフランス語、日本語、アラビア語、タイ語など、飛び交う言語は多岐に渡る。
宗教 国教はイスラム教で、マレーシア人の採用を通じてムスリムの受入れの事例をつくったというケースも多く見られる。

 

2.教育事情

周辺国に比べて教育環境は整っており、独自の進学システムがある。
まず日本の小学校にあたる初等教育が6年間、中学・高校にあたる中等教育が5年間あり、この11年間が義務教育期間となる。初等教育の6年目に全員が全国共通テストを受け、その結果によって進学先が決定。その後、中等教育の3年目にも残り2年間の進路を決めるテストを受ける必要があり、そこで理系・文系のどちらに進むかが決定する。

中等教育終了後から大学入学までに半年から1年の準備期間があり、準備期間終了時に全国共通テストを受験。この成績によって選べる大学や専攻が決まる。大学進学率は45.13%。

3.日本への関心と日本語環境

日本の集団主義と勤労倫理を学ぼうとする「ルックイースト政策」をマハティール・ビン・モハマド首相が前政権時代の1981年に掲げており、その影響もあって日本の人気は高い。親日国であり、たくさんの日本車が走っていたり、日本企業とビジネス上のコラボレーションをしたりといった動きも盛んだ。

大学教授にも日本で生活をした経験のある人が多く、学生は質の高い日本語教育を受けられるだけでなく、正しい日本文化も同時に学んでいる。日本への留学を促す大学の動きも。多言語国家であることから、マレーシア人は新しい言語を習得することへの抵抗が少なく、中でも中華系は中国語が使えることから、日本語の習得が早い。ほとんどの大学生は英語が堪能であり、日本企業にとって言語の部分は大きな魅力だろう。

4.就職事情と仕事観

就職活動は卒業後に行うのが一般的で、大学内で開催されるジョブフェアに参加するのが基本。例えばマレーシア科学大学の場合は年に2回、3月と10月にジョブフェアが開催され、在学生と卒業生の双方が参加する。他に転職サイトを使ったり、企業に直接問い合わせたり、学部や先輩からの推薦で就職が決まったりすることも。大学での専攻を活かした就職が難しいケースもあり、専攻と関係のない会社を選ぶこともさほど珍しくない。

就職先としては政府機関と大手企業、そしてグローバルに活躍できる会社が人気だ。マレーシアでは留学したり海外で働いたりする人が多いため、海外での就業に抵抗感がない人が多い。マレーシア国内では転職をしなければ役職も給与も上がらないため、2年に1回ほどの頻度で転職をするのが一般的だが、役職と給与が上がり、待遇に不満がなければ転職はしにくいとも言える。
初任給は日本円で4万〜6万円程度であり、日本で働く給与上のメリットは大きい。充実した福利厚生や研修制度、そして国の安全性も魅力に映っており、日本で長期的に働きたいと希望している人も多数いる。

マレーシアは残業がほとんどなく、仕事量が多ければ上司に訴えることも普通であるため、この点は日本の就業環境とは異なる。ただ、マレーシア人は複数民族国家であることから異なる文化を受け入れる素地があり、日本のやり方に合わせようとする人が比較的多い。我が強い人が少なく、職場の輪を乱すようなことも少ない。日本企業に馴染みやすいので初めて外国人材を採用する企業にお勧めだ。規律の正しさが求められる日本の製造業の風土にも合う。
なお、マレーシアでは就職後も家族で暮らすことが一般的。日本で一人暮らしをする際は孤独感を感じないような工夫やケアがあるといい。

5.主な大学

■マレーシア科学大学(Universiti Sains Malaysia/USM)

■マレーシア工科大学(Universiti Teknologi Malaysia/UTM)

 

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