【イベントレポート】日本就職を目指す海外学生とは?7月開催「FAST OFFER」の見学会での様子をご紹介
新卒外国人材が日本で就職する「きっかけから、活躍」まで支援するASIA to JAPANは、海外の大学に通う外国人大学生を日本に招聘し、日本企業とオフラインで行う来日型面接イベント「FAST OFFER」を7月23日〜25日の3日間実施いたしました。
2日目には、「FAST OFFER」を検討中の企業様に疑問を解消いただくため、日本就職を目指す海外学生や、既に「FAST OFFER」に参加している企業様と交流できる場を設けました。
今回は見学会で行われた質疑の内容を一部ご紹介します。
■そもそもFAST OFFERとは?
FAST OFFERとはASIA to JAPANが運営する「就職支援サービス」です。
参加する企業各社は、ASIA to JAPAN独自のデータベースから面接したい学生を選びます。学生は、アジア各国、各地域のトップクラスの大学で、ASIA to JAPANが提供する「理系学生向けの無料の日本語授業」を受講した学生が中心となっています。
3社以上の企業から選ばれた学生は、ASIA to JAPANが無料で日本に招待し「日本で実施する、対面での面接イベント」に参加します。
※FAST OFFERについて詳しくはこちらから
■FAST OFFER参加学生とインターンシップ学生への質問
・参加学生プロフィール
・Aさん インドネシア出身/インドネシア大学/哲学専攻
・Bさん インド出身/SRM大学/コンピューターサイエンスエンジニアリング専攻
・Cさん タイ出身/チュラロンコン大学/経済学専攻
・Dさん インド出身/SRM大学/電子工学専攻
・Eさん マレーシア出身/スウィンバーン工科大学/コンピューターサイエンスエンジニアリング専攻
・Fさん タイ出身/日本企業内定者/機械学専攻
・Gさん 香港出身/日本企業内定者/日本語学専攻
・ASIA to JAPANのを知ったきっかけはなんですか?
Aさん:私は、大学で行われているASIA to JAPANの日本語講座に参加したのがきっかけで知りました。この講座はFAST OFFERに参加するための授業ですが、そこからASIA to JAPANの活動に興味を持ちインターンに参加することにしました。
Bさん:私は、大学のSRグローバルコンサルティングにASIA to JAPANを紹介してもらいました。その後、Aさんと同じく日本語講座で日本語を学び、今回FAST OFFERに参加することができました。
Eさん:私は日本で働くチャンスを得るため、就職をサポートしてくれる会社を探していた時にASIA to JAPANの情報を知りました。
Cさん:私は大学で留学生を手伝う部活に入っているのですが、仲間の1人がASIA to JAPANでインターンをしていた経験があり私に紹介してくれました。
・母国や欧米ではなく日本就職を希望される理由はなんですか?
Aさん:インドネシアと比べて(新卒一括採用などの)就職文化が魅力的だからです。またインドネシアの働き方や労働文化が私にはあっていないため、母国ではなく魅力的な日本での就職を希望しています。
Cさん:タイ人はまず日本人を尊敬していると思います。タイ文化はゆるく、時間にルーズでもあまり気にしません。しかし日本は時間を守り真面目に働いているため、多くのタイ人が尊敬しています。
Dさん:欧米ではなく日本を選ぶ理由は、日本は電子工学に関わる企業や、研究施設が整った企業がたくさんあるからです。さらに、日本は電子工学の技術が進んでいて素晴らしく、そして生活においてとても安全な国だと考えています。
Bさん:私は日本が大好きです。技術が進歩している、あと日本は生活をする上でとても便利だと思います。大学に通っている間も日本について学ぶ機会がたくさんありました。その時、日本人の時間感覚や仕事に対する姿勢、発達した技術、日本人の優しさ、全て私が求めているものだと思いました。私にとって日本は理想の働き場所だと思います。
Eさん:私は日本の製造業に憧れを持っていて、大学1年の時から日本で就職することを目標にし、独学で日本語を勉強してきました。マレーシアは四季がない国なので、日本で季節を体験してみたいです。
・日本就職されたあと将来的に母国に帰国されますか?
Aさん:今の所そこまで先については考えていませんが、日本の高校に3年間通っていた経験があるため、今はもう一度日本に行きたいという気持ちが強いです。なのでまずは日本で就職することを第一に考えています。希望職種については、分析や戦略的な考え方を学んでいるので、コンサルや戦略事業のような仕事に就きたいと考えています。
Bさん:私も同じです。昔から日本で働きたいという思いが強かったため、まずは就職先を決めることに集中しています。
Cさん:私はまだ決めていませんが、大学で経済を学んでいるので将来的には様々な国で働きたいという気持ちがあります。
・希望の勤務地や職種はありますか?
Aさん:特に勤務地へのこだわりはありません。
Dさん:新しい場所に行くのは好きなので、私もどこでも大丈夫です。職種ですが、私は趣味がたくさんあり様々な経験をしていきたいと考えているため、希望の職種は決めていません。ただ、リサーチやデータアナリストには興味を持っています。
Cさん:私はAIエンジニアとして働きたいと思っています。子供の時にロボットに興味を持ったのですが、ある時AIの存在を知りました。AIについて深く学びたいと思い、大学ではAIを専攻しました。
Dさん:私は電子工学を専攻しているので電子工学に関連する仕事がしたいと考えています。
・生活に慣れていない国で働くことや生活に不安はありませんか?
Aさん:私は福岡県で生活していたことがあるので、働くことへの不安はそこまでありません。生活面においては、宗教上食べられないものがないか質問をよく受けますが、私はキリスト教なので食生活で困ることは特にありません。
Cさん:日本への訪問は観光を含めて4回あります。現在は留学生として半年間生活しているので私も生活面の不安はないです。
Bさん:私も働くことへの不安はありませんが、食生活において宗教上の理由で牛肉を食べることができません。
Dさん:私も宗教上牛肉と豚肉を食べることができません。働くことについて不安はありますが、そこまで気にはしていません。
・カルチャーショックを感じたことはありますか?
Aさん:ありました。日本の高校に入学する前だと、日本の文化は漫画やアニメの情報しかなかったので、実際に生活し始めた時に違いが多すぎて驚きました。たとえば上下関係の厳しさや、物事に取り組む時に全力を出し切ることを強要される、などはインドネシアにない文化で、漫画でもみたことがなかったので、カルチャーショックを感じました。ただ上下関係というものは上から強要されるものというマイナスの意味ではなく、知識がある人が責任を持って育て、困った人は上の人に相談ができるという互いに尊敬しあっている上下関係だと思いました。
Bさん:まだカルチャーショックを感じていません。私は日本といえば富士山、寿司、静かな温泉、そして子供の頃からアニメを見ていたので秋葉原という場所を知っていました。さらに大学の教授が沖縄に住んでいたこともあったので、色々な情報を教えてくれました。今は日本の文化にたくさん触れたいと考えています。
Eさん:まだ来日して4日だけなので色々なものを新鮮に感じています。イメージしていた通り街は綺麗ですし、分からないことは丁寧に教えてくれる優しい人が多いと思いました。
Cさん:私もみんなと同じで昔からアニメを好きで見ていました。実際に留学していますが普段の生活もアニメでみた光景と同じだと感じています。そんな中でカルチャーショックに感じたことは、日曜日に病院が開いていないということです。
・オフラインで行われたFAST OFFERでの面接はいかがでしたか?
Dさん:オンラインでもオフラインでも面接を受ける環境は変わらないと思いました。ただ、面接で初めて聞く単語が出てきた時は、答えるまでに少し時間が必要で、難しく感じることがありました。
Cさん:私はオフラインで行われる面接の方がいいと思いました。日本の面接官はうまく答えられない時でも雰囲気で理解してくれたり、ゆっくりと待っていてくれる優しさを感じられたからです。面接ではしっかりとコミュニケーションを取ることを意識しました。面接ではコミュニケーションが一番大事だと理解しています。私は日本語を約6ヶ月間勉強してきましたが、わからない単語があれば「もう一度お願いできますか」と聞き直すようにしました。
Fさん:私は今年の2月に行われたFAST OFFERに参加しましたが、正直少し難しく感じました。というのも、全て日本語で話さなければいけないというプレッシャーを感じていたからです。ですが、事前にASIA to JAPANのメンターが対策を行ってくれたので、難しいながらも安心して受けられました。
Gさん:同じように難しさは感じました。ただ私も事前に対策や準備をしていたので、上手くできたと思いました。
・内定獲得後はどのような生活を送られていますか?(内定者のみ)
Fさん:内定をいただいた後も、引き続き毎日日本語を勉強しています。ASIA to JAPANはビジネス向けの日本語講座を週に3回開講しているので、講座に参加して日本のビジネスに必要な言葉遣いなどを学んでいます。日本で働くことを毎日楽しみにしています。
Gさん:私は内定が決まった後も、日本語のレベルを上げるため、日系企業でアルバイトをして日本語に触れるようにしています。
・内定をもらった会社に就職を決めた理由はなんですか?(内定者のみ)
Fさん:私は面接を受ける前に各会社の情報やもらえる給与について調べました。その結果、自分が働きたいと思う仕事内容や条件が内定企業にはあったので、内定を承諾しました。
Gさん:私も事前に各社の情報を調べました。内定をいただいた企業は持続可能な業種であったことや、学んできたことを還元できるという点で魅力的だったので内定を承諾しました。
■FAST OFFER参加企業への質問
・登壇企業のプロフィール
・A社/IT業
FAST OFFER参加理由:参加した理由は、ITに特化した高度人材の採用を進める必要があったためです。どの業界も問題として抱える「人材不足」が、IT業界でも課題となっています。
国内採用も行っていますが、ITに特化した大学は海外に比べて少なく、中小企業では人材確保が難しいのが現状です。しかし海外に目を向けると、国内採用ではなかなか採用ができないレベルの技術や専門知識がある人材が多くいることがわかりました。言語面は後から育てられると割り切り、優秀かつ即戦力となる海外人材を採用し実際に活躍してもらっています。
・外国籍採用の支援企業は他にもありますが、ASIA to JAPANに決められた理由はなんですか?
A社:まずは実績があるということ。そして採用後を含めサポート体制が整っていたことが決め手でした。初めはWebサイトを見ただけではわからないことが多くて、何社かと打ち合わせを行いました。その際、採用までの流れやサポート内容、やり取りするシステムのクオリティが高かったことなど、トータルで他社様より良かったなと思いました。
見学会参加企業:計画的に利用されているということは、思った通りの採用が行われているのでしょうか?
A社:そうですね。採用している全ての高度人材の採用に関わっていただいたわけではありません。外国人採用を始めた頃は、直接海外の大学と関係を構築し、採用ルートを作っていました。ASIA to JAPANさんには、見識のない国や大学からの採用をサポートいただいています。
見学会参加企業:ASIA to JAPAN以外でも外国人採用はされていますか?
A社:ASIA to JAPANさんを知る以前に、別の企業にお願いして採用を行っていました。当時は海外採用のノウハウがなかったので、国内採用でサポートいただいていた企業の海外サービスをお願いしました。
最終的にASIA to JAPANさんに決めた理由は圧倒的にサポート力が違うという点です。以前の企業は連絡のラグがありコミュニケーションが取りづらかったのですが、その点が大きく変わりました。
また進捗状況を把握したい時、ASIA to JAPANさんでは情報がシステム化されているため、学生の履歴書情報をスムーズに確認でき、情報精査にかける労力を減らせました。そして外国人学生を集める力というところで、他社と比べて圧倒的に母数が多かったというところが決め手になりました。
・採用した学生のビザの手配はどうされていますか?
A社:それらは全てASIA to JAPANさんにお願いしています。ビザの手配に必要な書類などは行政書士に依頼すれば同様の書類を発行できますが、一番手間のかかる入国時の受入手続きや、内定から入社までの期間のサポート、そして外国人材向け住居探しの専門企業様の紹介など、トータルでサポートいただいています。
・採用された学生のモチベーションはどうですか?
A社:直近で採用した学生は当時4月入社予定でしたが、卒業タイミングやビザの関係もあり入社時期が少しずれました。その後研修に参加してもらい、7月より配属先に移動となり実業務を担ってもらっています。彼らは日本で働きたいという思いの元で入社しているため、業務に対して意欲的に取り組んでいます。また、定着という面でもとても期待ができます。
みなさまは、外国人材の日本語レベルを一番ネックに感じられているかと思いますが、そこを見極めた採用は難しいと思います。弊社でも採用した外国人材の日本語のコミュニケーションについてはレベルにばらつきはありますが、会社側で日本語を学べる環境を整えることでサポートしています。その結果、外国人材が短期間で成長していると実感しています。
・卒業から入社まで日数が空いている場合に起こる内定辞退のリスクはどうされていますか?
A社:弊社の場合、国内に比べて内定承諾の辞退は少ないです。ただ辞退のリスクを減らすために、ASIA to JAPANさんのオプションにある教育サービスを活用したり、座談会の実施をサポートいただいたり、そして今はネット社会なので定期的にコミュニケーションを取るようにしています。
・外国人社員向けのサポートは何をされていますか?
A社:内定から入社までの間は手厚くサポートすることを心がけています。特に日本語レベルの育成には力を入れています。一つが先ほどお伝えしたASIA to JAPANさんの研修や教育サービスの活用です。
その他にも独自プログラムを実施しています。主に週に1時間の個別面談を設けて、日本語レベル向上のために日本文化の紹介やビジネス文化の紹介をしています。入社後は日本人社員と同様にITに関係する資格獲得のサポートを行っていますね。
■まとめ(FAST OFFERの活用法)
今回見学会にご参加いただいた企業様が特に気にされていたことは、「内定者辞退」や「離職」というワードでした。
すでに外国人材の採用を進めている参加企業様も多くいらっしゃいましたが、採用した外国人材が離職するケースが多々あり、ネックに感じているそうです。
FAST OFFERの見学会は、この先会社にとって無視できない外国人材採用に既に着手している企業様や、日本就職を目指す海外大学の外国人材に、直接質問することで解消を促せる場となっています。
特に留学生ではなく、海外在住の人材と直接「日本語」を使って話ができる場というのは、そう簡単に見つからないのではないでしょうか。冒頭でも記載した通り、FAST OFFERは日本語で面接ができる新卒理系外国人材とオフラインで行う面接会です。そのため見学会で交流できる学生は日本語を話せるので、率直な意見を通訳なしで本人に伺うことができます。
外国人材採用が未経験の企業にとって、言語や文化が異なる人材を採用することに不安を抱くことは必至でしょう。外国人材採用になかなか踏み切れない企業様も多くいらっしゃると思いますが、見学会は無料でご参加いただけるだけでなく、実際のFAST OFFERの様子もご覧いただけるので、ぜひ一度お越しくださいませ。
※見学会の開催情報はこちら
受け入れの事前準備、外国人材採用に関連する法律問題、受け入れ後のサポート方法など外国人材採用のご相談も受け付けていますので、海外の高度人材採用にご関心がありましたら、お気軽にASIA to JAPANへお問い合わせください。