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【出張レポート】中国学生の現状とは?〜景気冷え込む中国市場に飽和する新卒学生〜

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【出張レポート】中国学生の現状とは?〜景気冷え込む中国市場に飽和する新卒学生〜

ASIA to JAPANは、2024年4月7日〜16日にかけて中国の現地大学を訪問し、日本就職を目指す学生に向けた説明会や8月開催予定のイベント誘致を実施しました。
この記事では訪問した大学の紹介や、中国人学生の就活事情についてご紹介します。

■中国で訪問した大学

今回訪問をした大学を紹介します。

・華東師範大学(East China Normal University)

華東師範大学01

華東師範大学は1951年10月に上海に設立され、国家主催、教育部主管、教育部と上海市人民政府が重点的に共同建設した総合研究型大学です。1996年に「211プロジェクト」に入選。2006年に教育部と上海市の共同運営となり「985プロジェクト」の重点大学に指定され、2017年9月には「双一流」構築大学に選出されました。同大学のソフトウェア学部は、全国の教育大学の中で唯一のモデル学部に選ばれています。
ASIA to JAPANは華東師範大学で初めて説明会を実施しました。

・上海交通大学(Shanghai Jiao Tong University)

上海交通大学01

上海交通大学は1896年設立の「南洋公学」が前身であり、中国で最も長い歴史を持つ大学の1つで上海地域のTOP大学です。中国の教育部に直属し、教育部と上海市が共同で建設する全国重点大学で文系教育を重視しています。 同大学は、34の学校・学部、12の付属病院、13の付属研究機関、23の直接付属部門、5つの直接付属企業を擁し、総合大学として「経済学」「法学」「文学」「科学」「工学」「農学」「医学」「経営学」「芸術」の 9 つの主要分野をカバーする学部プログラムを提供しています。

・同済大学(Tongji University)

同済大学01

同済大学は1907年設立の「海徳文医学堂」が前身であり、1927年に「国立同済大学」に名称変更しました。1952年の学部再編を経て、中国の土木建築分野における最大の工科大学になりました。「工学」「科学」「医学」「経営」「経済」「哲学」「文学」「法律」「教育」「芸術」などの学科を有する研究型総合大学で、特に建築や土木工学分野に強く、第1期の「211プロジェクト」指定校、そして2002年からは「985プロジェクト」にも指定されています。
今年ASIA to JAPANの就職支援サービスを用いて日本企業に就職をした同大学出身のインターン生からの推薦があり、初めて説明会を実施しました。

・上海外国語大学(Shanghai International Studies University)

上海外国語大学01

上海外国語大学は現中国初の外国語高等教育機関として1949年12月に創立され、国家教育部に直属すると同時に国と上海市が共同建設する全国重点大学であり、国の「211プロジェクト」にも選ばれています。同大学で開講されている言語は英語やロシア語、フランス語、日本語、アラビア語など29種類に達し、さらにラテン語、古代ギリシア語、古英語、エスペラントなど、古代言語と人工言語の講義も行われます。また同大学にはアジア屈指の高級翻訳通訳学院があり、国際会議通訳者協会(AIIC)の格付けでは最高ランクを獲得し、香港、マカオ、台湾を含む中華圏で唯一世界トップ15入りを果たした専門会議通訳養成機関で、「中英通訳」に関して世界1位となっています。

・重慶大学(Chongqing University)

重慶大学01

重慶大学は、「設備が整い、影響力のある大学」を構築するというビジョンを掲げて1929年に重慶政府が創立した「重慶学堂」が前身になります。教育部直属で重慶市の共同運営大学です。また国家「211プロジェクト」と「985プロジェクト」の重点大学に指定されています。「科学」「工学」「経済学」「経営学」「法律」「文学」「歴史」「哲学」「医学」「教育」「芸術」を含む 11の分野をカバーしており、中国国内では特に工学分野での研究で評価が高く、機械電気、エネルギー、材料、情報、生物、経営管理等の分野の国家重点学科を有しています。
参加学生は日本語で面接が行える実力がありますが、大学に日本人が来訪することが珍しく、普段は実践する機会がないそうです。

・北京大学(Peking University)

北京大学01

北京大学は1898 年に北京帝国大学として創立された中国初の国立総合大学であり、当時の教育の最高権威でした。1949年の中華人民共和国成立以来、文理両面の基礎教育研究を行う総合大学として発展しており、世界大学ランキングではアジアトップ3に選ばれています。1998年、北京大学100周年の際に中国政府の支援のもと「世界一流大学創建計画」である国家「985プロジェクト」が開始されました。

・首都師範大学(Capital Normal University)

首都師範大学01

首都師範大学は1954年に設立され「文系」「科学」「工学」「経営」「法」「教育」「外国語」「芸術」などの学科を網羅する総合師範大学であり、北京市人民政府の重点建設大学で教育部が共同運営しています。
北京大学の教授より紹介いただき、同校で初めて説明会を実施しました。

・北京外国語大学(Beijing Foreign Studies University)

北京外国語大学01

北京外国語大学は教育部直属の「211プロジェクト」に選定された重点大学で、中国で初めて外国語教育を導入した学校であり、100言語以上の言語を学べるなど最も多くの外国語学科を有する中国トップレベルの外国語専門大学です。現在は人材育成、学術研究、国際交流を通じて発展を追求しており、道徳教育を実施し「愛国心」「国際的視野」「プロフェッショナリズム」を備えた国際的な人材を育成しています。
北京外国語大学は、ASIA to JAPANの就職支援サービスを用いて日本企業に就職をした卒業生がいます。

・北京科技大学(University of Science and Technology Beijing)

北京科技大学01

北京科技大学は1952年に当時の化学工業部の直轄で「北京化工学院」として設立され、1998年9月から教育部の直轄大学になりました。「国家のために先端科学技術分野の研究を高度化するハイレベルの化工人材を輩出する」ことを目標に掲げる、化工学系に高い専門性と強みを有する理系学部を中心とした総合型の重点大学です。

 

■中国学生の現状

今回訪問をした大学では日本就職を希望する中国人学生を対象に、ASIA to JAPANが運営する支援サービス「FAST OFFER」の説明会や、8月に開催予定のイベント誘致を行いました。
日本語を用いての説明会でしたが、ほとんどの学生が内容を理解し日本語で質問や回答をすることができており、日本語での面接も問題なく行えるレベルにあるということがわかりました。
そして、学生に向けた質疑応答から次のようなことがわかりましたので紹介します。

・企業の受け皿が少ない

中国国内の企業で大規模リストラが行われるほど、中国の景気は低迷しています。その影響もあり日本でいう「旧帝大」や「早慶上理」のようなトップ大学に通う理系以外(文系やその他大学の理系)の新卒学生は、なかなか就職先が見つからないという問題が発生しています。
また国内でのインターンの機会も減っているため、一部を除いた多数の新卒学生が苦労をしている状況です。
しかし企業の受け皿が少ない状況であるものの、積極的に海外に出ようと考える学生はコロナ禍以前に比べて減少傾向にあります。

・親の影響力

中国では1979年から2014年まで、原則として一組の夫婦につき子供は一人までとする計画生育政策、いわゆる「一人っ子政策」が実施されていました。そのため親との距離がより一層近く、親の発言力がとても強い傾向にあります。そのため自身の進路を親に相談をする学生が多く存在します。また日本行きを前向きに後押しする親も少ないため、日本就職を目指す新卒中国人材はとても貴重な人材です。

・求める安定した職種

前述したように大規模リストラが行われている中国市場ですが、経済の低迷が続くにつれて「突然仕事がなくなるのでは」という不安を抱く学生が増加傾向にあり、最近は公務員のような安定した職種を求める人が多くなってきています。そのため今まで人員割れするほど不人気な地方の公務員でも、安定した職ということで応募が増えています。2024年採用の国家公務員試験では、約3万9600人の採用枠に対して過去最多の303万人が出願し、平均倍率77倍の狭き門となっています。

 

■中国市場の実情

・日本企業の訪問

日本国籍保有者は、中国渡航が短期(15日間以内)であればVISAが免除されていましたが、コロナ禍以降免除措置はなくなり原則VISAの申請が必要となりました。
その影響もあり以前のように気軽に中国を訪問する日本企業も減ってきています。
今回、上海を訪問した際に街の様子を伺いましたが、コロナ禍以前に比べて外国人の数がだいぶ減っていたことがとても印象的でした。

・日本との差が縮まる年収

有名な話ですが中国は「超」がつくほどの学歴社会が根付いており、前述しているとおりトップ大学に通う理系学生は中国国内の就職先も比較的見つけやすい状況です。また近年、高学歴であり就職することができる新卒は日本と変わらない、若しくはそれ以上の給与を得ています。
一方で、その他の新卒学生はいまだに日本の半分程度の給与ということもあり、大半が修士課程へ進学します。その理由が学士号と修士号で給与に大きく差がでるからです。
中国市場は学歴次第での給与格差が大きく生じる状態となっています。

 

■まとめ(中国人学生採用の難易度)

今回の訪問で得た中国人学生の現状や中国市場について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

日本就職を決めた先輩学生がいる大学以外では「日本にはどのような職種・職業があるのか」という質問が多く、日本市場を知らない学生が一定数いることがわかりました。

会話も難なく行えるレベルの日本語レベルにある学生たちでしたが、意外だったのが「なんとしても就職をしたい!」というハングリー精神を感じる学生が以前に比べて少なかったことです。理由は定かではありませんが、中国国内での就職が難しいことに対しての切迫感をほとんど見受けられませんでした。
もしかすると日本企業が優秀な中国人学生を採用するのは、想像以上に難易度が高いかもしれません。

しかし新卒中国人材はASIA to JAPANの就職支援サービスを利用し、日本企業に入社した外国人材の中でも2番目に多い採用数を誇ります。
中国人材だけでなく海外の高度人材採用へのご関心、また採用後から入社までの手続き方法など気になることがありましたら、お気軽にASIA to JAPANへお問い合わせください。

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