EN

【出張レポート | 韓国】海外就職の最大候補地は日本!韓国学生が日本就職を目指す主な理由とは?

目次

【出張レポート | 韓国】海外就職の最大候補地は日本!韓国学生が日本就職を目指す主な理由とは?

ASIA to JAPANは、2025年3月12日から14日にかけて韓国を訪問し、現地大学の視察や日本就職を目指す学生に向けてFAST OFFER(来日型面接会)の説明会を実施しました。
この記事では、訪問した大学の特徴と、実際の韓国人学生の声韓国の教育事情等をご紹介します。

【韓国】人事のための大学情報まとめ

 

■韓国大学生の就職活動

・内定文化がない?

まず韓国では「内定」文化があまりありません。

大半の方が疑問を持たれる思いますが、韓国では一般的に企業面接を経て内定提示を受けて企業に入社するのではなく、インターンシップや共同活動の延長線で会社に就職する文化が根付いているそうです。

もちろん新卒一括採用はないため、インターンなどで実力と実績を積み上げて信頼関係を構築する必要があります。

そういう文化があるためか、多くの学生が卒業後にインターンに参加するなどして就職活動を始めます。

2月末ごろに大学の卒業シーズンを迎えますが、卒業時の年齢は皆バラバラだそうです。

その理由が、大学を休学し海外旅行や留学することで見聞を広める学生が多い傾向にあることや、男性学生においては兵役の兼ね合いで数年休学が当たり前であることが要因です。

そのため、男性学生は3年ほど、女性学生は1年ほどずれることが多々あります。

・韓国国内企業の実情は?

前回の韓国出張時でもヒアリングしましたが、近年(特にコロナ禍以降)韓国企業が新卒学生に提示するオファー額が日本と同等かそれ以上となってきています。

もちろん業界や業種、また企業規模によって幅はありますが、中小企業でも初年度の年収提示額が300万円台前半(文系学生)と日本の平均年収とほとんど変わりません。

大手であれば500万円台となることから、韓国国内大手企業に人気が集まり競争が激化しています。

・韓国ならではの文化

韓国だけでなく東アジア全般で言えるかもしれませんが、より良い給与を得られることが親孝行であると考える文化があるそうです。

韓国の親が子供の教育にかける費用は年々上昇傾向にあり、直近4年連続で過去最高を更新しています。

まるで子供が高収入の職に就くための先行投資のようになっているのですが、それも相まって大手企業もしくは海外就職を目指している学生が多くいます。

・企業情報の収集方法

在学生が海外の企業情報を得るときに利用するのが次の3つです。

・キャリアセンター:在学する大学のキャリアセンターを活用し、登録されている企業の情報を収集

・ワールドジョブプラス:韓国青年国際交流機構が主催する日本就職イベントで、年に2回開催される

・就職サイト:ONE CAREERやジョブコリアなど韓国向け就活サイトから情報収集

 

■海外就職

・注目度が上がる日本

海外就職は欧米が特に人気ですが、近年外国人労働者の受け入れを拒む傾向にあるためか、欧米を目指して就活を始めたとしても、開始後に情報収集して実情を知り諦めてしまう学生も多くいます。

しかし、事前に情報収集ができていた学生は「日本」での就職を早期に検討し始めます。

事実、ASIA to JAPANの就活支援から、ある一定層の大学では年々日本行きを目指す学生が増加傾向にあることがわかりました。

・日本就職への期待値

日本就職への期待値については、年々特別感が薄れてきていると感じました。

その理由が、韓国企業との年収差がほぼないということ。

そして、ITや通信においても世界的企業が存在するため「必ず日本で働きたい」という思いを持つ学生は少ない印象でした。

では、どういったニーズが日本行きを後押ししているのでしょうか。

それは「文化的ニーズ」です。

韓国でも日本のアニメや漫画などが若者に浸透しており、その流れで実際に日本で働き日本の文化に触れたいと考える学生が一定数存在します。

 

・語学力

今回の訪問でお会いした学生の大半がJLPT(日本語能力試験) N3以上のレベルでした。

日本就職を目指す志しとしては少しズレているかもしれませんが、オリジナル言語で漫画やアニメを見るために独学で日本語を学び習得した結果、日本語の説明会も全て理解できるようになり、さらに日本語で質問できる人もいました。

【韓国】人事のための大学情報まとめ

■採用検討中の企業への注意点

・給与の提示

まず韓国学生が企業を選ぶときに重要視するのが「給与」です。

理由は前述の通り、国内より高い給与を求めて海外就職に挑んでいるためです。

韓国人学生の採用をしっかりと進めるのであれば、提示額をある程度高めに設定しておくことをおすすめします。

・採用面接時のギャップ

前述した通り日本就職を目指す韓国人学生の多くが「文化に触れたい」という思いが前提で、面接に望んでいます。

また、海外で得られる企業情報は日本に比べて少ないため、情報量は格段に落ちます。

そのため、もし日本人学生への面接と同じレベルで「企業を選んだ理由」に対する回答を得ようとすると、思惑以下の回答が返ってくる可能性があります。

・勤務地の選択

日本就職を目指す学生の多くがソウル出身者で、環境が似ている東京で就職を望む学生の割合が多いです。

現地学生にヒアリングすると地方就職は選択肢になく、地方に憧れがない限り行きたくないという声がありました。

過去の就職支援でも経験しましたが、「地方に配属される可能性がある」と伝えると断られる傾向にあります。

募集や面接する際はこの点を丁寧に擦り合わせる必要性があります。

・学生のレベル感

結論からいうと、韓国のトップ大学に通う学生は国内大手企業を目指すため採用は困難を極めます。

そのため日本就職に名乗りをあげる学生は少しレイヤーが下の大学になります。

韓国語はもちろん英語、日本語とマルチリンガルを採用することは可能です。

採用を担当される方は求める人材像を明確にし、大学名だけでなく能力面や実績からマッチしているか吟味することをおすすめします。

・卒業生の年齢

前述の通り、卒業時の年齢は学生によってバラバラです。

特に男子学生は、日本では馴染みのない兵役問題で3年近くのズレが生じてきます。

もし韓国人材の採用を狙うのであれば、対象者を絞り込みすぎず、かつ国防の義務も考慮して25歳以降でも積極的に採用対象にすることをおすすめします。

 

■韓国で訪問した大学

今回訪問をした、3つの大学を紹介します。

・檀国大学(タングク大学:DKU)

檀国大学は京畿道龍仁市と天安にある私立大学で、1947年に終戦後初めての大学として設立されました。

国際交流が盛んで世界の約400の大学と交流協定を結んでおり、日本とは計26の大学と交流協定を結んでいます。

法学部の認知度が高く難関学部とされており、また海外派遣留学生を多く輩出しています。

・京畿大学(キョンギ大学:KGU)

京畿大学は京畿道水原市とソウル特別市西大門区に位置する私立総合大学で、前身は1947年に設立された「朝陽保育師範学校」です。

全国でも有数の大型大学で、現在7つの単科大学と42学科、そして8つの学部と18の専攻が開設されています。

韓国初の観光文化学部、特にホテル観光分野では慶熙大学、世宗大学と共に国内TOP3を形成しています。

・慶熙大学(キョンヒ大学:KHU)

慶熙大学は1949年に設立され学生数23,000人以上の私立総合大学で、前身は1911年に設立された「新興武官学校」です。

文系理系ともにレベルが高いだけでなく、東洋医学や看護学など医療関連の学部も得意としています。

留学生のために、慶煕大学校の韓国人学生が、韓国語の学習や韓国での生活をバックアップする『トウミ制度(チューター)』があるなど、韓国の大学の国際化をリードする大学です。

【韓国】人事のための大学情報まとめ

 

■まとめ

韓国出張でのヒアリングを紹介しましたがいかがでしたか?

給与面において、今や日本との差もほとんどないほど韓国企業は力を持ち成長し続けています。

それに伴い、海外就職よりも高収入を望める国内就職を希望する学生も増えてきました。

このように年々韓国人材の採用は難しくなってきています。

海外の高度人材採用へのご関心、また採用後から入社までの手続き方法など気になることがありましたら、お気軽にASIA to JAPANへお問い合わせください。

外国人学生採用

日本語が話せる アジアトップ大学の
理系新卒外国人材を紹介します

この記事をシェアする!