EN

外国人材が「定着する会社」と「離職する会社」の決定的な違い|採用前の設計が9割 

目次

外国人材の採用に踏み切ったものの、「入社してすぐ辞めてしまった」「なぜ辞めたのかもわからない」という声は、決して少なくありません。 

定着する会社と離職する会社。その差はいったいどこにあるのでしょうか。 

結論から言えば、制度の有無ではありません。「採用前からの意図的な設計」があるかどうか、ただそれだけです。 

この記事では、外国人材の採用・定着支援で約300社以上の実績を持つASIA to JAPANの知見をもとに、定着・離職を分ける構造的な原因と、現場で今すぐ実践できる対策を解説します。 

 

 

離職の3分の2は、採用前に決まっている 

外国人材が辞める理由として、多くの企業が「コミュニケーションの問題」「日本語力の不足」を挙げます。しかし実際には、離職の主な原因は入社後の問題ではなく、採用プロセスの設計ミスにあります。 

主な離職原因は、大きく3つに分類されます。 

 

給与・評価のミスマッチ 

能力に見合う報酬が提供されなければ、転職は必然です。特に優秀な理系人材は、グローバルな転職市場で常に評価されています。採用段階で処遇を正直に開示し、「それでも入社したい」という強い動機を持つ人材を選ぶことが重要です。 

 

採用時に日本語力の基準を決めただけで、その後のフォローがない 

日本語力を採用条件にすること自体は正しい判断です。しかし「基準を満たしているから大丈夫」と安心してしまい、入社後のフォローが途切れるケースが離職につながります。「採用時の日本語基準を明確にすること」と「入社前の日本語学習支援」がセットで機能してはじめて定着率が上がります。 

 

配属後の孤立・受け入れ設計の欠如 

最も多い離職原因がこれです。 配属後に放置され、評価基準も不透明、頼れる人間関係もない——そうした環境に直面した外国人材は、静かに「見切り」をつけます。 

「能力がないから辞めるのではなく、日本の仕事の進め方と自分への期待値が見えないから、見切りをつけてしまう」——これが外国人材の離職の本質です。 

 

 

定着する会社・離職する会社の行動パターン 

 

  定着・活躍している会社  定着しなかった会社 
採用後  内定後から設計を始める  採用できたことに安心して終わる 
入社直後  1on1・メンターを事前に準備する  入社後は現場任せにする 
日常管理  人事が定期的に面談し、本音を聞く  問題が起きてから動く 
離職対応  退職理由を把握し、次に活かす  退職理由がわからないまま次の採用へ 

この差は、特別な制度や予算を必要としません。現状の社内制度を変更せず、現場運用レベルで今すぐ始められます。 

 

採用面接で必ず見極めるべき「2つのタイプ」 

定着の成否は、採用面接の時点でほぼ決まります。外国人材には、大きく2つのタイプが存在します。 

ます。スポーツの世界は、動機とキャリア観が行動に直結するため、ビジネスよりもわかりやすく”タイプの違い”が現れます。川崎フロンターレに所属した2人のプロサッカー選手の事例を借りて、この2つのタイプを見てみましょう。 

 

ステップアップ志向(フッキ選手タイプ) 

フッキ選手は川崎フロンターレで最低クラスの契約から始まり、後に中国リーグ史上最高年俸を手にした外国人サッカー選手です。彼のように、常に「次のステージ」を目指すタイプを「ステップアップ志向型」とします。 

  • 実力が正当に評価されれば迷わず転籍する 
  • 短期間で圧倒的な結果を残す可能性がある 
  • 日本を「キャリアのステップ」として捉えている 

 

ビジネスに置き換えると、「より良い条件・環境が出れば迷わず動く、転職市場型の人材」です。実力は本物ですが、会社への帰属意識よりも自分のキャリア成長を優先します。「3年で独立したい」「将来は母国に戻って起業したい」といった明確な個人ビジョンを持つ人材がこれにあたります。 

このタイプを採用する場合は、「短期活用」と割り切った設計が有効です。 給与・評価制度が整っていなければ定着は困難ですが、即戦力として組織に貢献してもらうことは十分に可能です。 

 

定着・貢献志向(ジュニーニョ選手タイプ) 

ジュニーニョ選手は、川崎フロンターレ一筋9年で、欧州クラブからのオファーも断り、外国籍歴代最多の181得点を記録した外国人選手です。彼のように、「この会社で名前を刻む」という強い帰属意識を持つタイプを「定着・貢献志向型」とします。 

  • 高待遇のオファーが来ても断れる強い意志がある 
  • 長期的に組織の中核を担う人材になる 
  • 日本の生活・文化・チームへの深い愛着を持つ 

 

ビジネスに置き換えると、「条件よりも関係性・使命感を重視する、ロイヤルティ型の人材」です。「この会社の事業に本気で共感している」「日本で長く暮らしたい」「チームの一員として認められたい」という動機が根底にあり、待遇だけでは揺らがない軸を持っています。長期的な戦力として育てたいなら、このタイプを見極めることが最優先です。 

面接では必ず「なぜ日本で働くのか」「5年後・10年後に何を実現したいのか」を深掘りしてください。動機の浅い候補者は、日本語力が高くても早期離職につながります。 

 

 

入社後に直面する「3つの変化の壁」 

外国人材は入社直後、日本人新卒の何倍ものギャップに同時に直面します。 

1.生活環境の変化
住居・食事・交通・習慣がすべて変わる中でのホームシック・文化ショック 

2.言語の変化
日常会話はできても、ビジネス敬語・本音と建前・「空気を読む」文化は別物 

3.学生から社会人への変化
日本式の組織文化・上下関係・会議での発言スタイルへの適応 

 

この3つが同時に押し寄せるからこそ、内定から入社までの期間を「準備期間」として活用することが決定的に重要になります。 

 

 

入社後の設計:メンターと1on1が定着を左右する 

メンターの選び方 

やってはいけないこと:直属の上司・先輩をメンターにする。 

評価者に対しては本音を出しにくく、問題を隠す傾向があります。その結果、退職面談で初めて「実は…」という話を聞く羽目になります。 

 

効果的な設計: 
  • 他部署の人間をメンターにアサインする(利害関係がないため本音で相談できる) 
  • 英語ができる人材を優先する(言語の壁がなくなると心理的安全性が大幅に上がる) 

 

人事による定期面談(1on1)の重要性 

「退職面談で初めて話しかけても、すでに手遅れ」——これが現実です。 

普段から信頼関係がなければ、外国人材は本音を話しません。人事が定期的に1on1を継続することで、退職の予兆を早期につかみ、離職を防ぐことができます。また、退職理由を正確に把握することで、次の採用設計に活かすことも可能になります。 

 

 

「同化」ではなく「取り入れる」という発想転換 

多くの日本企業が陥るパターンがあります。それは、外国人材を「日本人のように育てる」ことを目的にしてしまうことです。 

「同化させるのであれば、日本人の採用の質を落として採用すれば十分」——外国人材を採用する本来の意義は、多様な視点・文化・発想を組織に取り込む「取り入れる」という姿勢にあります。 

 

外国人材が活躍できる組織は、日本人社員も活躍しやすくなります。これが「内なるグローバル化」——海外に出なくても、社内にグローバルな環境をつくるという発想です。 

 

 

まとめ:定着は「内定後6ヶ月の設計」で決まる 

外国人材の定着・離職を分けるのは、特別な予算でも大規模な制度改革でもありません。 

内定後から入社後6ヶ月の「意図的な設計」があるかどうか——それだけです。 

 

今日から始められる3つのアクション: 

  1. 採用面接でタイプを見極める:「なぜ日本か」「長期的に何を実現したいか」を必ず確認する 
  1. メンターを他部署から選ぶ:評価者以外の相談相手を入社前に決めておく 
  1. 人事1on1を月1回設定する:問題が起きる前に、本音を聞ける関係をつくる 
  1.  

採用できたことに安心して終わる会社か。内定後から設計を始める会社か。その差が、1年後の組織の力を決めます。 

 

※ASIA to JAPANでは、外国籍学生の採用から入社、その後の研修まで一貫してサポートを実施しております。
詳しい情報をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください 

外国人学生採用

日本語が話せる アジアトップ大学の
理系新卒外国人材を紹介します

この記事をシェアする!