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【セミナーレポート】スズキが取り組むグローバル展開のキーパーソン「インド人財」の魅力

目次

【セミナーレポート】スズキが取り組むグローバル展開のキーパーソン「インド人財」の魅力

ASIA to JAPANは、日本経済新聞社 人財・教育事業ユニット様と共催webセミナー【スズキが取り組むグローバル展開のキーパーソン「インド人財」の魅力】を2月13日に開催しました。

近年、加速度的に増加するグローバルな事業展開において、海外人材の採用は必須要件になりつつあります。

しかし、言葉や文化生活習慣の違いなどから、海外人材の採用に二の足を踏んでしまう企業も少なくありません。

本セミナーでは、将来的な事業成長を見据え、いち早く海外人材の採用に取り組んでいるスズキ株式会社が、その狙いや背景をはじめ、いま特に注力している「インド人財」にフォーカスを当てて魅力についてご紹介しました。

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この記事では内容の一部を抜粋してご紹介します


■セミナー

●トークテーマ

スズキが取り組むグローバル展開のキーパーソン「インド人財」の魅力

●登壇者

スズキ株式会社(以下:スズキ)
常務役員 加藤 祐輔 様

株式会社ASIA to JAPAN(以下:ASIA to JAPAN)
代表取締役社長 三瓶 雅人

●モデレーター

日本経済新聞社
ライフ&キャリアビジネス 人財・教育事業ユニット
副ユニット長 上杉 栄美 様

 


 

■事業戦略におけるインドの位置付け

・現地法人

加藤様:現地法人ではマルチスズキインディア社スズキ・モーター・グジャラート社が四輪車の生産を、スズキモーターサイクルインディア社が自動二輪車の生産を担っています。

マルチスズキインディア社は設立から42年目になります。

最近受注が始まった新モデルもすでに受注停止となるほど人気をいただいており、いかにこの40年の間でインドの生産技術レベル商品を作るレベルが上がってきたかということを示すものではないかと思っております。

・子会社の設立

加藤様:今まで「作って売る」という、どちらかというと販売の市場として見ていたインドに対し、今後の関わり方として「地域貢献」という意味合いを強めていけなければならないと考えております。

そこで、インド国内で社会から必要とされる技術開発に取り組む技術者をインドで育てようということで、スズキR&Dセンターインディアをスズキ本社が100%出資で設立しました。

また

四輪や二輪を販売するだけでなく、インドにおける社会課題に対し、いかにビジネスの力で成長貢献発展に寄与していくかということを考えた、ネクストバーラットベンチャーズという子会社も100%出資で設立しました。

・学生と社会貢献に関わる

加藤様:インド工科大学ハイデラバード校内にスズキの若手社員を派遣して、学生とともに社会貢献につながる活動を行うスズキイノベーションセンターを開いています。

その他にもインド工科大学ハイデラバード校との技術人材交流や、インド経営大学院との共同研究、教職員や学生との交流など、草の根からの人材育成に協力しています。


上杉様:
インドでのビジネス展開と言いますと、開発製造拠点が真っ先に思い浮かびます。

ただお話をお聞きすると、この42年の歴史からインドの発展への貢献社会貢献、そして共に学ぶといった、スズキ様がインドに根ざして成功されている背景を改めて知ることができました。

 

■インドでの取り組みから生まれた採用

・地域貢献から生まれた採用

加藤様:2018年度よりインド工科大学ハイデラバード校からの直接採用での内定者が少しずつ入るようになり、2025年度までに40名以上の人材に入社いただいています。

インド経営大学院では昨年度から直接採用を始めたのですが、すでに数人の内定承諾をいただいています。

・直接採用から見えてきたポイント

加藤様:直接採用から見えてきたポイントを4項目に分けて紹介します。

1つ目「強み」です。

インドで新しいプロジェクトを始める時、「インド人財」は当然即戦力になります。
また皆さんインド国内において何かしらの職歴を持っているため、ただの学生ということではなく過去の経験から働くことについて理解されていることを前提に入社いただいています。
それらも踏まえた上での即戦力といえます。

2つ目「弱み」です。

これは日本の会社で日本人と共に働く場合、やはり言葉や文化、環境が異なるところで馴染むまでに若干時間がかかります。
またスズキの社内文化的に個人プレイよりもチームプレイを大切にしているため、突出した素晴らしい人材もいいですが、周りに溶け込み全体を活かしながら進めるというところで強みを発揮しづらいというところがあります。
ただし、この事例は受け入れ側の問題でもあるためお互いのいいところで着地できればと考えています。

3つ目「機会」です。

日本でも獲得しづらい人材がインドでは採れるよと。
これは、どなたがお考えになっても同じと言えるかなと思っております。

最後4つ目「採用のリスク」です。

やはり受け入れの職場にどうしても負荷がかかります。
私どもが面接する方でも、全員が英語を流暢に話せるということではありません。
多少喋れれば良いのですが、全く話せないとなると二の足を踏むケースがあります。

そして、やはり給与レベルの問題ですね。
インド工科大学になるとそれなりの給与を支払わなければなりません。
一方で高額な給与見合うリターンを得られるのか、という点も見ておく必要があるというのがリスクとして考えられます。

 

■インド人の採用に期待すること

上杉様:事前に視聴者様からアンケートをいただいています。

インド人採用に期待することについての質問がございまして、「今後の事業展開を見据えた上で、インドのマーケット市場や海外市場に詳しく見識の深い人を獲得したい」というご回答を選択された方が最も多かったです。

日本人を採用できないから、プランBとして外国人材を獲得するというわけではないと認識していますが、この点についていかがでしょうか?


三瓶:
この結果についてはそうであると思います。

やはり日本国内にいるインド人留学生は数が非常に少なく、日本にいながら採用するのはかなり難しいです。
そのため自社にインド人社員がいる企業はそんなに多くない一方で、マーケットは大きくなるのでそれに備えたいという企業さんのお声は多いのかなと思います。


上杉様:
加藤さんにお聞きしたいのですが、長期的にインド人の方々を採用される中で、先ほど強み弱みについてお話しいただきましたが、言葉の壁やコミュニケーションの難しさはどの程度解消されてきているのでしょうか。


加藤様:
例えばインド工科大学からのインターン生受け入れをやろうと思うと、どうしても海外に向けて仕事をしている分野、あるいはITやAIに詳しくこれらを活用する分野に限られますが、分野さえなんとかなれば言葉の問題は少ないです。

日本人も中学高校大学と英語を学んでいるのでそれなりの基礎はあると思っています。
ただ、我々日本人は英語を使う機会がないので耳慣れしておらず、また咄嗟に出てこないということが生じているだけです。

実際に、職場に英語しか喋れない方、もしくは英語がメインの方がいらっしゃる場合でも、共に仕事しなければいけないとなると、インドの方に限らず、日本語が話せなくても一生懸命日本語を分かろうとします。
我々も始めは片言の英語かもしれませんが、なんとか伝えようと繰り返していくうちに、自然と意思疎通できるようになります。

要は、置かれた環境に対して自然と順応できるようになるので、言語というところで構えすぎる必要はないのではと考えています。

・他国籍人材と「インド人財」の違い

上杉様:三瓶社長に質問ですが、インド以外にも様々な外国籍の学生さんと関わられている思いますが、他国の学生とインド人学生とを比較した際に、インド人学生には何か特徴的な性格のようなものはあるのでしょうか。


三瓶:
そうですね、インド人学生はキャリアアップ年収を上げたいという思考が非常に強いです。

やはり競争社会で生きていますので、職場に入ってからも常にキャリアップしたいという思いが他国の学生よりも強いな、と感じますね。

 

■外国人採用について知っておきたいこと

上杉様:もう1つ事前アンケートがございましたのでご紹介したいのですが、「外国からの採用について知っておきたいことは具体的に何なのでしょう」という質問に対して、多かった回答が「入社後のサポート」それから「定着に向けた施策事例」というところでした。

今までは入社した後のお話でしたが、それに次いで多かったのが「採用の手法、や流れ、採用対象となる学生はどういう人なのか」というところでした。

まずは定着について加藤さんにお聞きしたいでのですが、年功序列文化が根付いているこれまでの時代があった中で、「インド人財」が長く活躍し続ける人事の秘訣や育成など、スズキ様では施策が行われているのでしょうか?


加藤様:インド工科大学
インド経済大学院から直接採用した方々については、一旦インターンシップで受け入れをし、採用前に仕事を経験いただいています。
入社後も同様の仕事に引き続きアサインすることで、事前にミスマッチを防ぐことができますし、受け入れる側も各人材の能力を把握でき、お互いスムーズに仕事に取り掛かれるようにしています。


上杉様:
インターンシップはどれくらいの期間実施されますか?

加藤様:基本的には2ヶ月間です。事前の準備期間や受け入れの期間を含めると、約6ヶ月間ほどになります。


上杉様:
なるほどですね。

三瓶社長にお聞きしたいのですが、そのような取り組みをされている企業は多いのでしょうか。


三瓶:
多くないですね。

インターンシップは入国の制度も含めかなり複雑で、来日後の生活費等でかなり費用がかかるので、実施されている企業さんはそこまで多くないと実感しています。


加藤様:
先ほどの加藤さんの話を伺うとインターンシップは慣らしという点でとても有効のように思うのですが、VISAの取得難易度がネックなのでしょうか。


三瓶:
そうですね、賃金を渡すかどうかが鍵になりますが、日本にいる期間中に賃金が発生すると就労とみなされるため専用のVISAを申請する必要があります。

一方で、賃金が発生しなければ簡単なVISAで入国してもらうことができます。

ただ、それだけでなく長期間受け入れる場合、その入居先も手配する必要があります。
複数人受け入れる場合、もちろん人数分の住居などを確保する必要があるので受け入れ部分が大変というところがあります。


上杉様:定着率
についてはどうでしょうか。


三瓶:
近年、日本人でも3割の若手社員は3年以内で転職すると言われています。
外国人材に関しても残念ながら正直そこまで変わらないと実感しています。


上杉様:
スズキ様では実際いかがでしょうか。


加藤様:
まず人数がそこまで多くないので、1人退職したら定着率はガクッと下がってしまうかと思います。
ただ、お話があったように割合的には日本人の若者とそこまで変わらないのかなというふうには考えています。


上杉様:
今までのお話を伺っていると「歩み寄り」が大事なんだと思いました。

やはり遠巻きに見るというよりは、外国籍の皆さんのためを思っていることが実は日本人にも効果的であるなど、歩み寄りの姿勢がスズキ様の施策を伺う中で感じとれます。

 

■「インド人財」の需要

上杉様:多くの企業様から「インド人財」を採用したいという要望は増えているのでしょうか。

三瓶:増えています。

その背景はマーケットが大きくなってるというところと、「チャイナ+1」的な動きも出ています。

また、インド政府も製造業の誘致に非常に積極的で、それに伴って今のうちに採用しておきたいというニーズが増えてきているのかなと思います。

上杉様:そうすると、ますます優秀な人材の争奪戦が激化していきますね。

・インド人採用のポイント

三瓶:ASIA to JAPANの外国人採用事例を紹介します。

一つ目中途採用、特にソフトウェア・IT関係で人材採用できない背景があるので、海外から採用にシフトするというもの。

二つ目は、地方海外勤務での採用が厳しいということから、外国人採用へのシフトするもの。

三つ目がIT業界以外の企業が、情報系の人材採用を進めるにも日本市場は難しいので、その枠のみ外国人を採用するケース。

最後にインド市場が今後伸びることを予想し、今のうちにコア人材採用をしようといったことがあります。

採用難易度についてですが、言語レベルによって採用の難易度が変わります。

英語のみで面接ができる場合、対象者はほぼ取り放題と言えるぐらい文理ともに確保が容易です。

一方で、日本語のみで面接を行う場合は難易度がMAXレベルで高くなります。

インドの場合はとても容易か最難関かの2択になるので、どちらで採用するかは企業様次第となります。

 

■外国籍人財採用について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください

今回のウェビナーでは、「インド人財」の魅力について紹介しました。

ASIA to JAPANはインド最難関のインド工科大学と長期に渡って良好なリレーションを築いています。

またインド人財だけでなくアジアを中心とした理系学生の日本語話者育成や、日本企業との面接の場、また外国人採用が未経験、採用経験はあるけどうまくいかなかった、など悩みや不安を持つ企業様の採用支援も行っています。

インド人財採用にご興味ある担当者様、また外国籍の学生採用に興味がある企業様はASIA to JAPANへお気軽にお問い合わせください。

こちらのウェビナーのアーカイブ配信をご覧になりたい方はお問い合わせください。

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