きっかけは三瓶社長の来日説明会
私が日本語に興味を持ったきっかけは、『ゆるキャン』や『白い巨塔』といったアニメやドラマでした。しかし、日本での就職活動の準備を始めるまで、日本語を勉強したことはありませんでした。2022年6月、ASIAtoJAPANの三瓶社長が私の母校、中南財経大学に来て来日説明会を行い、日本企業の働き方やFAST OFFERという日本での就職活動プログラムを紹介してくださったことで、中国の秋採採用以外にも人生の選択肢があることに気づかされました。
大学に入学した当初は、自分の専攻の就職進路が気になり、将来への不安もありました。 同級生のほとんどは、卒業後は大学院進学か会計監査業界への就職を選んでいましたが、私はそのどちらの道にもあまり興味がありませんでした。私には、IT業界に入って技術開発者になるという、より大胆な夢があります。かつて中国のあるイノベーション・コンテストに参加し、JAVA、Spring Boot、Mybatis、MySql、Redisなどを使ってオンライン注文アプリを開発したことがあります。この経験を通して、私は大きな達成感を感じ、プログラマーへの転向を考え始めました。しかし中国のIT業界はとても競争が激しく、私のような非情報系出身者はなかなか入ることができません。なぜかというと、私にはプロとしてのお墨付きもなければ、素晴らしいプロジェクト経験もなかったからです。
しかし、来日説明会では、日本企業は採用時に学生の専攻を重視せず、新人のために十分な研修機会を提供するので、文系の学生でもIT業界に入ることができると知りました。 また、ほとんどの企業が労働基準法を厳守し、残業時間をできるだけ減らし、福利厚生も手厚いです。そのため、すぐにFAST OFFERの公式サイトを閲覧しました。そこで、過去の内定者の成功談(https://fastoffer.co.jp/tag/china/)を見ました。その中には、清華大学などの名門大学出身の方の成功談もあり、FAST OFFERのプログラムの魅力に惹かれ、日本で働く決意を固めました。その後はすぐに日本語の教科書を買って、独学で勉強を始めましたが、1年半後にN1の試験に合格できました。
より効率的で気軽に就職できる
FAST OFFERプログラムはとても効率的です。その流れもとてもシンプルです。
まず、求職者が提出する書類はわずか3点ほどです。公式サイトに個人情報を登録し、1分間のPRビデオと卒業論文(Final Year Project)を要項に従って提出をしました。 書類を提出してから数日後、担当者から連絡が来て、面談の時間を予約します。約30分の面談の中で、なぜ日本に行きたいのか、日本で働くことへの希望や条件を話しました。
後日、STAFFから書類選考でどの企業に選ばれたのかを教えてもらいました。興味がある場合はJob Descriptionや過去の面接経験を事前に読んで準備しておくことができます。面接の案内が来てからは、面接コーチングを2~3回無料で受けることができ、事業内容や規模など企業の基本的な情報を得られるだけでなく、模擬面接の形でのいくつかの質問に回答し、企業側の視点からフィードバックしてくれました。模擬面接の雰囲気はとてもカジュアルで、スタッフの方々もとても細かく優しく接してくださり、多くの不安が解消されました。
私の就職活動は全体的に比較的スムーズに進み、合計3社の面接を受けました。最初の2回の失敗では、JDの質問に囚われすぎて、他の日本企業のよくある質問の対策をしていなかったこと、その場の状況に適応して活かすのではなく、暗記だけで原稿を覚えてしまったことなど、反省することが多かったです。 三次面接では、落ち着いて面接官とコミュニケーションをとり、最終的に内定をもらうことができました。
学部時代の中国のインターンシップ面接の経験を振り返ってみると、中国企業と日本企業の選考基準は全く違うと思います。中国企業は経験やスキルを重視し、筆記試験で面接官が面接者の基本的なスキルをチェックした後、Javaやプロジェクトの経験について質問することが多いです。このような選抜基準はできるだけ早く動いてもらうことを目的としています。日本企業は経験を重視するのではなく、過去の経験から何を学んできたかを重視し、技術的な内容を重視するのではなく、人柄が社風に合っているかどうかを重視します。また、日本の採用情報は透明性が高く、各企業は「新卒採用」という専用ページを開設し、給与、昇給率、離職率など、中国では一見「センシティブ」な情報を堂々と公開している。そして、日本の採用は中国よりも国際化が進んでおり、外国人の採用比率も低くありません。
「内定」以上のものを得た
私が得たものは単なる内定だけではありません。
就職活動のおかげで、日本語の会話能力も上達できました。それまでは趣味でドラマやテレビ番組をよく見ていたので、リスニングは難しくありませんでした。リスニングの練習は十分に積んでいたので、無意識のうちに声のトーンを真似したり、綺麗な発音ができたりするようになっていました。しかし、日本語を話す環境が全くないため、流暢さに欠け、行き詰まることもしばしばありました。FAST OFFER の無料模擬面接のおかげで、カジュアルな雰囲気の中で日本語を練習することができました。現在も内定者として日本語のレッスンを受けており、仕事の場面でどのように日本語を使うかを常に勉強しています。さらに、最も重要なことですが、日本で働く仲間たちと出会い、ネットワークを作ることができました。私たちは情報を共有し、日本に行く準備をしています。
今のところ、私は日本に行ったことがありません。そのため、10月から日本で働くことに少し不安もあります。例えば、私の日本語は本当に大丈夫だろうか?ゴミの捨て方は中国とどう違うのか? 迷宮のような地下鉄の駅でどうやって電車を乗り換えるのか?これからは日本の生活ペースや習慣に少しずつ慣れていけたらと思っています。将来は、日本で3~5年働き、職場での経験をもとに、次のキャリア目標を立てたいと思っています。また、自分の専門スキルを磨くために、IT関連の資格の勉強もしています。
最後に、日本での就職を希望している他の学生に就職活動のアドバイスを一つしたいと思います。もし2026年に卒業するとしたら、日本で就職しながら中国の秋採用にも参加することをお勧めします。このようにして、選べる範囲で、全ての選択肢を手に取るのが、合理的です。そして、FASTOFFERプログラムの利用時間が長ければ長いほど、より多くの企業をプッシュすることもできます。また、学部時代に中国国内の就職を経験し、中国と日本の違いを感じてから就職活動の方向性を決めてください。