日本技術への憧れと日本語学習の原点
もともと日本のロボットや技術に強い関心を持っていた私は、実際に日本に渡り、AIやデータサイエンスを通じて現地で技術を学びたいという思いを抱いていました。日本語の勉強は決して簡単ではありませんでしたが、「日本で技術を学びたい」という強い気持ちが、困難なときでも私を支え、大きなモチベーションとなってくれました。
また、母が日本語教師だったこともあり、自然と日本に興味を持つようになり、日本語を本格的に学ぶハードルを下げてくれたと感じています。
学び続けた先に見えた日本語の奥深さ
日本語は、主にPuneにあるHiramekiの授業でN4レベルから学び始め、さらにPune大学での日本語の授業を通じて着実に上達していきました。Pune大学では「日本語スペシャル・ディプロマ」を取得することもでき、自分の日本語学習に大きな自信を持つきっかけとなりました。
多くの人が感じるように、ひらがな・カタカナの習得、そして大量の漢字を覚えることはとても大変で、高いハードルに思えました。しかし、文法に関しては、私の母語であるマラティー語と構造が似ていたため、比較的スムーズに理解することができました。 もちろん、漢字は非常に難しく、何度も挫折しそうになりました。それでも学び続けるうちに、似ている漢字のパターンや部首に気づき、意味を予測できるようになっていきました。新しい漢字や読み方が分からない文字に出会ったときでも、これまでに培った日本語力を活かして推測できるようになった瞬間、日本語がとても奥深く、面白い言語だと実感するようになりました。 読解力を高めるためには、本を使った教材やオンライン辞書で語彙を増やし、聴解力についてはYouTubeを活用して何度も聞き取りの練習を重ねました。こうした積み重ねによって、日本語力が確実に向上していることを、日々実感しています。
多くの会社とコネクションがあるFAST OFFERがモチベーションに
Hiramekiで勉強をしていた時から、FAST OFFERは日本語の勉強・そして大学の勉強をしながら、日本企業の就職面接の機会を得ることができるプログラムだということは知っていました。このプログラムは私にとって、日本で仕事を得る大きなチャンスだったので、どのような企業があるのかをweb siteを見ながら調べ始めました。その中で、日本の有名な多国籍企業や大企業がFAST OFFERと提携していることに気づきました。この発見が、私がFAST OFFREに登録し、日本での就職活動に本格的に取り組むきっかけとなり、日本語学習のモチベーションにもつながりました。
私は運良く日本での面接会に参加することができ、そこで内定をいただくことが出来ました。しかし、そこまでの道のりは決して楽なものではなく、とても長いものでした。初めてFAST OFFERで面接する機会を得てから、内定をいただくのに約5ヶ月かかりました。対面の面接の前にオンラインで4回面接の機会をいただいていましたが、合格することは出来ませんでした。オンラインの面接は対面の面接と雰囲気が全く違います。日本語のアクセントが聞き取りづらかったり、相手が何を考えているのかわからなかったり、苦戦した面接が続いていました。しかし、メンターの方が「面接のfeed backは良かったから諦めずに頑張れ!」と何度も励ましてくださったおかげで、うまくいかなくても面接の準備を続けることができました。その努力が実り2月の面接会に対面で参加できることが決まりました。通常は3社以上の面接で来日できるのにも関わらず、面接企業の方針で1社の面接でも来日させていただき、念願の来日、そして念願の対面での面接が実現しました。
初めての来日から内定獲得まで
私が初めて来日型のイベントに参加したのは2月のことでした。想像していた以上に日本の冬は寒く、気温にまず驚かされました。また、企業との面接ではフォーマルなスーツを着用するなど、細かなルールが多く「日本は規律を重んじる国だ」と実感しましたが、それ以外の文化面でのカルチャーショックはほとんどありませんでした。
私は1社のみとの面接だったため、他の留学生に比べてチャンスが少なく、大きなプレッシャーを感じていました。しかし、その1社に集中して全力で準備することができたのは、むしろ良い経験だったと思います。さらに、同じHiramekiでN4レベルから一緒に日本語を学んでいたBatch mateたちと同じ企業を受けることになり、最後までお互いに確認し合いながら、練習を重ねることができました。
内定をいただいた瞬間のことは、今でもよく覚えています。面接終了後、待機室で待っていると、ASIA to JAPANのスタッフの方が私たち3人を呼び出し、「合格です」と伝えてくれました。しかしそのとき、私たちは「合格(Goukaku)」を「工学(こうがく Kougaku , Engineering)」と聞き間違えてしまい、大混乱に。結果を再確認したときには、本当に安心し、喜びがこみ上げてきました。努力をともにしてきた仲間と同じ企業に合格できたことは、かけがえのない経験となりました。
入社まではまだ1年ほど時間があるため、これからはインターンシップに参加して実務スキルを磨き、日本に行く前に日本語能力試験N2の取得を目指して勉強を続けていきたいと思っています。