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【人材過多でIT分野は就職難?!】就職氷河期が到来か?4割以上の大学生が「現在の就職状況は厳しい」と考えている中国事情を紐解く

目次

中国国内における大学生の就職事情をご存知でしょうか?
現在、IT分野ではエンジニアの卵に対し、振り分ける仕事の量が少ないという実情や、就活中の4割以上の大学生が「現在の就職状況は厳しい」と考えているそうです。
その現状について詳しく見ていきましょう。

【中国】人事のための大学情報まとめ

【求職活動の実情】

中国の教育府(日本でいう文部科学省)にて直近10年間における、新卒の人数が公表されています。

グラフを見ると、卒業生の数が右肩上がりで増加していることがわかります。
では、卒業生の求職状況はどうなのか。中国の大手オンライン調査会社「IResearch」が掲載する、コロナ禍以降の大学生の求職活動に関する研究から、4割以上の大学生が「現在の就職状況は厳しい」と考えており、7割近くの学生の就職活動はコロナ禍の影響を受けていると答えていました。

 

【どのような影響?】

コロナ禍において影響を受けているのは、日本だけでなく中国でも同様に発生しています。では、一体どのような影響が及んでいるんでしょうか。
同じくIResearchの情報を見てみると複数の回答が記載されていました。中でも特徴的であったのが、「オンライン採用の形態に抵抗がある」や「交通規制と移動の困難さ」と、コロナ禍ならではの問題があがっています。
また、雇用機会の減少も起きており、「インターン先の企業で採用される可能性が低い」など、コロナ前では当たり前に行われていた就職までのルートが不透明になり、一部では「就職の不確実性が高まり、心理的不安やパニックを引き起こす」など不安を抱えています。

 

【就職への期待】

中国の学生は多くの不安を抱えていることが要因になったのか、就職において安定を求める姿勢がより明確になっています。半数以上の学生が、就職先として公務員・国家企業を第一選択肢としています。その理由として、「給与・待遇」、「仕事の安定性」、そして「キャリア開発の機会」の3点があげられました。先が見通せない昨今の環境が、学生のマインドに関連していることがわかります。

 

就職活動の努力と準備

就職活動として学生はどのような準備をしているのでしょう。一般的には在学中に技能訓練、インターンシップ、キャリアプランニングなどに参加し、他の学生との競争力を高める努力をしています。そして、ほとんどの学生は求職において明確な目標を設定します。企業や役職の関連情報を詳細に理解するために志望する特定の企業や業界に焦点を当て、十分な「戦略」を練ります。
では、学生が準備期間に注視している企業情報とは一体なんでしょう。調べてみると大きく2つのカテゴリーで情報収集をしていることがわかりました。

・入社後の待遇

給与水準・福利厚生・主な事業内容・開発の経緯・組織体制・財務パフォーマンス

・キャリアアップ

責任と職務内容・作業強度・キャリアアップパス・業界内ランキング・トレーニングシステム

このように、就職を希望する企業で「どのような環境で仕事をするか」。そして、「どのような成長を見込むことができるか」という情報を求めていました。

 

【人気職と業務提供のバランス】

現在、中国企業の多くが3つの職種に対し、多くの雇用機会を与えています。それが「ITエンジニア職」「 営業職」「 開発・研究職」です。なかでもITエンジニア職は特に多くの人材を確保する傾向にあります。
しかし、Baidu、Tencent、Alibabaのような中国大手のIT企業では求職の競争率も高く、優秀な学生でもなかなか仕事を見つけることが難しいという現状があります。
また、ASIA to JAPANで関わる日本語を使うことができる中国の学生の中には、中国のIT企業は激務と言われ、ワークライフバランスを重視したいということで、日本での就職を希望しているという学生をよく見ます。

 

【まとめ】

中国の学生は、先が見えないコロナの影響により、就活氷河期のような事態に陥っています。優秀な学生であっても、必ず就職ができるわけではないため、国内だけでなく外資系の企業への就職も選択肢に入っています。企業として、明確に情報を開示することで優秀な学生の採用を目指せるかもしれません。

 

【参考資料】

http://jp.moe.gov.cn/

https://www.iresearch.com.cn/Detail/report?id=4079&isfree=0

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