近年、インドネシア人材への需要が世界中で急速に高まっています。
そしてインドネシア内部でも、大学卒業後に外国での就職を希望している学生が多く、日本もその一つです。
就職で海外を目指すのはインドネシアで働く場合よりも、多くの賃金を得られるチャンスがあるから。
では、インドネシアで働く人が毎年得ている給与はどのくらいなのでしょうか?また、新卒の初任給はどのくらいなのでしょうか?
これらの疑問について、政府の調査機関やニュースポータルサイトが発表するデータを参考にしながら、お答えします。
この記事では、インドネシア・ルピア、1ルピア=0.0095円でを日本円に換算しています。
【インドネシアの平均年収】
2022年8月にBPS(Badan Pusat Statistik)が行った調査によると、インドネシアで働く人が1年間に受け取る平均賃金は34万9980円(月額で2万9165円)です。最も平均給与が高い業界は金融・保険で、年収は590,520円、次いで情報・通信で、年収は575,700円です。3位は鉱業・採石業で、年収の平均は548,340円です。
【インドネシアの平均新卒年収】
インドネシアの平均賃金は約35万円でしたが、大卒の初任給の年収はどうでしょうか?
新卒初任給が最も高いのは、鉱業・石油産業従事者で684,000円~912,000円となっています。インドネシアは鉱山資源が豊富な国です。そのため、初任給の高い鉱業・石油産業の仕事に就くチャンスが広がっています。次に新卒の初任給が高いのは、電気、ガス、蒸気・温水、冷気調達の分野で、640,500円程度です。平均給与が高い職業3位は、金融・保険業で、年収は約595,031円です。情報通信分野については、新卒者の1年間の平均年収は約532,803円です。一般的に、インドネシアの新卒者は、鉱業・石油会社など収益が大きい会社に働くことを目指しています。また、新興企業、民間銀行、国有企業(BUMN)、デジタル・インターネットサービスに携わる多国籍企業、広告代理店やクリエイティブエージェンシー、ソーシャルメディア企業など、多くの企業に目を向けています。
インドネシアの労働者が受け取る平均賃金は、大学の新卒学生よりも低いですが、これはインドネシアの労働者の多くが、生産労働者、輸送機器オペレーター、肉体労働者として働いていることが理由です。インドネシアの労働者の54.06%は初等教育までしか受けていません。初等教育までしか受けていない学生の給与は低く、労働者の過半数以上が小学校までの教育しか受けていないインドネシアでは、労働者全体の平均年収や業界の平均年収より新卒の年収が高いというのはよくあることです。なので、業界によって年収は異なりますが、インドネシアでは”学歴”による年収格差が大きいと言えます。
【高い水準で上昇するインドネシアの賃金】
リスク、戦略、人事のプロフェッショナルサービス会社であるMercer Indonesiaは、従業員の給与が2023年の給与は前年比で6.1%上昇することを明らかにしました。また、この調査結果によると、インドネシアの様々な企業における給与の上昇は、パンデミック拡大のピーク時には5.5%という比較的低い伸びを記録した後、2021年から着実に伸びています。企業は回復を見せたものの、パンデミックの影響がまだ出ていなかった2019年の水準(6.9%)にはまだ達していません。
それでも、インドネシアで予測される昇給率は、アジア太平洋地域の平均である4.8%を上回ります。アジア全体では、平均給与上昇率は発展途上国と先進国の給与発展の違いを反映しており、インドでは9.1パーセント、日本では2.2パーセントとなっています。
調査対象となったさまざまな産業分野のうち、新興技術分野の給与上昇率が8.2%と最も高く、次いでハイテク企業の6.9%、ライフサイエンスの6.4%と予測されています。
【インドネシア大手企業の年収TOP10】
一般的に、従業員に高額な給与を支払っている企業は、鉱業や石油会社ですが、食品・飲料業界にも高額な給与を支払っている企業もあります。インドネシアで最も給与が高い企業はJakarta International Container Terminal(JICT)で、年収は400万円から770万円程度です。2位はパプアで事業を展開する鉱山会社Freeport Indonesiaで、年収は約100万円から700万円です。そして3位がAstra Internationalで、年収は約57万円~680万円です。
企業名 | 年収(円) |
Jakarta International Container Terminal (JICT) | 4,092,600 – 7,773,660 |
Freeport Indonesia | 1,140,000 – 7,182,000 |
Astra International | 570,000 – 6,840,000 |
Exxon Mobil Indonesia | 456,000 – 3,534,000 |
Coca-Cola Amatil Indonesia | 456,000 – 3,420,000 |
Kereta Api Indonesia (KAI) | 456,000 – 3,192,000 |
Bursa Efek Indonesia | 798,000 – 2,052,000 |
BFI Finance Indonesia | 684,000 – 1,710,000 |
Bank Central Asia (BCA) | 752,400 – 1,596,000 |
Telkomsel | 798,000 – 1,368,000 |
参考:sinarharapan.co
*2022年の年収データ
以上のことから、平均賃金TOP10のランキングでも年収に大きな差があることがわかります。また、日本と比較すると、インドネシア人労働者の年収は低いといえます。
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【参考資料】
Badan Pusat Statistik 「https://www.bps.go.id/publication/2022/12/07/a64afccf38fbf6deb81a5dc0/keadaan-angkatan-kerja-di-indonesia-agustus-2022.html」
Sinar Harapan.co 「https://www.sinarharapan.co/ekonomi/pr-3856789206/inilah-10-perusahaan-dengan-gaji-tertinggi-di-indonesia-para-pencari-kerja-wajib-tahu」