【出張レポート | インドネシア】地方の壁で日本企業の情報が届かない?インドネシア名門大学からのリアルな声と採用チャンス

【出張レポート | インドネシア】地方の壁で日本企業の情報が届かない?インドネシア名門大学からのリアルな声と採用チャンス

ASIA to JAPANは2025年5月26日~30日にかけて、日本就職を目指す学生に向けた説明会や大学関係者との打ち合わせを目的に、インドネシアの現地大学を訪問しました。

訪問したのは、国内でもトップクラスの実力を持つ大学。

しかし、その多くは地方に位置し、日本企業の情報が届きにくい環境にありました。

この記事では訪問した大学の紹介や、現地での様子についてご紹介します。

■インドネシア学生の就活事情

・卒業時期や選考スケジュールのズレ

インドネシアの大学では、卒業時期が大学によって異なるほか、企業の採用活動に合わせた就活文化がまだ確立されていない面もあります。

そのため、日本企業の「4月入社・秋採用」などのスケジュールと学生の動きにズレが生じ、応募しそびれるケースも珍しくありません。

・学業とインターンで、就活に使える時間がない

また、インドネシアの大学ではインターンシップをとても大事にしていることに加え、卒業までに必要な単位獲得のため学業も詰まっており、企業研究の時間がとれない傾向にあります。

また、4年生になると卒業論文の制作も求められます。

「授業やインターンシップ、研究活動で忙しく、就職活動まで手が回らない。アルバイトもする余裕がない」
これは多くの学生から聞かれた共通の声でした。

学生

・現地のインターン期間

インドネシアでは、多くの大学で3年次後半〜4年次前半にかけて長期インターンシップが必修となっており、期間も1〜3か月と比較的長い傾向があります。

日本では就活生が活動し始める期間ですが、しっかり時間を取れないというのが現状です。

また、現地学生にとってこのインターンは単位取得の条件でもあり、出席や成果物も厳しく評価されるため、就職活動に充てられる時間はほとんど残っていません。

 

■届ききらない日本企業の魅力

・人気が増す日本就職

インドネシアでは近年、日本企業への就職に関心を持つ学生が着実に増えています。

背景には、日本語教育の拡大やアニメ・ゲームなどの文化的影響に加え、「まじめに学び、安定して働ける」という日本企業へのイメージの良さがあります。

ただし、関心はあっても具体的な応募方法や企業情報にアクセスできない学生が多いのが現状です。

こうした“潜在層”に向けて、タイミングとチャネルを意識した情報発信ができれば、日本企業にとって大きな採用機会につながる可能性があります。

・“地方の壁”が立ちはだかる

訪問した大学は、インドネシアでもトップレベルの実力を持つ名門校。

学生は優秀で、教員も含めて「日本企業への就職に強い関心を持っている」という声が多数ありました。

しかしその一方で、地理的・構造的な課題が日本企業との接点を阻んでいるのも事実です。

大学は最寄りの空港から車で3時間とアクセスが悪く、日本企業の担当者が直接訪問するケースは非常に限られています。

そのため、「日本企業の採用情報は知っていても、詳しい内容までは届かない」「直接話を聞いたことがない」という声も多く聞かれました。

インドネシア大学

最近では、中国や台湾の企業が現地大学に出向き、積極的に企業紹介するケースが増加。

学生たちは“話を聞いた企業を志望する傾向”が強く、先に接点を持った企業が有利になるという流れができています。

つまり、関心はあっても、「来てくれた企業」に学生の志望が集中してしまい、日本企業は機会を逃している可能性があるのです。

・専攻で分かれるキャリア志向

現地の学生に人気の職種を見てみると、機械工学専攻の学生の多くは技術職やIT関連職を志望しており、日本企業での開発業務や製造現場でのキャリアに強い関心を持っていることがわかりました。

特に、ITスキルを持つ学生は「ものづくり+IT」に親和性を感じており、日本の製造業への興味が高い傾向にあります。

一方で、電気工学を専攻する学生の多くは、自国インドネシアの電力会社への就職を希望しているケースが目立ちました。

「インフラを支える仕事がしたい」「家族の近くで働きたい」といった理由もありますが、近年初任給の額が増加したことも影響し、国内就職を選択する層が一定数存在しています。

一方で海外就職を目指そうにもできない層もいます。

その理由の多くが「そもそも募集しているのか、情報が得られていない」というものでした。

こうした傾向を把握した上で、日本企業としては専攻ごとに響くアピールポイントを工夫し、適切な情報発信や説明をしていくことが重要です。

■採用チャンスは“動いた企業”から!インドネシア学生へのアプローチ、3つのヒント

・説明会と学生へのアプローチがもたらす信頼感

現地の学生や大学関係者の声から見えてきたのは、「企業が自分たちに関心を持っている」と実感できるかどうかが、関心や信頼を大きく左右するという点です。

たとえオンラインであっても、大学側に直接アプローチし、学生向けの説明会や交流の機会を設けようとする姿勢は、それだけで好印象を生みます。

実際、「大学に連絡が来た」「学生向けに説明会を企画してくれた」といった経験は、学生の認知度や志望度に直結しています。

特に地方大学では、企業が訪問したり、大学と直接つながることで、他国企業との差別化や信頼の獲得につながっているケースが目立ちました。

オンラインかオフラインかに関わらず、“大学を巻き込んで動く”こと自体が、インドネシアの学生に届く第一歩になるのです。

・「日本語話者だから」ではなく「優秀だから」アプローチする姿勢を

日本企業ではつい「日本語ができる人=採用候補」という視点に偏りがちですが、インドネシアでは日本語学習者でなくても、専門性が高く、日本で働く意欲を持つ学生が多く存在しています。

学生

実際、理系学生の多くは英語での研究や論文執筆に慣れており、日本語が不自由でも即戦力として活躍する可能性を持っています。

まずは「語学力」よりも「資質や専門性」でアプローチし、採用後に語学研修を実施する流れでも十分に対応可能です。

限られた“日本語人材”を奪い合うより、未発掘の優秀層に目を向けることで、採用の裾野は大きく広がります。

・「特定技能」ではない。通常の就労ビザで迎えるというメッセージを

インドネシアでは、日本で働く=“技能実習”や“特定技能”という印象が根強くあります。

そのため、日本企業が正社員として採用し、「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザで働けるという情報は、学生側にほとんど届いていません。

実際に、「日本で働くのは制限ある技能職」というイメージを持つ学生や保護者もおり、誤解を払拭するための説明が重要です。

日本企業が説明会や採用資料で、“正規雇用・就労ビザであること”を明確に伝えることは、安心感や志望動機の形成に直結します。

■インドネシアで訪問した大学

今回訪問した大学を紹介します。

・インドネシア大学(University of Indonesia / UI)

UI

1849年に設立されたインドネシアトップの歴史ある名門大学。

インドネシアの中心部であるジャカルタとデポックに2つのキャンパスを構え、ジャカルタが医学部・歯学部と大学院プログラムの拠点となり、多くの学部がデポックの緑豊かで広大なキャンパスに集まっている。

17の学部・研究所には文系理系問わず約4万7000人のインドネシアトップレベルの優秀な学生が集まっている。

・バンドン工科大学(Bandung Institute of Technology / ITB)

バンドン工科大学

インドネシア理系の名門校であるバンドン工科大学はバンドン工業高等学校を前身とし、インドネシアで初の技術系大学として1959年に設立された。

現在は2万人を超える学生が3つのキャンパスで学んでいる。

本部はインドネシア第三の都市であるバンドンに位置し、12の学部と130のプログラムで学ぶ高い専門性を持った学生が集まっている。

また、その高いレベルからインドネシアの工学系人材輩出の要としての役割も担っている。

 

■まとめ

今回の訪問時の情報を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

インドネシアの学生たちは、日本でのキャリアに対して高い関心と意欲を持っています。

しかし、地方に位置する大学では、情報が届きにくく、優秀な学生たちは“知らないから選ばない”状況が起きています。

日本企業が少し踏み込んで、現地大学に直接アプローチするだけで、出会える人材の層は大きく広がるはずです。

ASIA to JAPANでは、こうした現地のリアルな声を企業の採用戦略に活かし、日本と海外の「まだ出会っていない」人材の架け橋として、今後もサポートを続けてまいります。

インドネシア人材へのご関心や、採用後から入社までの手続き方法、大学へのアプローチ方法など気になることがありましたら、お気軽にASIA to JAPANへお問い合わせください。

またスタッフとの個別相談会をご希望の場合はこちらからお問い合わせください。

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