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【出張レポート | インド】日本語学習プログラム史上”過去最高”の応募があったインド学生の就活事情とは?

目次

【出張レポート | インド】日本語学習プログラム史上”過去最高”の応募があったインド学生の就活事情とは?

ASIA to JAPANは、2024年7月17日〜27日にかけてインドの現地大学を訪問し、日本語話者育成プログラムの誘致や大学関係者と今後の取り組みに向けた打ち合わせをしました。
この記事では訪問した大学の紹介や、インドの学生事情についてご紹介します。

■今回訪問した大学

・MITE大学(Mangalore Institute of Technology & Engineering:MITE)

MITE

MITEビスベスブラヤ大学は、2007年に設立された機械、宇宙工学、ITなどエンジニアリング全般の学部をもつ理系大学です。最先端のインフラストラクチャと経験豊富な教授陣を擁しており、インド全土のエンジニア志望者から最も人気の高い研究所の 1 つとなっています。また全インド技術教育評議会 (AICTE) の認可も受けています。
今回は200名以上の参加者を対象にオンラインにて日本語話者育成プログラムの説明会を開催しました。

・クマラサミー工科大学(M.Kumarasamy College of Engineering / MKCE)

MKCE01

クマラサミー工科大学は、20年以上にわたりタラヴァパラヤム村の村長を務められた慈善家としても著名なティル・M・クマラサミ氏によって、地域に高品質の技術教育を提供することを目的に2000年に創設された大学です。この大学では、科学、工学、情報技術、機械工学、土木工学など、工学分野における幅広い学部プログラムを提供しています。
今回はASIA to JAPAN初となる「土木関係」の学生支援に向けた取り組みの下調べのために訪問しました。
※大学情報はこちらから

・チェンナイ工科大学(Chennai Institute of Technology / CIT)

チェンナイ工科大学は、首都圏で第一世代の起業家として成功を収めてきたシュリ・P・スリラム氏が「技術教育機関を設立したい」という強い思いから、十分な産業経験を積んだ質の高い技術教育を提供することを目的に2010年に設立されました。産業に関する専門知識を活かして模範的な技術教育を提供しており、革新的な教育方法で若者のニーズに応えています。
今回の訪問では、新たに始まる日本語話者育成プログラムの誘致をしました。

・RMK大学(R.M.K. Engineering College / RMKEC)

RMK大学

RMK大学は1995年にチェンナイ北部で設立された理系大学で、コンピュータ サイエンス エンジニアリング、電気工学、電子通信工学、機械工学、情報技術など18の専門分野を扱っています。
今回の訪問では、新たに始まる日本語話者育成プログラムの誘致をしました。

・プネ大学 MMCOE(Marathwada Mitra Mandal’s College of Engineering / MMCOE)

MMCOE

プネ大学 MMCOEはインド政府の元内務大臣、故シャンカラオジ チャヴァン氏を「創立者会長」として1967 年に設立されました。社会的および教育的に情熱を持った人物たちの影響を受けており「Yethe Bahutanche Hit」(大衆の福祉)というモットーを掲げています。大学では経営、法律、商業、薬学、工学、建築などに対応する優れた教育施設を創設し、12,000 人以上の学生に優れた教育を提供しています。
今回の訪問では、新たに始まる日本語話者育成プログラムの誘致を2、3年生向けに行いました。

・ピンプリチンチワッド工科大学(Pimpri Chinchwad College of Engineering /PPCoE)

PCCOE01

ピンプリチンチワッド工科大学は、プネーの最高の工科大学として1999年に設立され、ピンプリチンチワッド教育トラストという独自の教育メゾットによって育成をしています。工学および経営学の学生に学問や業界向けトレーニング、スポーツ、課外活動および課外活動、文化活動、様々なコンテストに関して最高の専門環境を積極的に提供しており、社会に貢献できる技術的に有能なエンジニアおよび管理専門家を育成しています。
今回の訪問では、新たに始まる日本語話者育成プログラムの誘致をしました。

・MIT世界平和大学(MIT World Peace University / MIT-WPU)

MITWPU01

MIT世界平和大学は元々マハラシュトラ工科大学として知られ、1983年にMAEERグループの最初の大学として設立されたマハラシュトラ州で最初の私立工科大学の一つで、2017年に独立しMIT世界平和大学となりました。
今回の訪問では日本語話者育成プログラムへの誘致だけでなく、ASIA to JAPAN初となる大学単位用のインターンシッププログラム実行に向けた打ち合わせを実施しました。

・プネ・ヴィディヤルティ・グリハ工科大学(Pune Vidhyarthi Griha’s College of Engineering and Technology and G. K. Pate (Wani) Institute of Management / PVG)

PVG

プネ・ヴィディヤルティ・グリハ工科大学は1909 年に設立されたマハラシュトラ州の有名な慈善団体「Pune Vidyarthi Griha」によって、1985年に援助のない大学として設立されました。AICTE (全インド技術教育評議会) およびマハラシュトラ州政府によって認可された、サヴィトリバイ・プーレ・プネ大学の系列校です。
今回の訪問では、新たに始まる日本語話者育成プログラムの誘致をしました。

・サドゥ・ヴァスワニ女子経営学研究所(Sadhu Vaswani Institute of Management Studies For Girls / SVIMS)

SVIMS

サドゥ・ヴァスワニ経営学研究所は経営能力や起業家精神を備えた女性のイノベーターやリーダーを育成し、業界と社会に貢献する価値に基づいた変革的な教育を推進する優先機関として設立されました。
今回の訪問では、新たに始まる日本語話者育成プログラムの誘致をしました。

・SMR大学AP(SRM University-AP / SRM-AP)

SRM-AP

SMR大学APは2016年のアーンドラ・プラデーシュ州私立大学(設立および規制)法に基づいて、SRMトラストによって2017年に設立されました。
今回の訪問では、新たに始まる日本語話者育成プログラムの誘致をしました。

・KL大学(KL University / KL)

KL

KL大学は、インドのアーンドラプラデーシュ州で最初の私立工学部の1つで、1980年にコネル・ラクシュマイア教育財団によってKL工学カレッジKL College of Engineeringとして設立され、2009年にインド政府からみなし大学と認可されました。
今回の訪問では、新たに始まる日本語話者育成プログラムの誘致をしました。

 

■インドの学生事情

今回オンラインとオフラインの2種類で日本語講座の説明会を各大学で実施しました。多いところでは200名以上の参加者に集まっていただき、日本で働く上でなぜ日本語が求められるのか、日本語授業を受講した際に平均してどれだけ成長が見込めるのかなどを伝えました。また、授業の全行程を修了した学生は来日型面接会のFAST OFFERに参加できる旨もご紹介しました。

学生からはFAST OFFERで募集される職種や、日々の勉強時間についての質問を多くいただきました。インドでは新卒であっても、大学で学んだ分野の職種に就くジョブ型採用が一般的ですが、一方の日本は新卒一括採用が一般的で、これらの企業では入社後ジョブローテーションが行われる企業も少なくありません。そのため質問に対して、日本でよく募集される職種について回答するとともに、日本の採用文化についても丁寧に伝えることで、学生が持つイメージとのギャップを減らすことに努めました。

学生からは「大学で学んだことを活かした仕事がしたい」や、逆に「学部のカテゴリー以外で働けるチャンスがあるのか」など様々な反応がありました。

インド学生の様子02

・学生の就活事情

説明会後に、日本語授業への参加方法や勉強方法などの質問を数多くいただき、日本就職に前向きな学生が多いと改めて感じました。
その理由について訪問した各大学の教授や関係者に聞いたところ、今まで卒業生が就職してきた欧米企業が外国人材の受け入れに消極的になってきており、学生の行き先が限られてしまっていることが要因になっている、とのことでした。

もちろん、一部の学生は未だに欧米で就職ができると考えていますが、現実を理解している学生にとって日本は数少ない候補地であり、福利厚生が整っている国と認識されています。しかしその反面、言語の壁がとても高いことも認識されているため、語学取得の勉強法について質問が上がったのだと改めて理解しました。

インド学生の様子01

・外国人材の募集が少ない土木関係

土木業界の日本企業様から土木関係の外国人材採用の打診をいただき、今回初めて関連する学部があるクマラサミー工科大学とサンジュバニ大学へ訪問しました。ASIA to JAPANでは土木関係の採用に携わるのは今回が初めてですが、大学側からは、日本企業からの募集はなかなかないため、今後就職先の候補地になるのであればと快く対応いただきました。

クマラサミー工科大学においては、今年の10月から日本語話者育成の特別プログラムを実施するための打ち合わせを進めてまいります。

・大学の価値を左右する大事なポイント

私立大学は教育機関としての面の他に、ビジネス(経営)としての面があります。ネームバリューがすでにある大学を除くと、運営するにはより多くの学生を集める必要があり、各大学が1人でも多くの学生を入学させるためPRを実施します。

大学の価値を上げる一つの判断材料、それが学生が就職する際に企業から提示された年収です。この年収が高ければ高いほど、優秀な学生を輩出しているという判断がされるのです。
現状日本企業が提示する額は、インド国内の多くの大学にとって非常に魅力的な金額であり、学生の日本就職を後押している要因にもなっています。

 

■日本語プログラム「All India(オール インド)」の8期目が始動!

ASIA to JAPANは就職支援の取り組みの一つとして、アジアを中心とした海外の理系学生の日本語話者育成を目的としたプログラムを開講しています。通常の講座は各大学の協力のもと、学生50名規模をベースにオフラインで個々に実施していますが、一部の国では大学全体(理系限定)を対象にした数百人規模のオンライン講座で育成を行なっています。

インドもオンライン講座「All India(オール インド)」を開講しており8月に8期目を迎えます。募集開始段階で800人以上の応募があり、最終的に1,071名と開講以来最多の応募をいただきました。このインド学生の反応からも、日本への注目が集まっていることがわかります。

 

■ASIA to JAPAN初の大学単位連動プロジェクトが始動

今回訪問したMIT世界平和大学には「半年間のインターンシップ」が単位カリキュラムの一つとしてあり、今回の訪問にてASIA to JAPANが学生の受け入れ先にならないか提案も行いました。
ASIA to JAPANは外国人学生支援の一環として、日本での就職を希望する外国人学生をインターンシップとして受け入れを行なっています。普段は数名規模ですが、今回の提案ではMIT世界平和大学から50名の受け入れを打診しました。受け入れた学生には語学勉強を中心に、日本企業の文化や知識を提供する独自の授業を用意することを検討しています。

FAST OFFERで日本企業への内定者を輩出した経験があるMIT世界平和大学側からは、過去の成功経験も後押しとしてとても前向きな反応をいただいており、実現するとASIA to JAPAN初のプロジェクトとなります。

来年7月ごろの実施を目指し、引き続き大学と細かい打ち合わせを進めて行きます。

 

■まとめ

今回はインドの学生事情などをご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
年々日本での就職を目指すインド学生が増えてきているように感じています。その理由は前述した通り欧米の対応が大きく関わっているからでしょう。優秀な人材が日本に目を向けている今が採用の狙い目だともいえます。

また土木関係の特別プログラムでもお伝えしましたが、ASIA to JAPANは理系人材採用以外にもお客様のご要望に寄り添った採用支援を行っています。

海外の高度人材採用へのご関心、また採用後から入社までの手続き方法など気になることがありましたら、お気軽にASIA to JAPANへお問い合わせください。

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