ASIA to JAPANは、7月28日、29日にインドネシアのバンドン工科大学(以下:ITB)で行われた就職イベント「ITB INTEGRATED CAREER DAYS JULY 2023」にオンライン参加をいたしました。 また、8月21日から24日の4日間にかけインドネシアの提携大学や新たに提携を行う大学に訪問し、日本語学習プログラムや就職支援強化について打ち合わせを行いました。
■ITBキャリアセンター主催「就活イベント」
ITBのキャリアセンターは年に2回、大規模な就活イベントを大学内にて実施しています。主な目的は、学生の就活支援であり、参加する企業とコミュニケーションをとることで、関係値の構築や企業に対する知見を深めることです。
インドネシアの就活事情
ASIA to JAPANが掲載する「インドネシア共和国 基本情報」に詳細を記載していますが、インドネシアの大学生は日本と異なり、卒業後に本格的な就職活動を行います。在学中は、学業に専念する習慣があること。そして、企業は新卒採用の専用枠を設けておらず、企業が採用を希望する枠が空き次第、順次採用が行われています。そのため、日本のように一斉に就活が始まるということはありません。一方で、学生の多くが在学中にインターンシップに参加しており、職場環境や最低限の労務を体験しています。
ITBとは?
ITBは、インドネシア初の技術系大学として1959年に設立され、国内の技術系大学のトップを誇る大学です。日本でいうところの東京工科大学にあたり、2万人を超えるインドネシアの優秀な理系学生が通っています。
ITB INTEGRATED CAREER DAYS JULY 2023とは
・イベント名
ITB INTEGRATED CAREER DAYS JULY 2023
・開催期間
2023年7月28日、29日
・参加対象者
ITBに通う学生インドネシア全土からオンラインで参加
※「Bandung Institute of Technology Chemistry」HPより
ITBのキャリアイベントは、インドネシア全土で影響力を発揮し、他校の理工系学生も同校の情報に注目しています。今回2日間実施されたITB INTEGRATED CAREER DAYS JULY 2023は、ITBのキャリアイベントの中でも一番規模が大きく、コロナ規制以降初めてのオフライン・オンラインのハイブリット開催となりました。連日好評で1日目が約1,000人、2日目が2,000人を超える学生が参加しました。
イベントでは、4つのブースで企業のプレゼンや製品展示などが行われました。インドネシアの企業はもちろんのこと、中国の大手企業、日本からはASIA to JAPANだけでなく、お声がけした半田重工業株式会社、株式会社ダイフクの3社が参加し、各企業が与えられた1時間の持ち時間内で、企業プレゼンや学生との質疑応答を行いました。
参加目的は「日本で働くきっかけ作り」
ASIA to JAPANは、例年ITBのキャリアセンターと連携し就職イベントに参加、もしくは主催として日本就職に特化したイベントの運営を行なってきました。今回は、キャリアセンターからお話をいただき初めて参加をしました。
「きっかけから、活躍まで」を企業ビジョンとして掲げているため、海外での就職に興味がある学生に向けて「日本で働くきっかけを提供したい」という思いで、ブース出展と1時間のプレゼンにのぞみました。
参加した学生の反応
プレゼンに参加した学生の多くが、日本での就職に前向きな意向を示していました。しかし一方で、日本語が理解できないため日本企業へのアプローチ方法がわからないであったり、そもそも日本での就職のイメージが掴みにくいだったりと、海外の学生が抱える悩みも多くあがりました。
■現地大学への訪問
8月21日から24日の4日間にかけ、インドネシアの提携大学や新たに提携を行う大学に訪問しました。
訪問大学と目的
今回は、提携するインドネシアの3つの大学を訪問しました。そのうち1大学については今後日本語講座の開講を予定している、新たな提携大学になります。
・訪問大学
バンドン工科大学(ITB)、インドネシア大学(以下:UI)、ガジャ・マダ大学(以下:UGM ※新規)
・訪問目的
日本語学習プログラムについて・日本での就職支援強化
ITBは、前述した通り技術系トップの大学です。UIは、1849年に設立されたインドネシアトップの歴史ある名門大学で、日本の東大的存在です。そして、新たに提携することになったUGMは、インドネシア最難関と呼ばれ18学部からなる国立大学です。
日本語学習プログラムについて
ASIA to JAPANは、アジアを中心に日本での就職を夢見る海外の学生に向けて、提携大学に通う理工系の3年生を対象に無料の日本語講座を開講しています。その開講期間は大学によって異なりますが、大体1年から1年半の間でプログラムを組みます。
そして、この日本語講座に参加した学生は、ASIA to JAPANが開催する就活マッチングイベント「FAST OFFER」にて、日本の企業への紹介を受ける資格を持つことができます。
新たに上がった学生の悩み
今回訪問したITBやUIは、2018年からプログラムが開始しており、今年で6年目を迎えました。この2校に関しては、現状のプログラムの改善点について、各校のキャリアセンターや関係する学部関係者と打ち合わせを行いました。
主な改善点としてあがった意見が、「プログラム実行途中で興味を持ち参加を希望する学生が多くいる」というものでした。
日本語学習プログラムの開始時期は、年に1回のみで途中からの参加ができません。そのため、実施期間中に新規で参加を希望する学生がいても、受け入れることできないという問題が発生していることがわかりました。そのため、来期よりプログラムを半年ごとに分け、参加できる機会を増やせないかなど、対応案を検討しました。
新たな取り組み
ITBやIUと同様に、新たに日本語講座の開講を予定しているのがUGMです。今回は、UGMの就職担当者と開講するプログラムについて基本合意を交わしました。今後の予定として、2024年の開講に向けて、講師の募集、実施プログラムの内容決定、生徒の募集を進めます。
日本での就職支援強化
インドネシア内の提携大学で、海外就職を目指す学生の多くがシンガポールやマレーシアで就職しています。その中で実は、「モノづくりの技術」や「安定した雇用」などの面で、高い評価がある日本への就職希望者も多くいます。
しかし、多くの学生が日本企業への就職方法がわからず、機会を損失しているのが現状です。そのため、ASIA to JAPANでは日本就職を望む学生に向けて、日本の就活事情を伝えるガイダンスや、セミナー、日本語プログラムなど継続した情報と機会の提供を行っています。また、ITB INTEGRATED CAREER DAYS JULY 2023のような、大学で行われる就活イベントに積極的に参加をして、情報共有を実施しています。
実施する大きな目的として、「日本の就活事情は、自国と異なる」ということを認識してもらうことです。通常は、提携大学のキャリアセンターや対象学部関係者、そして学生に向けて実施しますが、今回はキャリアセンターと関係者のみに対して日本の就活事情を伝えました。
■日本での就職を志すインドネシアの学生
日本語学習プログラムに参加する学生の大半は、日本語の知識がほとんどない状態で講義に挑みます。インドネシアの一部の高校では、第二言語で日本語を学ぶことがありますが、参加者の中で日本語を理解できる学生は、ほんの一握りだけです。しかし、プログラム終了時点では、レベルに差があるものの、ほとんどの学生が日本語検定を保有しています。
全くの日本語初心者から、日本語を理解できる、日常会話なら問題なくできるレベルまで研鑽を積む学生が、努力を惜しみません。
そして、最後までプログラムをやり抜き、実力をつけた学生のみが「FAST OFFER」で日本の企業と繋がることができます。
■担当者が語るインドネシア学生の魅力とは
今回、長年インドネシアを担当しており、今回の大学訪問を行ったマーケティング&セールス部の河合に、提携する学生について伺いました。「多くの学生は、セメスター(半期)もしくは夏休みの2〜3ヶ月を使ったインターシップの経験があります。実務経験にはならないかもしれませんが、仕事に従事する経験を持っているというのは強みかなと思います。また、大学によってはインターンシップ自体が単位として認定されるので、学生は現地の企業だけでなく、オンラインを利用し海外の企業なども候補に入れて、積極的にインターンシップ先を見つける努力をしています。」と、学生の「仕事」への対応力や、目的に対して努力を惜しまない姿勢が日本の企業にオススメできる一つの要因にあげられました。
また学生の特徴については、「何に対しても、結構一生懸命頑張っているというところだとか、人に対する優しさ・謙虚さだけでなく人なつっこさのようなところがあるので、日本の組織に入っても、すぐに打ち解ける学生がすごく多いというところがあります。」と、日本の企業との親和性も感じるとのことでした。
■まとめ
インドネシアで提携する3校は、国内でもトップを誇るはハイレベル大学です。その中でも、日本語に精通した優秀な理系学生がASIA to JAPANと繋がっています。
外国人学生の採用についてお困りの方は、気兼ねなくお問い合わせください。