【2026年版】中国の平均年収|IT人材は日本より高給?採用前に知りたい給与事情

2025年の中国の都市部(非私営単位)の平均年収は129,441元、日本円で約305万円です。中国国家統計局が2026年5月に発表しました。民間企業(私営単位)に限ると71,590元(約169万円)で、勤務先の種類によって大きな差があります。

本記事では、国家統計局・教育部など中国の公的機関と、日本の国税庁が発表した最新データをもとに、中国の給与事情を業種・地域・職種別に整理します。

※中国通貨:CNY(中国人民元)。1元=約23.6円で換算(中国外貨取引センターが2026年10月14日に公表した人民元対円の基準値「100円=4.2412元」をもとに算出)。

中国の平均年収は約305万円(2025年)

国家統計局は都市部の賃金を「非私営単位」と「私営単位」に分けて公表しています。非私営単位は国有企業・公的機関・株式会社・外資系企業など、私営単位は個人が出資する中小の民間企業が中心です。

区分 平均年収(元) 円換算 前年比(名目)
都市部 非私営単位 129,441 約305万円 +4.3%
規模以上企業(全職種平均) 106,080 約250万円 +3.5%
都市部 私営単位 71,590 約169万円 +3.0%

出典:国家統計局「2025年城鎮単位就業人員年平均工資情況」(2026年5月15日)

どちらも伸び率は前年(2024年)より拡大しました。ただし私営単位は非私営単位の約5割の水準で、この差は縮まっていません。

職種別:管理職は約495万円

規模以上企業(一定規模以上の企業)については、職種別の平均も公表されています。エンジニアなどの専門技術者は約367万円で、前年比5.0%増と伸びが目立ちます。

職種 平均年収(元) 円換算
中間管理職以上 210,016 約495万円
専門技術者 155,491 約367万円
事務職 94,936 約224万円
製造関連職 80,739 約190万円
サービス職 79,857 約188万円

業種別:IT業が約587万円でトップ

情報通信・ソフトウェア・IT業の平均年収は248,752元(約587万円)で、全業種平均の約1.9倍です。金融業(約498万円)、科学研究・技術サービス業(約429万円)が続き、理系人材が活躍する業種が上位を占めます。一方、不動産業は前年比−2.4%と減少しました。

順位 業種 平均年収(元) 円換算
1 情報通信・ソフトウェア・IT 248,752 約587万円
2 金融 211,164 約498万円
3 科学研究・技術サービス 182,064 約429万円
4 電力・ガス・水道 160,897 約379万円
5 医療・福祉 146,266 約345万円
6 鉱業 143,361 約338万円
7 卸売・小売 135,749 約320万円
8 運輸・倉庫・郵便 133,981 約316万円
9 教育 133,539 約315万円
10 文化・スポーツ・娯楽 129,447 約305万円
11 公務・社会保障 119,465 約282万円
12 製造 113,594 約268万円
13 リース・ビジネスサービス 110,162 約260万円
14 建設 92,036 約217万円
15 不動産 89,679 約211万円
16 農林水産 74,424 約175万円
17 生活サービス・修理 70,226 約166万円
18 水利・環境・公共施設 70,172 約165万円
19 宿泊・飲食 62,461 約147万円

出典:国家統計局(都市部・非私営単位、2025年)

民間企業(私営単位)でもIT業は128,166元(約302万円)と高水準ですが、首位は金融業の140,451元(約331万円)です。さらに規模以上企業のIT業では、専門技術者が275,504元(約650万円)、中間管理職以上が472,496元(約1,114万円)に達します。

地域別:東部沿岸部が最も高い

北京・上海・広東などを含む東部地域は、非私営単位で約353万円と他地域を大きく上回ります。一方で、伸び率は東北地域(+5.0%)が最も高くなりました。

地域 非私営単位(元) 円換算 私営単位(元) 円換算
東部 149,902 約353万円 80,149 約189万円
西部 114,989 約271万円 60,923 約144万円
東北 103,803 約245万円 54,430 約128万円
中部 102,645 約242万円 58,627 約138万円

出典:国家統計局(表1・表4)

都市単位ではさらに差が開きます。たとえばIT企業が集まる深圳市の2025年の非私営単位の平均年収は191,367元(約451万円)で、全国平均の約1.5倍です(深圳市統計局、2026年7月24日公表)。

国民全体で見ると:1人当たり可処分所得は約102万円

上記の平均年収は「都市部で企業などに勤める人」が対象です。農村部や自営業者を含む国民全体では、2025年の1人当たり可処分所得は43,377元(約102万円、名目+5.0%)です。

区分 平均(元) 円換算 中央値(元)
全国 43,377 約102万円 36,231
都市部住民 56,502 約133万円 51,115
農村部住民 24,456 約58万円 20,711

出典:国家統計局「2025年居民収入和消費支出情況」(2026年1月19日)

※可処分所得は税金・社会保険料を差し引いた手取りで、扶養家族も含めた1人当たりの値です。年収とは定義が異なります。都市部と農村部の差は約2.3倍です。

大卒者・若年層の雇用環境

2026年卒の大学・専科卒業生は約1,270万人で、前年から48万人増え過去最多となりました(教育部発表)。卒業生が増え続けるなか、若年層の就職は厳しい状況が続いています。

年齢層(都市部・在学生除く) 失業率(2026年9月) 前月比
16〜24歳 18.0% −0.9ポイント
25〜29歳 7.4% −0.1ポイント
30〜59歳 3.9% 横ばい

出典:国家統計局「2026年9月分 年齢別失業率」(2026年10月21日公表、新浪財経の報道より)

国家統計局は、16〜24歳の失業率が7・8月に卒業シーズンで一時上昇し、9月には就職が進んで低下したと説明しています。また、情報通信・ソフトウェア・ITサービス業の就業者は大きく増加しているとしています(国家統計局「前三季度就業形勢」)。理系人材への需要は引き続き強い一方、若手全体では就職競争が激しいといえます。

日本との比較:平均では日本の約6割、IT専門職では日本を上回る

日本の給与所得者の平均給与は487万円、正社員に限ると559万円です(国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」、2026年9月公表)。中国の都市部非私営単位の約305万円は、日本の平均の約6割にあたります。

比較対象 年収(円換算)
中国 規模以上企業 IT業の専門技術者 約650万円
日本 正社員の平均 559万円
日本 給与所得者の平均 487万円
中国 都市部 非私営単位の平均 約305万円
中国 都市部 私営単位の平均 約169万円

ただし、IT業の専門技術者(275,504元)は日本の正社員平均を上回ります。優秀な中国人理系人材を採用する場合、「中国は給与水準が低い」という前提は当てはまらない点に注意が必要です。

※中国と日本では統計の対象・定義が異なり、為替の影響も受けるため、比較は目安です。物価水準(購買力)の違いも考慮していません。

まとめ

  • 中国の都市部の平均年収は約305万円(非私営単位)。民間の中小企業が中心の私営単位は約169万円と、勤務先による差が大きい
  • 業種別ではIT業が約587万円で最も高く、全業種平均の約1.9倍
  • 地域別では東部沿岸部が高く、深圳市は約451万円
  • 2026年卒の大卒者は約1,270万人で過去最多。16〜24歳の失業率は18.0%(2026年9月)と高水準

中国の理系人材は、本国のIT業で日本以上の給与を得られる一方、若年層の就職競争は激しくなっています。日本企業にとっては、給与だけでなく、キャリア形成や働きやすさも合わせて訴求することが採用のポイントになります。

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