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2022年6月9日、2023年度版のQS世界大学ランキングが高等教育評価機関の英国クアクアレリ・シモンズ(Quacquarelli Symonds:QS)より発表されました。ASIA to JAPANでは、各国・地域のランクイン傾向やアジア及び日本の大学の位置づけについて分析を行いました。

QS世界大学ランキングとは?

世界中の14,000もの大学を対象として、毎春、順位付けを行い発表している世界で最も規模の大きな大学ランキングの1つ。世界中の学生の大学選びの際の重要な参考資料としても使われています。

各大学の順位は、Academic reputation(学界での評判)Employer reputation(ビジネス界での評判)Faculty/student ratio(教員対学生の比率)Citations per faculty(教員数に対する論文被引用数)International student ratio & International faculty ratio(留学生比率外国人教員比率の6つの指標を元に付けられています。

また、順位付けに直接影響はありませんが、QS世界大学ランキングは各大学がどれほど「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に対して取り組みを行っているのか、持続的な社会の構成に貢献しているのか、も発表しています。

2023年上位40校と過去順位

1位マサチューセッツ工科大学(MIT)2位ケンブリッジ大学3位スタンフォード大学4位オックスフォード大学5位ハーバード大学

2023年度の上位40位内にランクインした大学におけるアジア圏の大学の占める割合はおよそ28%でした。そのうち、シンガポール国立大学(シンガポール)、北京大学(中国)、清華大学(中国)、南洋理工大学(シンガポール)の4校は上位20位内に位置づけられています。

 

国・地域別ランクイン数

国・地域別では1位アメリカ、2位イギリス、3位オーストラリア、4位中国、5位韓国、6位日本、7位香港

上位100位内の国・地域別のランクイン数を比較すると圧倒的に多いのは、アメリカとイギリスの大学でした。また、中国、韓国、日本、香港の大学も一定のプレゼンスが本ランキング内にあることが分かります。

上位40校までの分野別比較

 

総合評価1位イギリス、2位スイス、3位シンガポール、4位アメリカ、5位中国

QS世界大学ランキング上位40位内の各国・地域の大学を対象に、各評価基準別の平均値もまとめました。「学界での評判」「ビジネス界での評判」はどの国・地域も大きな差はなく全体平均値が90を超えています。

注目するべき点は、香港とシンガポールを除くアジア圏の大学における「留学生比率」「外国人教員比率」の低さ。全体平均値がどちらの項目も70を超えているのに対して、中国、韓国、日本からランクインした大学の平均値は70を大きく下回っているのがわかります。

このことから、他国・地域の大学との差を縮め、アジア圏からランクインする校数を増加させ競争率を高めるためにはやはり国際性の強化が欠かせないでしょう。

 

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