インドの理工系学生を、日本語で面接して、現地で採用する。2026年10月、インド・プネで初開催した採用イベントに日本企業10社が参加し、14名が内定しました。内定者の約8割は、日本語で面接ができるレベルです。
本記事では、日本経済新聞社が主催し、ASIA to JAPANが協力した「NIKKEI GLOBAL RECRUITING FORUM in PUNE 2026(NGRF in PUNE)」の実施内容と結果を、数字とともに紹介します。「理系の外国人を採用したいが、日本語が不安」「インド採用に興味はあるが、何から始めればよいか分からない」という経営者・人事責任者の方に向けた内容です。
なぜ今、「日本語ができるインドの理系人材」なのか
機械・電気・電子・情報・土木といった理系職種は、国内の新卒採用だけでは必要な人数を確保しにくくなっています。そこで外国籍の理系人材に目を向ける企業が増えていますが、多くの企業が同じ壁にぶつかります。それは「現場で日本語が通じるか」という不安です。
インドは理工系の大学が多く、エンジニアを目指す学生の層が厚い国です。一方で、これまでのインド採用は「英語で採用し、入社後に日本語を教える」形が中心でした。この形では、配属先の現場との意思疎通に時間がかかり、受け入れのハードルが上がります。
NGRF in PUNEは、この順番を逆にしました。在学中に大学の単位として日本語を学んだ学生を対象に、日本語で面接し、採用する。入社後に日本語を後から身につけるのではなく、日本語を前提とした採用です。大学で理工系を専攻した学生が専攻を生かした技術職に就く場合は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の対象となり、日本人の新卒と同様に技術職として迎えられます。
実施概要:現地5日間で、説明会から内定式まで
2026年10月11日から17日まで、インド西部の工業都市プネで開催しました。日本語クラスの見学から内定式までを、現地5日間で一気に進めたのが特徴です。

会場に掲げたNIKKEI GLOBAL RECRUITING FORUM in PUNEのバナー
| 名称 | NIKKEI GLOBAL RECRUITING FORUM in PUNE 2026 |
| 会期 | 2026年10月11日〜17日(現地5日間) |
| 主催 | 日本経済新聞社 人財・教育事業ユニット(協力:ASIA to JAPAN、日本語教育:AtoJ Hirameki) |
| 対象学生 | 大学の単位認定型の日本語特訓を受けた理工系学生 129名(2027年卒業予定が中心) |
| 対象大学 | AISSMS College of Engineering、VIT Pune Vishwakarma Institute of Technology、SANJIVANI INSTITUTE OF TECHNOLOGY、YASHODA INSTITUTE OF TECHNOLOGY、CIT (CHENNAI INSTITUTE OF TECHNOLOGY)の5校 |
| 学生の専攻 | 機械42名、電子通信38名、電気16名、情報15名、土木7名 ほか |
| 参加企業 | 10社(面接参加6社、視察+面談2社、視察2社) |
| 参加企業の業種 | 電気設備工事、空調設備、エネルギー機器、環境・プラントエンジニアリング、地方銀行、物流、総合電機、工作機械 ほか |
行程は次の4ステップです。
1. 日本語クラスの見学:学生が実際に日本語を学ぶ授業を企業が見学
2. 大学訪問・会社説明会:企業が各大学を訪れ、学生に直接説明
3. 面接会:対面で実施し、必要に応じて通訳が付く
4. 内定式・合同懇親会:内定者と企業が現地で顔を合わせる
結果:14名が内定、採用見込みは16名
日本語を学んだ理工系学生129名のうち73名が面接に進み(面接は延べ112件)、6社で14名が内定しました。視察で参加した企業でも2名が最終面接に進んでおり、採用見込みは合計16名です。
面接に進む学生は、企業の求める専攻・日本語力・日本語講師の評価をもとに推薦しました。内定者の専攻は、電気6名、機械3名、電子通信3名、情報1名、設計1名です。
内定者の約8割が「日本語で面接できる」レベル
NGRF in PUNEでは、学生の日本語力を5段階で評価しています。内定者14名のうち11名が、日本語で面接ができるBランクでした。
| 日本語ランク | 目安 | 内定者 |
|---|---|---|
| A | スムーズな会話可 | 0名 |
| B | ほぼ日本語で面接可 | 11名 |
| C | 日本語と英語が半々 | 3名 |
| D | 簡単な会話は可能 | 0名 |
| E | 日本語は話せません | 0名 |
内定者は2027年の卒業まで日本語の学習を続け、入社時にはさらに力を伸ばした状態で来日します。
インド採用を成功させた3つのポイント
1. 日本語は「入社後」ではなく「在学中」に学ぶ
対象の学生は、大学の正規の授業として日本語特訓を受けています。単位が認定されるため、学生は本気で取り組み、企業は面接の時点で日本語力を確かめられます。母集団129名のうち63名が、ほぼ日本語で面接ができるBランク以上に達していました。Cランクの学生も、専攻や日本語講師の評価をもとに面接へ推薦しています。

現地で課題に取り組む学生たち
2. 企業が現地に行き、自分の目で確かめる
書類やオンライン面接だけでは、学生の人柄や学ぶ姿勢は伝わりにくいものです。今回は企業が日本語の授業を見学し、大学を訪ね、対面で面接しました。日本語で面接できない場面には通訳が付くため、技術的な質問も深く掘り下げられます。
3. 1回で終わらず、毎年の採用ルートにする
参加企業のうち2社は、過去にプネで採用した社員の現地研修もあわせて行いました。採用した社員が後輩の採用や育成を支え、次の年の採用につながる。インド採用を一度きりの挑戦ではなく、毎年続けられる採用手法にしていくことが、この取り組みの目的です。
こうした採用を支えているのが、ASIA to JAPANがプネに置く現地法人です。大学との連携、日本語教育、学生の推薦までを現地で一貫して担っています。
2027年、第2回の開催が決定
会期中に、2027年の第2回開催が決まりました。テーマは「インド採用を、継続的な採用チャネルへ」です。2027年4月の開催を予定しており、詳しい日程と参加条件は開催報告会でご案内します。
第2回で予定している主な変更点は次のとおりです。
- 対象大学を6校に拡大(南インド・コインバトールの大学を追加予定)
- 内定後も80時間の日本語学習を実施し、入社までに日本語力をさらに高める
- 日本国内での内定式を実施し、入社前から企業との関係をつくる
よくある質問
Q. 内定した学生は、どのくらい日本語が話せますか。
A. 内定者14名のうち11名が、日本語で面接ができるBランクです。残る3名も、日本語と英語を半々で使うCランクでした。卒業まで日本語の学習を続けてから入社します。
Q. どのような専攻の学生を採用できますか。
A. 機械、電気、電子通信、情報、土木などの理工系です。今回の内定者は、電気6名、機械3名、電子通信3名、情報1名、設計1名でした。
Q. 就労ビザはどうなりますか。
A. 大学で理工系を専攻した学生が、専攻を生かした技術職に就く場合、在留資格「技術・人文知識・国際業務」の対象となります。手続きについてもASIA to JAPANがご案内します。
Q. 外国人採用が初めてでも参加できますか。
A. 参加できます。ASIA to JAPANは、アジアの理系人材と日本企業をつなぐ「Fast Offer」を運営し、これまでに2,000名以上の内定を支援してきました。採用要件の整理から受け入れ準備まで、一緒に進めます。
Q. 入社はいつになりますか。
A. 今回の内定者は、2027年に大学を卒業する予定の学生が中心です。卒業後に来日し、入社します。
開催報告会のご案内(参加無料)
NGRF in PUNEの結果と、インド採用の進め方をくわしくお伝えする開催報告会を、大阪と東京で開催します。実際に面接に参加した企業の担当者が登壇し、採用の体験談やパネルディスカッションを行います。第2回の参加案内もこの場で行います。
参加無料|各会場30名(1社2名まで)
NGRF in PUNE 開催報告会
大阪
2026年10月29日(木)14:00〜16:00
日本経済新聞社 大阪本社
申込締切:10月27日(火)
東京
2026年11月4日(水)14:00〜16:00
日本経済新聞社 東京本社
申込締切:11月2日(月)
対象:経営者、役員、人事部門の役職者、現場部門の責任者
開催報告会に申し込む(無料)申込多数の場合は、締切前に受付を終了することがあります。
インド採用について個別に相談したい方へ
「日本語ができる理系の外国人を採用したい」「インド採用を検討している」という企業の方は、お気軽にご相談ください。
メールで相談する お電話の方:03-5834-3403※参加企業名は伏せ、業種のみ記載しています。数値は2026年10月19日時点です。