ミャンマーの平均年収|果たして賃金はアジア最低水準なのか?ミャンマーの給与事情とは
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近年、国軍によるクーデターもあり、情勢が未だ安定していないミャンマーですが、経済の面でいうとASEANのなかでも低い生活水準であると言われています。
一方で、発展途上国と言われつつも、現在右肩上がりで経済成長を続けています。今回は、ミャンマーの平均月収、新卒者の初任給、そして部門ごとの給与事情について詳しく見ていきましょう。
※ミャンマー通貨:MMK(ミャンマーチャット)※100MMK:約7円(2023年5月時点でのレートで換算)
【ミャンマーの平均月収と年収】
ミャンマーでは年収の概念が日本ほどないため、一般的な月収でと12ヶ月分で単純計算した年収を紹介いたします。ミャンマーの平均月収は、479,000 MMK (約3万円)。平均年収は、約5,748,000MMK(約38万円)です。あくまで平均のため、金額差に上下はありますが、厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、日本人の平均月収は33万4,800円と公表されているため、大変月収が低いことがわかります。
国全体として、未だ低賃金となっているのは大きく2つの理由があります。それは、今まで大国から経済制裁を受けていたということ。そして、急激な人件費高騰の影響で会社運営が厳しくなり失業者を増やす懸念があるため、安易に動くことができないということです。
ミャンマーの都市部でも、月1万円があればなんとか暮らすことができると言われますが、収入と支出がほぼ変わらないため、多くの人が貯金をしていないそうです。
そのため、国内ではなく海外へ出稼ぎに行く人も少なくありません。
国民性としても、勤勉かつ就労意欲が高い傾向にあるため、企業としては大きなメリットとなる人材になるでしょう。
【新卒の初任給】
ミャンマーの新卒・第2新卒の初任給は約250,000MMK(約1.6万円)と言われています。また、都市部と地方で金額差はあるそうで、その差は約50,000MMK(約3千円)です。日本円として見てみると、大差がないように感じますが、ローカルの食堂だと1食150円〜200円かかるミャンマーでは、単純計算で15食分も差があることになります。
近年では、各国からの企業進出の影響もあり、IT技術などのスキルのある人材や外国語の能力がある人が給与面で優遇されている傾向にあります。
低賃金労働者を求める外資企業は、人材の囲い込みを行うため、給与面では国内企業よりも好条件で働けるためです。雇用主が給与未払いであったり、最低賃金遵守されないことが多い国内企業に比べ、収入が安定している外資系企業は、ミャンマー人にとって安定した道と言えるでしょう。
【部門ごとの給与事情】
部門別 | 平均月収(MMK) |
企業経営(管理業) | 941,334 |
情報技術 | 756,065 |
法律関連 | 605,378 |
金融業 | 584,146 |
PR | 539,182 |
人事関連 | 533,983 |
建設業・不動産業 | 529,698 |
鉱業 | 512,218 |
会計業 | 499,258 |
電気関連 | 496,438 |
保険業 | 495,933 |
化学工業 | 481,442 |
自動車産業 | 474,821 |
機械工学関連 | 469,943 |
商業 | 461,332 |
製造業 | 435,655 |
メディア関連 | 434,693 |
管理業 | 432,908 |
教育関連 | 426,771 |
医療・社会福祉関連 | 423,906 |
カスタマーサポート業 | 419,242 |
芸術業 | 416,976 |
農業・食品産業 | 376,380 |
※参考:PAYLAB(Myanmar Salaries on positions)
上記の一覧を見るとわかるのが、最高平均月収を出している企業経営部門の941,334MMK(約6.2万円)に比べ、下部に位置する農業・食品産業の376,380MMK(約2.5万円)では1/3の月収だということがわかります。もちろん、実際は企業ごと役職ごとで上下に差がありますが、働く部門によって格差が広がっています。
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【まとめ】
ミャンマーはアジアの中でも賃金が低いということがわかりました。経済成長が行われているとしても、賃金の大幅上昇が行われるのはまだ先となるでしょう。しかし、勤勉かつ働くことに意欲を示す国民性は、人材としてとても重宝されると思います。外務省が公表するミャンマーの情報で、2022年度では47,965人のミャンマー人が日本に住んでいることわかっています。そのうち約5,956人が特定技能を取得しています。もともと親日国でもあり親和性のある国民柄でもあるため、日本での就職も選択肢としてあげられるでしょう。
また、この記事をご覧になって頂いた方の中には、ミャンマーの人材を採用するために、平均年収を調査していた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
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(脚注)
・(参考)salary explore(Average Salary in Myanmar 2023)
・(参考)WORLD SALARIES(Average Salary in Myanmar for 2023)
・(参考)外務省(ミャンマー基礎データ)
・(参考)出入国在留管理庁(特定技能在留外国人数)