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フィリピンの平均年収|GDPの約6割がサービス業を担う、フィリピンの給与事情とは?

目次

フィリピンの平均年収|GDPの約6割がサービス業を担う、フィリピンの給与事情とは?

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外務省が公表する基礎データによると、国内GDPの割合のうち約6割がサービス業を営むフィリピン。実はこの国、日本の約8割の国土を有しているのですが、意外と知られていないのが、日本人でも観光スポットとして有名なセブ島や、首都マニラがあるルソン島など、全部で7,641の島からなる日本同様の島国なのです。
今回はこのフィリピンの、平均年収、新卒者の初任給、そして業界ごとの給与事情について詳しく見ていきましょう。

 

【フィリピンの平均年収と平均月収 

※フィリピン通貨:PHP(ペソ)※1PHP:約2.5円(2023年6月時点でのレートで換算)

Salary Explorer」によるとフィリピンの平均年収は、535,800PHP(約138万円)で、現在の日本の平均年収が443万円なのでおおよそ1/3ほどの年収です。
平均月収は、高収入帯と低収入帯で差が開きますが、中央値で言うと約44,600PHP(約11万円)とこちらも日本の平均月収の1/3ほどです。
給与は主に、スキルと経験値によって決まり、個人の能力が高いほど給与も高くなる傾向にあり、その中でも3つの特徴があります。

・あらゆる業界や分野において、2~5年の経験を持つ従業員は、初級レベルや若手の従業員よりも平均して32%高い収入を得ている
・5年以上の経験を持つ人は、経験年数が5年未満の人よりも平均36%多くの収入を得ている
・10年勤務すると給与は21%増加し、15年以上勤務するとさらに14%増加する

一見、勤務年数によって判断されているようにも見えますが、フィリピンでは実績や経験、持っているスキルによって評価が変わり、収入にも影響を受けます。
フィリピンの物価ですが、ティッシュや歯磨き粉、石鹸などの生活用品は日本とそれほど変わりません。ドリンクや食材は、日本と比べて1/3〜1/5ほどの価格で購入することが出来ます。また、日々の移動手段として利用されるトライシクル(サイドカー付きのバイク)や、ジプニー(バスのようなもの)は、距離にもよりますが大体8PHP(約19円)ととても安いです。

家賃を含めると居住する地域によって差が出ますが、月にかかる費用は大体10万円前後となるため、平均月収でも最低限の生活を送ることが可能ということがわかります。

 

【新卒の初任給 

フィリピンの大卒初任給は、どこの大学を出たのか?どれだけの成績を収めたのかによって金額が変わります。東大的存在の国立フィリピン大学を卒業した学生の場合、初任給の平均は約20,000PHP(約5万円)なのに対し、一般的な大学を普通の成績で卒業した学生の場合は、平均10,000PHP(約2.5万円)と半分もの差があります。この金額を日割りすると、1日の最低保証賃金である400PHP(約1千円)となります。業界や地域によって価格に変動があるため、あくまでも参考程度にはなりますが、フィリピンの学生にとって良い大学に入ることは将来を考えて必要不可欠な選択肢であることがわかります。
しかし、大学に通うことも簡単ではなく、学費を払うことが出来ないということで諦める人も多いそうです。事実、大学進学率は30%と低く、ここでも貧富の差が影響を及ぼしています。

 

【業界ごとの給与事情

※左列より年収が高い順に記載

部門別 平均年収(PHP) 部門別 平均年収(PHP)
健康と医療 782,507 メディア / 放送 / 芸術 / エンターテイメント 482,449
経営陣と経営陣 710,894 出版と印刷 476,362
製薬およびバイオテクノロジー 706,067 石油/ガス/エネルギー/鉱業 470,770
科学および技術サービス 701,486 電気通信 460,765
法的 635,429 エンジニアリング 440,991
不動産 596,914 フィットネス / ヘア / ビューティー 432,741
マーケティング 586,676 インポートとエクスポート 429,527
カウンセリング 580,871 ファッションとアパレル 429,268
販売 小売および卸売 572,523 レクリエーションとスポーツ 427,876
銀行業 569,554 ペットケア 425,206
政府と防衛 567,071 法執行/警備/消防 419,296
事業計画 561,267 写真 409,400
教育・教育 554,253 介護・育児 399,241
環境 552,057 工場と製造 358,205
会計と財務 538,796 カスタマーサービスとコールセンター 357,977
航空会社 / 航空 / 航空宇宙 / 防衛 535,894 自動車 341,058
バイリンガル 528,514 設備・メンテナンス・修理 339,343
広報 526,371 電気・電子貿易 333,272
情報技術 526,014 募金と非営利 328,053
保険 522,227 園芸・農作業・釣り 315,257
倉庫・バイヤー 509,400 事務・受付・秘書 311,260
人事 495,554 建設・建築・設置 309,769
広告 / グラフィックデザイン / イベント 495,077 宅配便 / 配達 / 運送 / ドライバー 205,459
品質管理とコンプライアンス 485,860 掃除とハウスキーピング 189,479
建築 484,755

※参考:WORLD SALARIES(Average Salary in Philippines for 2023)

上記を見ると、フィリピンでは、医療関連や科学技術など知識や技術を持った職業が収入が高い傾向にあり、宅配や掃除、建設など肉体労働をメインとした職種は、低い給与しか得ることが出来ません。年収最上位と最下位の差は、593,028PHP(約148万円)です。前述した通り、トップの大学に通いしっかりと成績を収めることが、卒業後の人生に大きな影響を与えるという点で重要だということがわかります。

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【まとめ 

フィリピンの平均給与は日本の給与に比べて1/3ほどと差がありますが、物価を考慮すると日本での生活に対しての平均給与とさほど変わらないでしょう。しかし、もらえる年収は経験値もさることながら、学歴が大きく影響が出るということで、もらえる給与の差が縮まるまでまだ時間がかかるでしょう。

また、この記事をご覧になって頂いた方の中には、フィリピンの人材を採用するために、平均年収を調査していた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
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(脚注)
・(参考)WORLD SALARIES
・(参考)Outsource Accelerator
・(参考)Glolea Cebu

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