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海外採用人事5名に聞きました!外国籍社員を採用する理由、面接で見るポイントとは?

目次

ASIA to JAPANは2023年9月、世界のトップ大学の学生を東京へ招き日本企業との面接会FAST OFFERを開催しました。

9月27日には面接の見学会を開催し、海外採用を検討されている企業様に面接会の様子をご覧いただきました。

見学会と同日、既に海外採用を行う企業の人事担当者様5名とパネルディスカッションを行い外国籍社員を迎え入れる企業様の本音を教えていただきました。

▼パネルディスカッションのトピック
・外国籍社員を採用する理由
・海外の学生を見るときに重きを置いていること
・海外採用の面接をしていて感じる日本と海外の学生の違い
・外国籍社員の今後のキャリア形成について検討していること

▼ご登壇いただいた企業様
・アジアクエスト株式会社様
・株式会社ダイフク様
・半田重工業株式会社様
・日置電機株式会社様
・株式会社デンソーエスアイ様

本記事ではパネルディスカッションで挙がった海外採用に関するリアルなお声をご紹介します。

 

次回のFAST OFFER来日型面接会は12月開催を予定しています。

海外採用にご興味のある企業様は、ぜひお気軽にご相談ください!

 

外国籍社員を採用する理由

初めに各企業様が外国籍社員の採用を始めたきっかけを伺いました。
主な理由は
① 企業様の事業がグローバル化していること
② 日本国内の理系人材が不足していること
少子高齢化が進む日本では、学生の数が減り特に理系の学生は採用競争率が高い状況が続いています。多くの企業様が、同じ状況に直面されているのではないでしょうか。

▼参加企業様の声

・たまたま日本での採用ルートから入社した韓国出身の社員が非常に良かったので本格的に外国籍社員採用を始めるきっかけになった。コミュニケーションの取り方や物怖じしない性格でうまく異文化にも慣れていける点が良かった。

・海外にいくつかある現地法人とのやりとりや、増えている東南アジアのお客様に対し言語や文化を知ったうえで直接やりとりできるところが非常に助かっている。技術レベルが高い学生がたくさんいるのでFAST OFFERを利用させていただいている。

理系の日本人学生が採用できなくなってしまったから。会社として新規事業に注力していくことが決まり、これまで1名採用できれば良かったところ最低5〜6名、できれば10名採用したいという状況になった。理系の学生がいないことを社長に報告したところ、「日本人にこだわらない」ということで海外採用のルートを探し始めた。
また、初めて海外から採用した女性の社員が、向上心があり周りの人にも親切だったため、その方の成功事例を受けてさらに海外採用に力を入れたいということになった。

・近年グローバル化を進めており、海外売上比率70%を目指している。目標を達成するために多様な人材が必要。海外顧客のニーズを一番理解しているのは外国籍の方なので、外国籍人材を増やして提供する顧客の人数に対応できるようにしている。インド、インドネシア、マレーシア、ベトナム、タイの学生の採用実績がある。

日本の理系学生の採用母数が減ってきたことがきっかけ。最近の国内学生はチャレンジングなことをやっていこうという方は減少傾向に感じる。一方で、わざわざ海外の大学から日本の企業に就職したいというチャレンジングな学生がFAST OFFERには多いと感じている。また、愛知では理系学生の採用獲得競争率が高く危機感があった。

 

海外の学生を見るときに重きを置いていること

これから海外採用を始める企業様にとって、どの判断基準で海外の学生を見極めれば良いのかは気になるポイントです。

すでに外国籍社員を迎え入れている企業の人事担当者様は日本の新卒採用と同じ基準で海外の学生を見つつも
・チャレンジ精神
・研究内容
・何がやりたいのか
などを重視しています。

背景には、外国籍社員の入社で社内に新しい風が吹くことを期待し、長い目では外国籍社員に定着してほしいという思いがあります。

▼参加企業様の声

・日本の学生と変わらない基準ももちろんあるが、チャレンジングな人であるかはしっかり見ているポイント。何をやってきたか、どういうことに普段時間を使っているか、これまでの小学校から大学まで長いスパンでどういうものに熱中してきたかの話を聞いて、随所で出てくるものやワード、話している時の雰囲気を見るようにしている。楽しそうに話すのか、逆に大変そうに話すのか等、性格面をよく見ている。オンラインでも見ることができるが、対面の面接ではより分かりやすい。

パーソナリティは会社として一番のポイントとして見ている。加えて日本人の採用と少し違い、研究内容を重視している。日本人よりは職種を想定した状態で入社いただいている。例えば技術営業の職種を採用するのであれば、お客様とお話しする機会が非常に多い職種のため技術以外にもコミュニケーション能力や人当たり等も見ている。

学生が会社に入って何がやりたいのかを見るようにしている。卒業研究で学んだことはもちろん、なぜそこを重視するのかを確認する。例えば画像処理をやりたい等、やりたいことが明確な学生が多いので、それ以外の仕事につけてしまうと離職するリスクになる。面接では「これがやりたい」と言われたら、やりたいことに近い仕事に就けるということを話している。

・来日後の生活が安定しないと成長していかないと考えているので勤務地のイメージが伝わるように、実際に会社の近くに住んでいる台湾出身の社員に英語で伝えてもらっている。また、面接時の質問にフワッとしている回答が返ってきた時は何度かやりとりして確認している。回答が明確でないと本当に日本に来ても大丈夫かなと感じてしまう。

挑戦性やパッションを持っているか。自社でそれが活かせそうかを確認している。

 

海外採用の面接をしていて感じる日本と海外の学生の違い

続いて、実際に海外の学生との面接をしていてどのように感じているのか、本音をお聞きしました。

パネルディスカッションに参加いただいた企業様には、学生の向上心や自分軸のあるPRができる点を評価いただいていました。

FAST OFFERでは、日本企業3社以上から面接したいという希望をいただいた学生を東京へ招待し面接会を開催しています。複数の企業から指名が入る、ポテンシャルの高い学生と面接していただいているということもあり、このようなご回答がいただけたと考えています。

また、学生は面接前にASIA to JAPANのメンターによるサポートを行なっています。これにより日本企業の面接文化や企業の情報がインプットされ、面接では学生のポテンシャルが見極めやすくなっています。

▼参加企業様の声

向上心のある学生が多いと感じる。日本の学生(母数)が少ないことも原因かもしれないが、日本の学生で向上心あふれる方に出会えることが少ない。海外採用をしていると純粋に前向きな方に出会うことが多いように感じる。

自分がやってきたことに自信を持っている学生が多いと感じる。何をやってきて、会社で自分はこういうことができますと話せる方が多い。個人的には、日本人の学生と比べると会社のことをよく調べてきていると感じる。実際に面接官も「よく知っているね」とリアクションをすることもあり、面接を進める上では非常に良いポイント。

会社の雰囲気や企業文化を重視する学生が多いと感じる。日本の学生は条件面やネームバリューを見ることが多いが、昨日面接をした海外の学生は自分が長く働けるか、この会社で成長していけるか、といったところを見ている方が多いという印象を受けた。

自分の考えを持っている人が多いように感じる。面接ではこれからがスタートだと思って来てくれているように感じる。

 

外国籍社員の今後のキャリア形成について検討していること

外国籍社員の迎え入れにあたり、彼らの長期的なキャリア形成について心配される企業様も多いです。

実際に、外国籍社員がいる企業で様はどのようなポジションを期待して社内制度を整えているのか伺いました。

▼参加企業様の声

・FAST OFFERからの採用ではないが、昨年に外国籍社員の離職が2件あった。一人は家庭の事情で母国に帰るためと、やむを得ない理由だった。もう一人は自分のキャリアプランを明確にもっており、キャリアに必要なポジションのオファーを他社からもらい離職してしまった。この経験から、自社で面白い仕事を与え続けることができるかということが、お金よりも必要なことだと気づいた。

・外国籍社員にはゆくゆくは出身国や他の国への出張や現地駐在を通して、ジャパン拠点との橋渡しになってくれることを期待している。あとは、出身国に少しでもいいので帰りたいという外国籍社員が多いので会社としては休みを取って帰ってもらうようにしている。文化的な調整や配慮はやはり難しさもある。

・弊社はITエンジニアを採用しているので日本である程度成長したら、ゆくゆくは海外拠点のエンジニアにスキルトランスファーをするようなポジションや仕事を期待している。
また、マネジメントレイヤーに上がっている外国籍社員がまだいないため、多様性を考え今後対応を進めていきたい。今はインドネシアとマレーシアに海外拠点があるが、今後アジア各国に展開していく時には新卒入社した外国籍社員が現地法人の代表として赴任してもらえると広がりをもてると考えている。

・全社員が共通文化を持っている状態だと気づかないことがあるので、外国籍社員には日本人では気づかない部分に気づきを与えてくれることを期待している。外国籍社員のコミュニティを作るなど、異文化理解の機会を考えている。

・弊社はシステム開発の会社ではあるがお客様の問題解決をする仕事。日本人社員は仕事のプロではあるが、視点が固まっていることがあるので外国籍社員が入ることで視野が広がる機会になることを期待している。不安な点は、社内にすでに外国籍社員が複数名いるが、国ごとに文化が違うので様々な文化に対応できるように社内体制を整えておかないといけないと考えている。


ご登壇いただいた企業ご担当社様、大変貴重なお話いただきありがとうございました。

ASIA to JAPANは日本の企業様と世界各国の日本就職を希望する学生の架け橋となるよう、引き続き面接会を開催していきます。

次回の来日型面接会は12月開催を予定しています。

海外採用にご興味のある企業様は、ぜひお気軽にご相談ください!

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