【出張レポート】日本を離れ海外で学ぶ日本人留学生が、日本就職で重要視していることとは?(ヨーロッパ編)
ASIA to JAPANは”日本就職を目指す海外大学に在籍する日本人留学生“と、”留学生採用を希望するが現地訪問が難しい企業“を繋ぐ「日本人留学生の採用支援サービス」を展開しています。
今回、留学生を対象に、本サービスに登録された企業の日本就職についての情報公開などをオンキャンパスで行うため、2024年9月24日〜10月19日にかけてオランダ、イギリスで16地域15校を訪問、そしてフランスではパリ周辺の大学向けに合同説明会を実施しました。
この記事では訪問した際に得られた最新の日本人留学生の就活事情についてご紹介します。
※同時期に開催した北米の様子はこちら
■今回訪問した大学(国別)
●オランダ
・University of Amsterdam(UvA:アムステルダム大学)
●イギリス
・University of Exeter(エクセター大学)
・University of Bristol(ブリストル大学)
・University of Manchester(マンチェスター大学)
・University of Edinburgh(エディンバラ大学)
・University College London (UCL:ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)
・University of Sussex(US:サセックス大学)
・University of Sheffield(シェフィールド大学)
・Durham University(ダラム大学)
・University of Leeds(リーズ大学)
・University of Birmingham(バーミンガム大学)
・University of Warwick(ウォーリック大学)
・Imperial College London(インペリアル・カレッジ・ロンドン)
・University of Cambridge(ケンブリッジ大学)
・University of Oxford(オックスフォード大学)
●フランス
※大学訪問ではなくパリにて周辺大学を対象に合同説明会を実施
■大学訪問の目的
海外に留学している日本人の方々は、日本就職を目指すにあたり国内就活生と比べて情報量と時間が圧倒的に足りません。オフラインの企業説明会に参加することは難しいうえ、オンラインの場合でも授業カリキュラムが日本と海外では異なるため時間の調整が難しいと言います。
一方の留学生の採用を検討する企業は、学生誘致の活動のために渡米し大学訪問で直接学生に説明するとなると、コストや時間を国内採用以上にかけなければいけないというハードルがあります。
今回の訪問では両者の思いを確実に届けるため、ご契約いただいている企業の情報を代行して直接学生に伝える目的で複数の大学を訪問しました。
本サービスについてはこちらのページをご覧ください。
日本人留学生の採用支援サービス
■学生の就活事情
・参加留学生の状況
参加した留学生のうち8割強が日本での就職を希望していました。しかし、就活におけるスケジュール感や方法が日本とヨーロッパ圏で異なるため、どのように就活を進めるべきかわからないので今回の説明会に参加したという学生が大半でした。
また土日も大学にこもり、研究や課題を進めなければいけなかったり、インターンシップに参加しなければならないなど、就活に割ける時間がほとんどないとのことでした。
・就活準備について
学生に現状の準備状況についてヒアリングしましたが、前述した通り情報収集もままならない状況が続いており、日本の企業についてほとんど知らない学生が大半でした。そのため「今回の説明会で日本就職のスケジュール感がわかった」や「企業情報を知れてよかった」などポジティブな反応を多くいただきました。
参加学生の中には2025年の夏に卒業予定の方もいましたが、他の学生と同様に情報不足に悩んでいました。情報を得づらい理由を聞くと「周りに日本人がおらず相談できない」「オンラインでは探しきれない」など、学生だけでは対処が難しい問題があることがわかりました。そのため日本就職に関連する説明会やセミナーは積極的に参加し、情報収集することが留学生の定番となっているそうです。
・ヨーロッパの就活開始時期
基本的には在学中に就活を始めるのが一般的です。イギリスの場合3年制の大学が多いため、所属する学部や研究課程によって動き出しは人それぞれではありますが、多くが2年生での内定獲得を目指します。
日本就職を目指す場合は、卒業時期が日本の大学と異なるため卒業年に就職ができない際は翌年の入社を目指した就職活動スケジュールを取るケースがあります。
・8割以上が日本就職を望む理由
日本では新卒採用がありますがヨーロッパではキャリア採用が一般的なため、他者に比べて秀でたスキルを持ち合わせているか実績を積めていなければなかなか採用されません。また無事内定を貰えても入社後すぐに結果を出せなければクビになる可能性があるということで、現地で就職するのはかなりハードルが高いそうです。
また就労ビザの取得難易度が高いので日本就職以外の選択肢がないと考える方がほとんどで、現地就職を検討している学生は両親が欧州出身のため本人がヨーロッパ国籍を持ち合わせている方ぐらいでした。現地就職も検討する理由はやはり給与面が大きく影響しており、ビザの取得を考慮する必要がないためハンデなく考えられるとのことでした。
フランスでは音楽や芸術系を学ぶ学生が多く、現地に残るかヒアリングをしたところ、オーケストラ然り芸術関連で就職できる留学生は一握りしかいないため、やはり現地に残ることは困難だとのことでした。
・日本人留学生の魅力
大学のカリキュラムに組み込まれているケースでも、そうでないケースでも就活の経験のため、ほとんどの学生がインターンの参加経験がありました。異文化かつ多国籍の社員がいる中に身を投じ揉まれていることもあり、行動力やコミュニケーション能力、責任感などが国内大学生以上に感じられました。
また日本語ネイティブかつ外国語も堪能であるため、海外展開の拡充、インバウンド向けサービスを展開する企業にとって魅力的な人材と言えます。
・学生が重要視していること
留学生が企業選びで重視していることは「海外での経験を活かせるか」「海外駐在チャンスがあるか」でした。
在学中に培ってきた知識と経験を活かし、日本だけでなく海外でも活躍をしたい考えを持つ留学生がヨーロッパには多い印象を受けました。また学生たちは一様に将来のキャリア見据え、自身の成長のためにどうすべきなのかということを常に考えていました。
また、「海外経験がある」や「英語を話せる」など一定の条件をクリアした学生に対し、ウェブテスト免除や選考特典があるなど、特別選考がある企業は魅力に感じるそうです。
■今後の流れ
「日本人留学生の採用支援サービス」は留学生と採用希望の企業をマッチングすることが最終的な目的です。今回の説明会で留学生が興味を持った企業へ学生情報を共有し、追って企業から個別に連絡を取っていただきます。
■まとめ
今回はヨーロッパの大学に通う日本人留学生の就活事情についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の訪問から日本就職を求める留学生が数多くいること、そして世界ランキング上位に入る大学に通う学生であっても、肩書きに驕ることなく学問に切磋琢磨し、キャリア形成のためにチャレンジし続ける姿が印象的でした。
日本の大学と異なりヨーロッパの大学の卒業時期は夏場が一般的です。
そのため、採用を検討するのであれば採用活動から卒業、入社までのスケジュールを逆算しつつ採用計画を練る必要があります。
日本人留学生採用へのご関心、また採用後から入社までの手続き方法など気になることがありましたら、お気軽にASIA to JAPANへお問い合わせください。
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