【出張レポート】日本を離れ海外で学ぶ日本人留学生が、日本就職で重要視していることとは?(北米編)
ASIA to JAPANは”日本就職を目指す海外大学に在籍する日本人留学生“と、”留学生採用を希望するが現地訪問が難しい企業“を繋ぐ「日本人留学生の採用支援サービス」を展開しています。
今回、留学生を対象に、本サービスに登録された企業の日本就職についての情報公開などオンキャンパスで行うため、2024年9月3日〜10月10日にかけて北米の全23校(一部合同)を訪問しました。
この記事では訪問した際に得られた最新の日本人留学生の就活事情についてご紹介します。
※昨年の北米の様子はこちら
※同時開催した欧州の様子はこちら
■今回訪問した大学(地域別)
●アイオワ州
・Grinnell College(グリネル大学)
●アリゾナ州
・Arizona State University(ASU:アリゾナ州立大学)
●イリノイ州
・Knox College(ノックス大学)
●インディアナ州
・DePauw University(デポー大学)
・Purdue University(パデュー大学)
●オハイオ州
・Ohio State University(OSU:オハイオ州立大学)
●カリフォルニア州
・San Diego State University(SDSU:サンディエゴ州立大学)
・San Francisco State University(SFSU:サンフランシスコ州立大学)
・Soka University of America(SUA:アメリカ創価大学)
・University of California, Berkeley(UCB:カリフォルニア大学バークレー校)
・University of California Irvine(UCI:カリフォルニア大学アーバイン校)
・University of California Los Angeles(UCLA:カリフォルニア大学ロサンゼルス校)
・University of California Santa Barbara(UCSB:カリフォルニア大学サンタバーバラ校)
・University of California San Diego(UCSD:カリフォルニア大学サンディエゴ校)
●ニューヨーク州
・New York University(NYU:ニューヨーク大学)
●ネブラスカ州
・University of Nebraska at Kearney(UNK:ネブラスカ・カーニー大学)
●ハワイ州
・Brigham Young University Hawaii(BYU:ブリガム・ヤング大学ハワイ)
●フロリダ州
・University of South Florida(USF:サウスフロリダ大学)
●マサチューセッツ州
・Boston University(BU:ボストン大学)
・SouthEast University(サウスイースト大学)
●ミシガン州
・University of Michigan (ミシガン大学)
●ユタ州
・Brigham Young University(BYU:ブリガムヤング大学)
●ワシントン州
・University of Washington(UW:ワシントン大学)
■大学訪問の目的
海外に留学している日本人の方々は、日本就職を目指すにあたり、国内就活生と比べて情報量と時間が圧倒的に足りません。オフラインの企業説明会に参加することは難しいうえ、オンラインの場合でも授業カリキュラムが日本と海外では異なるため時間の調整が難しいと言います。
一方の留学生の採用を検討する企業は、学生誘致の活動のために渡米し大学訪問で直接学生に説明するとなると、コストや時間を国内採用以上にかけなければいけないというハードルがあります。
今回の訪問では両者の思いを確実に届けるため、ご契約いただいている企業の情報を代行して直接学生に伝える目的で複数の大学を訪問しました。
本サービスについてはこちらのページをご覧ください。
日本人留学生の採用支援サービス
■学生の就活事情
・参加留学生の状況
参加した留学生は、文理問わず日本就職を希望している、もしくは海外での就職活動と並行して日本企業でも就活する3,4年生が大半で、早めの情報収集や情報の集め方がわからないから参加してみたという1,2年生もいました。中には北米で起業しており、自社を発展させるための人脈作りを目的に就活するという学生もいました。
前述したように、留学生の情報収集度は国内就活生に比べて少ない傾向にあります。もちろん事前情報を多く仕入れている学生もいましたが、ほんの一部でした。どの大学でも「単位の獲得が厳しい」「インターン経験がないと卒業できない」という話を伺い、日本の学生と比較すると学生生活やインターンが忙しく、企業情報の収集に時間をかける余裕はあまりないように感じました。
・就活準備について
学生に現状の準備状況についてヒアリングしました。
準備を進めている人は、SPIなどウェブテストの対策や問題傾向の確認、エントリーシートに記載する内容を準備しているなど、いつでも動き出せるように準備していました。ただしそれはほんの一握りで、多くの学生からは何をしたらいいのかわからないといった回答をいただきました。
ただ日本の情報を集めるのが難しいという現状はあれど、海外でそのまま就活するという選択肢も残っているため、現状に大きく不安を抱いている学生は見受けられませんでした。
・日本人留学生の魅力
日本人留学生は日本語以外の言語を話せ、外国人材と違い日本語で円滑にコミュニケーションが取れるという魅力があるため、外国人材よりも採用のハードルが低いことが魅力です。さらに異文化で多国籍の学生たちに揉まれて培われたコミュニケーション能力だけでなく、発想の違いなどから会社内に新たな風を吹き込んでもらえるのではと期待されています。
さらに、海外に出ることに前向き、且つグローバルなやり取りもそつなくこなせる点は大きな活躍を期待できます。
・学生が重要視していること
留学生が企業選びで重視していることは「自分の知識を活かして社会に貢献できるか」です。
企業は言語力を活かすことを期待していますが、ヒアリングすると学生は言語力の活用は重要視しておらず、4年間学び培ってきた知識を活かせるかと言う質問が頻繁に上がってきました。
また、外国人材の場合「給与面」を重視している方が多い傾向にありますが、留学生は給与よりも企業がどのように「社会貢献」をしているのか、そこにどう携われるのかを重要視しているようでした。
企業の多様性が求められる今、留学生の採用を検討する場合は言語力の活用に注目しすぎず、海外で培った知識や価値観、慣習などを社内に取り込み、活用してもらうことに重きを置くことをおすすめします。
■今後の流れ
「日本人留学生の採用支援サービス」は留学生と採用希望の企業をマッチングすることが最終的な目的です。今回の説明会で留学生が興味を持った企業へ学生情報を共有し、追って企業から個別に連絡を取っていただきます。
日本人留学生は、海外展開の拡充やインバウンド対策を考えておられる企業はもちろん、海外の知識や経験を求めている企業にはおすすめの人材です。
■まとめ
今回は北米の大学に通う日本人留学生の就活事情についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
今回の訪問で「学生起業」や「人脈作り」、「日本でより高いレベルで働くために海外で実績を詰む」などかなり野心的な考えを持つ学生が多いように感じました。
日本の大学と異なり、北米の大学は決められた卒業時期がなく、大学ごとに異なります。
そのため、採用を検討するのであれば、採用活動から卒業、入社までのスケジュールを逆算しつつ採用計画を練る必要があります。
日本人留学生採用へのご関心、また採用後から入社までの手続き方法など気になることがありましたら、お気軽にASIA to JAPANへお問い合わせください。
スタッフとの個別相談会をご希望の場合はこちらからお問い合わせください。