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【出張レポート】北米の大学を巡る「オンキャンパス説明会」を実施。日本人留学生の就活事情とは?

目次

日本の学生の留学先の中で最も人気があるのがアメリカです。
ASIA to JAPANは、9月10日〜10月6日の27日間をかけて、北米の18大学を訪問し就職ガイダンスを実施するオンキャンパス説明会を行いました。

 

オンキャンパス説明会とは

ASIA to JAPANでは、北米・欧州を中心とした日本人留学生向けのサービスである「FAST OFFER 海外大生のための日本就職支援」を展開しています。
コロナ禍の2021年も休まず、毎年約50校を直接訪問、国内の学生とは異なる環境で独自の就職活動が必要になる現地の学生に向けて、就職ノウハウを提供するとともに、サービスを利用する各企業様の募集情報などをお伝えしています。

今回は北米の18校におけるオンキャンパス説明会に参加した日本人留学生の声、リアルな就活事情などをお伝えします。

 

訪問大学

今回は、大学ランキングで上位に位置する大学を選定し、訪問しました。訪問校は以下の18校です。

 

訪問の目的

今回の訪問には、3つの目的ありました。
まず一つ目が、日本人留学生が就活についてどのような準備を行なっているかなどの意識調査を実施すること。
二つ目が、その留学生に対して日本の就活情報を提供するということ。
そして、FAST OFFER サービスを利用する企業様の情報を学生に紹介することでした。

 

日本人留学生

大学の規模によって人数は異なってきますが、各校10〜40人程度の日本人留学生と直接お会いすることができました。お会いした学生のうち、約8割が正規留学として、残り2割が交換留学として通われていました。
参加学生の学年は、就活セミナーということもあり、8割が本格的に就職活動を行う3,4年生でした。残り2割の2年生以下の学生は、就活について意識を高く持ち、早めに情報収集を行う目的で参加されました。

 

留学目的

留学を決めた背景や目的についてお会いした学生から伺いました。その中でも多かったのが次の2つの理由でした。
・専門性を極めたい
・モチベーションの維持

学生にとって日本の場合だと、大学に対して合格することがゴールとなってしまい、その後のモチベーションを維持するのが難しいと感じられたそうです。一方のアメリカであると、大学へ入学するために求められることは、高校の学業成績や課外活動、面接などの総合評価になります。そのため、日本のように大学入学が厳しすぎるわけではありません。しかし、卒業するのが日本の大学に比べて大変なため、日々の講義を集中し結果を出さなければならないという負荷が、勉学に対するモチベーション維持に繋がると伺いました。
そして、日本の大学に比べて、アメリカの大学には研究に必要な設備や環境が整っており、より専門性を極めるのに適している点が、留学することを決断した理由にあげられました。

 

日本への印象

セミナーを実施する前に卒業後の進路について学生に伺ったところ、意外な反応がありました。「日本での就職に迷っている」という声が、想像していたよりも多くあがったのです。その要因が、現在の日本の経済状況や、円の価値が下がっていることが、学生にとって帰国すべきかを悩ませていました。

 

卒業後の進路

留学生の多くが、将来グローバルに活躍ができるよう自分の意思で留学を決断し、揉まれてでも海外で学ぶことに覚悟を持って挑んでいます。そのため、世界に目を向けたマインドを持つ人が多い傾向にありました。卒業後の進路先を日本に定めている学生は、日本企業の中でもグローバルに活躍ができるような企業に焦点を当てているとのことでした。
雇用に関する考え方としては、アメリカの場合実力や成績が残せなかった際、すぐにクビになってしまうなど雇用が必要以上に守られておりません。一方で日本の雇用形態の場合、働き手に対して保証する制度も多いため、日本の労働環境に魅力を持つ学生も少なくありませんでした。

 

浸透していない「新卒一括採用」の存在

日本では当たり前の「新卒一括採用」ですが、お会いした学生にはあまり認知されていないことがわかりました。実は、この新卒一括採用自体、世界的に見ても珍しい採用方法です。アメリカではこの採用方法が行われておらず、一般的に新卒や中途に関係なく、必要な人材枠が空き次第採用が行われます。そのため、インターンで経験を積んでいたり、何かしら研究で実績を出したりした学生が優先的に採用される傾向にあります。
そうした環境下にいる学生にとって、日本の企業情報収集は意外と困難を極めるらしく、新卒採用枠について知らず、また気付かないという学生が多くなったと考えられます。
日本では、この採用方法を行なっていることをお伝えした際、「経験重視でなく、新卒を一律に見て判断してもらえるのであれば」と、日本での就職に興味を持ってくれる学生が増えました。

 

「FAST OFFER 海外大生のための日本就職支援」とは

前述したように、ASIA to JAPANでは日本人留学生と日本の企業をつなげるサービス「FAST OFFER 海外大生のための日本就職支援」を展開しています。
留学生にとって就活のために帰国をするということは、高額な費用がかかるので容易に選択することができません。
また、オンラインの恩恵が出てきた現在であっても、日本在住と異なりオフラインで行われるような日本の就活イベントや、企業説明会にタイミングを合わせて参加することができません。
一方で、企業側も同様に、グローバルに強い人材を求めるべく、日本人留学生の現状を知るために現地へ赴き、情報収集を行うということは時間もコストもかかるため非現実的です。
当サービスでは、出会うことが難しかった留学生と企業が、サービスを通じて安心して繋がっていただくことができます。
過去2年間で約1,000名の学生が参加登録いただきました。企業が求める人材をヒアリングし、マッチした学生をつなぐことで、採用後に起こりがちな職場環境への認識のズレを減らすメリットがあります。

留学生の魅力

正規留学、交換留学の学生ともに、常に英語に触れる環境下で専門分野の勉学に励み、そして生活を行っています。そのため、英語での基本的な会話力に加えて学術的な話も、臆することなく行う事ができる人が多いです。また、限られた期間で何を学ぶかという自身の目的を明確にし、行動に移す判断力を持っています。
そのため、今後世界に向けた発信を行う検討をされている企業にとって、大きな力となるでしょう。

 

留学生の印象や魅力

今回北米ツアーを行った、マーケティング&セールス部の小国にツアーについて聞きました。「訪問を行う以前での学生への印象は、4年間の正規留学のため勉強し、卒業後のための就活知識もあるのかなと思っていました。しかし、実際にお会いした際、現地の学生のほとんどが、日本の就活に関するノウハウを持ち合わせていませんでした。特に多かったのが “企業研究や業界研究はどのように行えばいいのか”という、日本の学生と変わらない基本的な質問でした。直接学生とお会いすることで、学生が求めている生の情報を拾う事ができて良かったなと思います」と、学生の要望を拾うことができたそうです。
また、「海外志向の学生が多いので、グローバルに活躍をしたいと考える学生がとても多かったです。日本語も英語もネイティブレベルである留学生は、海外進出やインバウンドに力を入れる企業にとって強力な戦力になると思います」と、留学生の魅力を紹介してもらいました。

 

まとめ

コロナ禍で身動きが取りづらかった過去2年とは違い、海外への移動も容易になってきました。そして、留学生の数も回復に向かってきています。国内の学生数は減少に転じています。今後は、事業の拡大も視野に入れ、今以上に留学生と日本の企業が繋がる環境を整えていきたいと考えています。
海外で学ぶ日本人留学生の採用についてお困りの方は、気兼ねなくお問い合わせください。

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