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世界第2位の日本語学習者数のインドネシア!その日本語力と就職活動とは

目次

世界第2位の日本語学習者数のインドネシア!その日本語力と就職活動とは

インドネシア人の日本語力とは

外国人材の採用をする際に気になる、日本語力。国によっても日本語教育が盛んかどうか、傾向が異なります。
この記事ではインドネシア人の日本語力を知っていただき、日本企業が採用する際に検討がしやすい情報を提供します。

インドネシアの教育事情

日本と同様、小学校に6年間、中学校に3年間、高校に3年間(もしくは専門学校3~4年間)、大学に4年間(もしくは専門学校2~3年間)通うのが一般的です。

小中学校の9年間が義務教育である点も日本と同じですが、高校から先に進学する人は27.9%と少数で、インドネシアで大学に行ける人は限られているのが現状です。

人口が多いため競争は激しく、その競争をくぐり抜けてトップ大学に進学した学生たちは研究熱心で優秀な人が多くいます。大学卒業後、ドイツや日本、アメリカ、イギリスなどの海外大学で博士課程に進む学生もいるほど。

インドネシア人から見る日本への印象

インドネシアは世界的に見て日本語教育が盛んな国です。日本語教育機関数は2000年代に増えており、その背景には若者の日本文化への関心の高まりがあります。

「ドラえもん」をはじめとしたアニメや漫画、女性アイドルグループ「JKT48」に興味を持ったことが日本語を学ぶきっかけとなっている人も多いようです。2018年には日本とインドネシアの国交60周年を迎え、2019年8月にインドネシア大学で行われた「JAPAN文化祭」には4万人以上もの人が訪れるなど、日本への関心は強いです。

日本語学習状況の概要

2021年度海外日本語教育機関調査 によると、インドネシアの日本語学習者数は世界第2位です。その背景としては教育機関数の多さが挙げられます。学校教育以外の機関に属する日本語学習者数は、前回の調査比で約50%増加し、全体の学習者数の底上げに貢献しています。

 

出典:2021年度 海外日本語教育機関調査:p.30(国際交流基金)を引用

中等教育における日本語学習

2013年にインドネシアで導入された新カリキュラムの影響で、一部の高校では第二外国語を廃止し、受験に有利な科目に切り替えたことで、中等教育における日本語学習者数が減少しています。

高等教育における日本語学習

普通高校での日本語クラスの廃止が多かった一方で、専門高校では日本語教育を導入するケースが増え、減少が抑えられていると考えられます。ただし、コロナ禍により一時的にほぼ全ての学校で対面授業が停止され、特に地方ではオンライン環境が未整備であり、日本語の授業も一時停止されたケースが見られました。

日本語能力試験の受験状況

令和5年7月の試験では、約1万3,000人の方が日本語能力試験を受験しました。ジャカルタ、バンドン、スラバヤ、メダン、ジョグジャカルタ、パダン、デンパサール、マナド、マラン、スマラン、マカッサル、パレンバン、チレボンなどの年で試験が実施されています。

 

令和5年第1回(7月)の受験者数データ(引用:日本語能力試験のHP

 

インドネシア人の就職事情と仕事観

国内で人気な就職先

インドネシアの学生は卒業後に就職活動を開始するのが一般的です。

大学が卒業時期に合わせてジョブフェアを開催し、それに参加をしたり、入社を希望する会社に直接履歴書を送ったりするのが一般的な就職活動の方法となります。最近では日本の人材系企業がインドネシアを訪れることも増えています。

就職先として国内で人気なのは、外資系企業と政府系機関です。前者は高い給与とキャリアアップのしやすさが、後者は安定感が魅力なようです。一方で、トップ大学には海外の就業を希望する学生も多数見られます。海外で経験を積んだのちにインドネシアに戻り、その経験や語学力を国内で活かしたいと考える人が多いのが特徴です。

日本への就業に関する意識

インドネシア国内の初任給は500万~600万ルピア、日本円にして5万~6万円程度であることから、給与水準が高い日本企業は人気があります。ただ、仕事観の違いから日本企業に抵抗を持つ人もいるのは事実です。

「仕事は家族のためにするもの」という考え方が根付いており、日本では子どもが病気になっても仕事をすることはさほど珍しくりませんが、インドネシアでは「子どもが病気の時になぜ仕事をするのか」という感覚が強いようです。

こうした考え方の違いから、終身雇用や残業に対して人生を会社に捧げるかのようなイメージを抱く人も。不安を感じているインドネシア人に対しては、インドネシアとの共通点もたくさんあることをアピールしていただくことが大事だと言えます。

(関連記事:終身雇用が怖い? インドネシア大学の学生から見た「就業先としての日本」とは

代表的な大学 

インドネシア大学  (University of Indonesia ) ※通称UI

1940年に設立され、インドネシアで最も古い大学の一つです。首都ジャカルタにあり、国際的なランキングでも高い評価を得ています。13学部に加え、大学院と専門学校(Vocational Program)がそれぞれ1つずつある。学生数は4万7000人ほどいて、理系では医学部、歯学部、情報学部が、ベンケイでは会計学や国政関係が人気です。

バンドン工科大学(Bandung Institute of Technology ) ※通称ITB

インドネシアのバンドンにある国立の工科大学で、国内外で高い評価を受けています。 インドネシアの3都市にキャンパスを構える理工系の名門校です。学生数は約2万4000人ほどで、インドネシアで最も人気が高く、最も入りにくい大学とも言われています。

日本におけるインドネシア人の数

在留インドネシア人の人口

出入国在留管理庁によると、2022年6月末地点で在留外国人は296万1,969人いますが、そのうち2.8%の約8万3000人がインドネシア人です。

引用:令和4年6月末現在における在留外国人数について(出入国在留管理庁)

インドネシア人労働者の人口

厚生労働省が2023年1月に報告した「外国人雇用状況」の届出状況まとめでは、前年の2022年10月の段階で外国人労働者数が1,822,725 人、前年比95,504人増加したと公表しました。そのうちインドネシア人は8位の約7万7000人います。

 

※厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)を参考にASIA to JAPANが作成

 

技能実習制度を活用するインドネシア人

インドネシアで日本語を学ぶ人が多い背景として、短期間で日本語を学び、技能実習制度を利用して訪日するケースが増加していることも挙げられます。2019年に導入された「特定技能」の在留資格がその要因とされています。

令和4年末の国籍別の技能実習生の受け入れ人数を見ると、インドネシアは2位の約4万6000人でした。

コロナ禍においても学習者数は増加し、特にジャワ島などの州以外の地域でも学習者が存在しており、今後の伸び幅が注目されています。

※出入国在留管理庁「外国人技能実習制度について」より引用

 

インドネシア人の採用成功事例の紹介

ここから先は弊社FAST OFFERを通じて日本企業への採用が決まった、インドネシア人学生の事例をご紹介します。

インドネシア人学生の採用事例1: 機会工学の学生

日本語は高校生の時から学習を始めた学生。当初はあまり意識をせずに学習を始めたものの、時間が経つにつれ、アニメや漫画、歌謡曲など日本のポップカルチャーへの関心が高まり、日本語の勉強に真剣に取り組むように。大学入学前にN3レベルに到達し、その後 日本への就業を意識するようになり、独立系の自動車シートメーカーとして開発・製造・販売を行う日本企業に内定。

詳細を見る:【内定者体験記】インドネシア インドネシア大学 機会工学

インドネシア人学生の採用事例2: 情報科学の学生

小学三年から五年まで日本の高知県で過ごした経験から日本に興味を持つようになり、後にJLPTのN1を取得。フロントエンド開発と機械学習に知見があり、TensorFlow デベロッパー認定資格を有しているほか、Google社との協働事業であるBangkit Academyにて機械学習の講師を務める意欲的な学生で、最終的にはスパークプラグ・セラミックス製品を製造するメーカーに内定が決まる。

詳細を見る:【内定者体験日記】 インドネシア ブラウィジャヤ大学 情報科学

インドネシア人学生の採用事例3:コンピューターサイエンス専攻の学生

メディア等の印象から、日本の文化や情景に興味を持ったという学生。日本で働きたいと思う一番の理由は、『チャンスがたくさんあり、自分のキャリアの夢を実現できる可能性が高いから』と言う。

日本に来たことはなく、就職活動時に日本語力も十分なものではなかったものの、英語も含めて面接を乗り切り、最終的には個人向け・法人向けに金融系のウェブサービスを提供している日本企業に内定が決まる。

詳細を見る:【内定者体験日記】 インドネシア バンドン工科大学 コンピューターサイエンス学部

終わりに

いかがでしたか?
今回は、インドネシアにおける日本語教育事情や仕事観、日本での就業状況についてお届けしました。

ASIA to JAPANでは、海外の主要大学と提携しており、現地大学内で年間を通して行う日本語学習などを通じて、海外の学生に日本への就職のきっかけを提供しています。 また、優秀な学生と企業とをオンライン・オフラインを通じて理想的なマッチングを実現いたします。就職決定後に、企業が必要なサポートを次々と充実させていくことで、双方のギャップを解消し、活躍するまで丁寧に支援しています。

外国人採用で不安な事がありましたら、気兼ねなくお問い合わせください。

【参考サイト】

国際交流基金 2021年度 海外日本語教育機関調査

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